福島県のサステナブルなおすすめの宿・ホテル8選(福島市、いわき市、二本松市、喜多方市)

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは福島県のLivhubおすすめの宿8つ。それぞれ紹介していく。

1. 農家古民家「​​ji-kka」(福島市庭坂)
農家古民家「​​ji-kka」

引用元:農家古民家「​​ji-kka」

福島県西部の庭坂で、三代にわたって桃や梨、リンゴを生産している「あんざい果樹園」。自然を汚さず壊さず農と向き合っていきたいという想いから、減農薬栽培にこだわる農家が営むのが、築100年の古民家をリノベーションした宿、農家古民家「ji-kka」だ。

宿の自慢は、併設の果樹園で採れるみずみずしい旬の果物。特に7月〜12月には、これまで食べたことのない味に出会えるはずだ。果樹園では年に数回、マルシェや音楽ライブなども開催されるため、イベントに合わせて訪れるのもよいだろう。

敷地内には果樹園のほか、山野草好きのホスト夫婦による手作りの美しい庭も。こちらの庭には、エッセイスト・作詞家・タレントなど幅広い分野で活躍している糸井重里さんの呼びかけで立てられたツリーハウスが建ち、うたた寝に最適なハンモックも設置されている。

さらに、建築建材のリサイクルで知られる「ReBuilding Center JAPAN」が手がけた陶器ギャラリーが併設されているのも、宿の魅力の一つ。古き良きものの美しさを生かすギャラリーの感性は、年月をかけて味わい深さを増した机やタンスが並べられた全2部屋の客室にも反映されている。

ゴロンと休める畳や昔懐かしい縁側もあり、まるで「実家」で過ごしているかのような心地よさを味わえる「ij-kka」。無農薬野菜の畑で野菜がすくすく育ち、山羊がのんびり暮らす自然豊かな空間で、のんびりゆったり過ごしてみてはいかがだろうか。

住所 福島県福島市町庭坂字原ノ内14番地
HP https://www.airbnb.jp/rooms/33431015 公式Facebook https://www.facebook.com/ankju.jp
2. おとぎ宿米屋(須賀川市岩渕)
おとぎ宿米屋

引用元:おとぎ宿米屋

「退屈を愉しむ」

須賀川の地で88の手間暇かけた米の栽培から始まった「米屋」。「いつの日か地域を支え、人々をもてなしたい」との思いで始まった「おとぎ宿米屋」は、自分の気持ちとやさしく向き合う時間を与えてくれる癒やしの宿だ。

木の温もりあふれる廊下を抜けると、全室自家源泉かけ流し100%温泉付プライベートスイートの離れが点在。森から湧き出る源泉は、大浴場や露天風呂、ミストサウナでも贅沢に使用されており、自然のもたらす「豊かさ」を余すことなく感じられる。

自慢の料理には、自社農園や近隣の生産者が栽培する有機認証されたこだわりの食材を使用。素材の味を生かした彩り豊かな料理の数々が、舌を、目を、そして心を満たしてくれる。

緑豊かな街、福島県須賀川の地にある当施設では、天然の温泉水を冷暖房のエネルギーに変換する空調システムや、東北初のEV(電気自動車)充電スポットなど、二酸化炭素排出量削減につながる設備を積極的に導入。自分らしさと豊かさに出会える場所「おとぎ宿米屋」での滞在は、私たちに「自然=ありのままの姿」が最も豊かで満たされたものであることを教えてくれる。

住所 福島県須賀川市岩渕字笠木168-2
HP http://e-yoneya.com/
各種予約サイト

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3. 古民家の宿 中里(田村郡小野町)
古民家の宿 中里

引用元:古民家の宿 中里

福島県の山あいにひっそりとたたずむ隠れ宿「古民家の宿 中里」は、100年の歴史が刻まれた古民家をリノベーションし誕生した、一日一組限定の貸切宿。ここでの滞在は、日々時間に追われる私たちに “時を忘れるという贅沢” を与えてくれる。

中里での暮らしの始まりは、炭や薪を使った火おこしから。囲炉裏を囲みながらゆったりと流れる時を感じたり、薪で湯を沸かす五右衛門風呂で疲れを癒やしたりする経験は、昔から大切にされてきた自然にやさしい丁寧な暮らしを体感させてくれる。

四季折々の自然豊かな景観も、都会から離れた自然豊かな町、小野町にあるこちらの宿で味わえる贅沢のひとつ。枝垂れ桜が咲きふきのとうやたけのこが芽を出し始める春、新緑が深まりやわらかな光が差し込む初夏、もみじが庭に彩りを添え紅葉が出迎える秋。どの季節に訪れても、色鮮やかな自然が目を、体を、そして心を癒やしてくれる。

