神奈川県のサステナブルなおすすめ宿・ホテル5選(鎌倉、箱根、真鶴)

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「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは神奈川県のLivhubおすすめの宿5つ。それぞれ詳細を紹介していく。

1. Modern Ryokan kishi-ke(鎌倉市坂ノ下)

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引用元:kishi-ke modern ryokan in Kamakura

鎌倉、由比ヶ浜の目の前に位置する、1日1組限定4名迄(日帰りは5名迄)の一棟貸し宿泊施設。他の宿泊客のいないプライベートな空間で、オーナーである岸家のご夫婦が客人をもてなす。オーシャンビューと日本庭園を堪能できる環境で、宿泊や食事、自然を感じ、体を動かす、日本文化に触れる、などの体験ができる宿だ。

「知足=足るを知る」を大切にし、今を受け入れさらなる未来を創る、そんな気持ちが心を豊かにすると考える岸家。宿では、岸家が大切にする考え方を感じられる、茶道・煎茶道、精進料理を作って食す体験、瞑想、生け花などを楽しみしながら、足るを知る時間を過ごすことができる。子ども向けの知足体験コースも用意あり。

シンプルな美しさに身を置く贅沢な空間で、次へ次へと求めてしまう消費的な自分を振り返り見直しながら、心身を整える時間を、岸家で過ごしてみてはいかがだろうか。

住所 神奈川県鎌倉市坂ノ下21−5
HP https://kishi-ke.co.jp/jp/ 
2. 真鶴出版(足柄下郡真鶴町)

 
真鶴出版

引用元:真鶴出版

「泊まれる出版社」というユニークなコンセプトで運営されている、宿でもあり出版社でもある場所「真鶴出版」。出版業をやりたかった夫と、宿泊業をやりたかった妻が運営する、築約60年の民家をリノベーションした「まちやど」だ。

「まちやど」とは、町を一つの宿と見立て、宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで宿泊客をもてなすことで地域価値を向上していく事業(※1)。真鶴出版を始めた当初は、外国人のお客さんが9割ほどで、箱根観光のための宿泊地として、真鶴を選ぶ人が多かった。そこで、ただ寝泊まりをする場所としてだけではない、真鶴の地域のよさを知ってもらいより地域を楽しんでもらおうと、宿泊客向けに街歩きツアーを始めた。

今では真鶴出版に宿泊すると街歩きツアーがつくのが特徴となり、宿泊者は地域独自のまちづくり条例「美の基準」についての話を聞いたり、散歩をしながら商店の店主など地域の人と話をしたり、泊まっただけでは出会えないような、街の魅力やそこに住む人々と出会えう体験ができる。真鶴出版に泊まったお客さんが、真鶴に移住された例もあるそう。

これからの自分の人生、働き方や暮らし方を考えて、今居る場所から新しい一歩を踏み出そうとしているタイミングに、そのきっかけを求めて来る人が多いという真鶴出版。神奈川県というと頭に浮かぶ鎌倉や箱根といった観光地もいいが、少し思考をずらして日常の暮らしが根づく小さな地域に遊びにいってみる旅にもまた、違った発見があるはずだ。Livhub編集が取材した記事「消費する旅から創造する旅へ。『泊まれる出版社』こと真鶴出版のもてなしが生む『旅と移住の間』」も合わせてご参考までに。

住所 神奈川県足柄下郡真鶴町岩217
HP https://manapub.com/ 
3. 亀時間(鎌倉市材木座) 

亀時間

引用元:亀時間

鎌倉、材木座の海から徒歩3分の場所にある、眠っていた古民家を再生してつくられた、築100年近いゲストハウス「亀時間」。

亀時間という屋号は、ミヒャエル・エンデの童話『モモ』に登場する亀に由来。時間泥棒に盗まれた大切な時間を取り戻しに行くモモという女の子の物語のなかでは、「ゆっくりした時間の中に、人生の大切なものがある」というメッセージが示唆されている。亀時間も、部屋に時計もテレビもない、自分の時間をゆっくりと過ごせる場所。2つの個室と1つのドミトリーは、懐かしさが感じられる、ほっとする空間。宿には『モモ』の本も置いてあるので、童話の世界に浸ってみるのもよさそう。