夜には空一面に星が瞬く幻想的な世界が広がり、眠る瞬間まで非日常なひとときを過ごせる「古民家宿 中里」。気心知れた家族や仲間と安らぎを感じる古民家で過ごしたい方、スローライフや田舎暮らしを体験したい方、都会暮らしの疲れを癒やしたい方、すべての人を温かく迎え入れ包み込んでくれる暮らし、自然がここにはある。

住所 福島県田村郡小野町小野山神畑田168
HP https://nkst.net/
各種予約サイト

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4. 福島いわきゲストハウス・GAMP HOUSE(がんぷはうす)(いわき市平下神谷)
福島いわきゲストハウス・GAMP HOUSE

引用元:福島いわきゲストハウス・GAMP HOUSE

東日本大震災を生き抜いた築260年超の伝統的な建物で、古き良き日本の暮らしを体感できる、福島県いわき市初のゲストハウス「GAMP HOUSE(がんぷはうす)」。享保時代(1716年〜1736年)に建てられた茅葺屋根の農家古民家では、お世話好きのご夫婦と愉快なオーナーが、心温まる滞在をサポートしてくれる。

築200年を超える民家は本来、柱や梁が朽ち、屋根や床が廃れた状態で、大規模な修繕や解体・改築が必要。人が暮らすのはなかなか難しいだろう。しかしこちらの建物は、建築から260年以上経っており、なおかつ維持管理の難しい茅葺屋根であるにもかかわらず、最小限の手直しによって当時の状態を保ちつづけている。その姿からは「伝統的な建物の文化財保存」を目指すオーナーらの強い願いが感じられ、その想いは滞在中至るところから伝わってくる。

伝統製法の畳が敷かれた部屋で歴史を感じながらゆっくりくつろぐもよし、囲炉裏を囲んでみんなで宴会をするもよし。あるいは種まきや収穫、草刈りなどの農業体験のあと、採れたての自然無農薬野菜に舌鼓を打つもよし。思い思いの形で、自由にナチュラルライフを楽しんでみてはいかがだろうか。

住所 福島県いわき市平下神谷字赤沼37
HP https://gamp-nippon.com/2-2/
各種予約サイト

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5. Dana Village(ダーナビレッジ)(耶麻郡西会津町)
Dana Village

引用元:Dana Village|楽天トラベル

「本来の自分らしさを取り戻そう」

福島県と新潟県の県境、自然豊かな西会津町安座地区に位置する「Dana Village(ダーナビレッジ)」は、健康回復とじぶん発見をテーマとする体験型宿泊施設である。

宿泊棟は、かつて小学校の分校だった木造建築を改修した、趣のある2階建て造り。木造ならではの音の響きや外から聞こえる鳥や虫の声が、心地よく耳をくすぐる。食事は、オーガニック野菜をふんだんに使用した、動物性食品を一切使用しないヴィーガンメニュー。アレルギーにも対応しており、誰もが地球の恵みそのものの味を堪能できる。

食事に使われるのは、宿が管理する「チャルジョウ西会津農場」で育った採れたて新鮮野菜。こちらの農場では、30年以上にわたり農薬や化学肥料に頼らない野菜づくりを行っており、農業体験も受け付けている。宿泊とあわせて、環境に良いだけでなく、教育面や健康面でも良い影響があることが明らかにされている有機農法を体感するのもおすすめだ。農業のほか、ヨガやヒーリング、瞑想などの各種セラピーも体験可能。外国人スタッフが多く在籍しているため、滞在を通して異文化交流も楽しめる。

「Dana Village」ではSDGsの取り組みの一環として、日本大学工学部が考案した排水が流れず電気をほとんど使わない浄化槽付きトイレ「ロハスのトイレ」を設置。さらに、食器の洗浄や手洗い、洗濯の際に松の樹液を利用した生物分解性の高い自然由来の洗剤を使うなど、建物や設備、食事、体験、すべてからサステナビリティへの想いが感じられる。

住所 福島県耶麻郡西会津町野沢字与葱右エ門裏丙496-2
HP https://danavillage.com/
各種予約サイト

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6. 農家民宿 遊雲の里(ゆうのさと)(二本松市太田)
農家民宿 遊雲の里

引用元:農家民宿 遊雲の里

里山の恵みと自然体験いっぱいの宿、農家民宿「遊雲の里(ゆうのさと)」。ここは、標高300m~400mの棚田の丘にある、農業体験と郷土料理が自慢の宿だ。

土や水、野菜に触れ、里山の匂いを嗅ぎながら、自然の一部になったかのような感覚をおぼえる農業体験。春の種まきや田植え、夏の旬野菜の収穫、秋の稲刈り、冬の餅つきや味噌づくりなどを通して、農業の楽しさと厳しさを体感すれば、普段何気なく口にしている食材への感謝の想いが一層強くなるはずだ。