お風呂やトイレが共同という少しの不便はあるけれど、便利さと引き換えに失われがちな、ゆったりとした時間や、オフラインになる時間を取り戻させてくれるだろう。スマホをオフにして、近隣のお寺や海辺を散歩したり、何もせずに過ごしたりしてみては。朝ご飯には、地元鎌倉の野菜を使ったプレートをいただけたり、宿で使う電気は再生可能エネルギーの電力会社である「みんな電力」を使用していたり、環境負荷を下げる配慮がされているのも嬉しい。

住所 神奈川県鎌倉市材木座3-17-21
電話番号 0467-25-1166
HP https://kamejikan.com/
各種予約サイト

※下記リンク経由で予約した場合、当メディアに紹介手数料が入ります。予約者の方に追加の費用負担は発生致しません。本手数料は、社会を良くするメディア運営を持続的に行うための資金として大切に活用させていただきます。

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4. はつはな(足柄下郡箱根町) 

はつはな

引用元:はつはな

自然豊かな箱根湯本に位置する、全客室に露天風呂を備えるラグジュアリーなホテル。全客室が湯坂山と須雲川に面し、四季折々の景観を楽しめるのも魅力の一つ。

食事には、地元神奈川の食材をはじめ、近隣県で収穫された季節の食材を使用。ギャラリーショップでは、箱根の伝統技法である寄木細工の工芸品や、神奈川県産の食材を生かしたオリジナルの酒類を販売するなど、地元の魅力を存分に味わえる。

公式サイト内には、「SDGsについての取り組み」といったページが用意され、様々な取り組みが並ぶ。例えば、厨房や食べ残しででる生ごみはバイオ処理を行い微生物の力で生分解。アメニティも一部は提供せず、宿泊客には、使い慣れた物を持参するよう呼び掛けを行っている。また、客室の寝具には、廃棄された海洋プラスチックから加工された素材を使用した枕・掛布団・ベッドパットや、リサイクル可能で洗える高反発マットレスを採用。ディナーや朝食で使用される箸は間伐材を使用して作られている。環境面以外でも、スタッフの制服が男女同デザインなのも注目したいポイント。

また運営会社の株式会社小田急リゾーツは、神奈川県が取り組む「かながわプラごみゼロ宣言」に賛同企業として登録し各種取り組みを行っていたり、運営施設の宿泊プランの売り上げの一部を「箱根町資源保全基金へ」寄付したりとさまざまな活動を進めている。

川の水音に耳を澄まし、季節、日、時間によって移ろう山の表情を静かに眺めながら、自分を本来あるべき自然な場所に戻しに訪れてみてはいかがだろうか。

住所 神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20-1
電話番号 0460-85-7321
HP https://www.hakone-hotelhatsuhana.jp/
各種予約サイト

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5. 富士屋ホテル(足柄下郡箱根町)

富士屋ホテル

引用元:富士屋ホテル

日本初の本格的リゾートホテルとして1878年(明治11年)に箱根・宮ノ下に誕生したホテル。明治期から戦争や震災といった数多の試練を経験しつつも、伝統を受け継ぎ、時に改修を加えながら、日本有数のクラシックホテルとして今もなお多くの人に愛され続けている。

レストラン、バーなどは、和洋いずれのスペースも、伝統を感じさせる格式高い空間ながら、自然を間近に感じられ、落ち着いて食事を楽しむことができる。箱根外輪山の雄大な景色を望むスパでは、四季折々の自然を感じながら、また4棟ある客室棟の客室でも、名湯・宮ノ下温泉を堪能できる。

環境負荷の低減を目指し、ホテル内でのエネルギー使用量の削減、電気自動車用充電スタンドの設置、朝食のセットメニュー提供によるフードロス削減、プラスチック使用の削減など、次の100年もこの箱根の地にあり続けるために、環境に配慮した取り組みが始まっている。ホテルのSDGsの取り組み詳細については富士屋ホテル公式ページ内の「富士屋ホテルとSDGs」から確認できる。

何より長い年月を経てなお、時折変化をしながら箱根の町にあり続ける老舗ホテルに泊まることで、過去を見つめながら未来に残していきたい価値やモノは何なのか、思いを馳せる時間を過ごしてみてほしい。

住所 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
電話番号 0460-82-2211
HP https://www.fujiyahotel.jp/
各種予約サイト

※下記リンク経由で予約した場合、当メディアに紹介手数料が入ります。予約者の方に追加の費用負担は発生致しません。本手数料は、社会を良くするメディア運営を持続的に行うための資金として大切に活用させていただきます。

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Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

※1 一般社団法人日本まちやど協会/まちやどについて
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宿紹介文執筆: 和田麻美子
編集: 飯塚彩子

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。