宿でいただけるのは、採れたての旬の野菜をメインに使用した素朴な郷土料理。野菜中心のメニューをはじめ、二本松市に隣接する東和地区の特産である桑の実を使った自家製ジュースやジャムなど、地元の美味を堪能できる。

さらに施設内では、田んぼの生き物観察会やホタル観察会など、大人と子どもが一緒になって里山の自然を満喫できるイベントも不定期で開催。さらに、農業体験と地元民との交流、東日本大震災の被災地訪問などを含む大学生・企業研修プログラムも実施するなど、旅人と地元・福島を繋ぐ活動にも力を入れている。

住所 福島県二本松市太田字布沢282
HP https://yuunosato.jp/
7. ガーデンホテル喜多方(喜多方市天満前)
ガーデンホテル喜多方

引用元:ガーデンホテル喜多方

JR磐越西線・喜多方駅より徒歩約4分の場所にあるシティホテル「ガーデンホテル喜多方」。観光やツーリング、帰省、ビジネスなど、さまざまな目的で利用されている、アットホームな宿だ。

全47の客室は、無垢の木のフローリングが敷かれた落ち着く空間。上層階に宿泊すれば喜多方市内を一望でき、天気の良い日は北に飯豊山、南に磐梯山の山々を見渡せる。ぐっすり眠った翌朝に待っているのは、こだわりの食材で一つひとつ丁寧に手作りした朝食。喜多方をはじめ会津の地元食材と調味料をメインに使用した野菜たっぷりのプレートモーニングが、これから始まる一日への活力を与えてくれる。

「自然エネルギーを使用した環境にやさしいホテル」として、さまざま取り組みを行う当施設。再生可能エネルギーの比率が高い電力や、LPガスボイラーに代わる「木質ペレットボイラー」、冬季限定のペレットストーブなど、二酸化炭素削減量削減に繋がるシステム・設備を積極的に導入している。

木製ペレットの原料は、山林の育成過程で生まれる間伐材や、製材作業で出るおが屑、端材などの再利用可能な材木。燃やした際に出る二酸化炭素は、木が成長するときに吸収した二酸化炭素分となるため、二酸化炭素排出量の増加には繋がらない。また、燃やしたあとに残る灰は、田畑の栄養として自然に還すことも可能だ。こちらのホテルを訪れた際は、従来のエネルギー源に代わる環境にやさしい燃料として注目を集める木製ペレットを使用した設備に注目してみるのもよいだろう。

住所 福島県喜多方市天満前8845-3
HP https://garden6.com/
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8. 土湯温泉 ホテル山水荘(福島市土湯温泉町)
土湯温泉 ホテル山水荘

引用元:土湯温泉 ホテル山水荘

約一千年の歴史をもつ湯量豊かな名湯、土湯温泉。「ホテル山水荘」は、静かな山あいの温泉地にたたずむ、多彩な温浴施設が魅力の湯宿だ。

宿の自慢は、温泉湯巡りと約千坪の美しい庭園、福島の山々を望む客室、地元食材を生かした季節の料理、特産の土湯こけしといった5つのおもてなし。特に、日本有数のこけしの里として知られる土湯温泉ならではのユニークなおもてなしとして注目したいのが「館内を彩る土湯こけしめぐり」と「こけしの絵付け体験」。素朴な木の手触りを楽しみながら世界でひとつのこけしを作る絵付けは、伝統文化に触れる貴重な経験となるだろう。

こちらのホテルでは、SDGsの取り組みの一環として客室のアメニティを撤去。必要な数をフロントのアメニティバーから持ち出すスタイルを採っている。また、アメニティにはCO2排出とプラスチック使用量を削減し、ムギ由来の植物資源を含有したものを採用。さらに、フードロスの削減や館内照明のLED化、ごみの分別・削減など、持続可能な社会の実現に繋がるアクションを積極的に行っている。

土屋温泉では、東日本大震災直後から地熱発電と小水力発電を推進。豊富な湯量を誇る源泉を利用した自然エネルギー「バイナリー発電(地熱発電)」による環境に配慮した温泉地としての知名度向上を図ってきた。また、地熱発電所が排出する温水を生かしたエビの養殖事業にも取り組むなど、循環型社会を体現する地域としても注目されている。

「ホテル山水荘」は、まさにその精神を受け継ぎ、震災復興のシンボル「バイナリー発電」をはじめとするさまざまな取り組みを導入している宿。宿泊する学校関係者を対象に宿が開催している「バイナリー発電視察研修」では、再生可能エネルギーを使った町おこしで注目される土屋温泉の取り組みを、視察研修することもできる。

住所 福島県福島市土湯温泉町油畑55
HP https://www.sansuiso.jp/
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Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 古川友理
編集: 栗原蘭

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。

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