新潟県のサステナブルなおすすめ宿・ホテル7選(南魚沼、糸魚川、三条)

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは新潟県のLivhubおすすめの宿7つ。それぞれ紹介していく。

1. 里山十帖(南魚沼市大沢)
里山十帖

引用元:里山十帖

里山から始まる「食」「住」「衣」「農」「環境」「芸術」「遊」「癒」「健康」「集」にまつわる10の物語を提案する宿。

「食」では、地元に伝わる発酵食などの伝統を守るため、地元農家から伝統野菜を買い取り、契約栽培や契約醸造などを積極的に進める。地域に根付く食文化・風土、雪国の暮らしを肌で感じてきたシェフが、ローカル・ガストロノミーを料理に表現、「人間が本来持っている、野生を呼び覚まさせるような食事を楽しんでほしい」との思いをこめてふるまう。

「環境」への配慮としては、アメニティの50%以上を環境に配慮したものを利用しているほか、タオルを使い放題にしない。米どころ魚沼、水に配慮し、洗濯回数を極力減らそうと、全室にタオルウォーマーを備える。豪雪地帯で古い建物を活用するにあたり、エネルギー効率を最重要視してリノベーションされ、徹底した断熱が施されているのも特徴だ。床暖房がないのに裸足で過ごせるほどの暖かさをぜひ体感してほしい。

標高2000メートル前後の上信越の山々を望む温泉から望む、春の山々の残雪、秋から初冬にかけての雪景色は息をのむ絶景。露天風呂からは、満天の星空と天の川も堪能できる。
あなたにとっての贅沢とは、どのような時間の過ごし方だろう。10の物語から、ぜひ体験、発見してみては。

 

住所 新潟県南魚沼市大沢1209-6
HP https://www.satoyama-jujo.com/
2. ryugon(南魚沼市坂戸)
ryugon

引用元:ryugon

約1500坪の広い敷地に建つ、200年ほど前の庄屋や豪農の館を移築した重厚な造りの古民家に、ホテルの快適さを備える宿。

様々な客室があり、家族や少人数、個人での宿泊に適した部屋以外に、大人数での滞在、個人での長期滞在に適した部屋もある。

メインダイニングでは、雪国で食べ継がれてきた野の食材、民俗文化を今に伝える伝統料理などをベースにした雪国ガストロノミーを堪能できる。山の恵みや発酵食品、雪室で保存された野菜などを使った料理に舌鼓を打ち、朝食には魚沼産コシヒカリを頂く。

井戸水を使った冷房システムを利用し環境負荷を低減、冷暖房のエネルギー効率向上のため断熱性を高めている。建材は雪国観光圏内で調達されたものが過半数を占める。スタッフの80%以上が地域内の人である他、災害時には施設を開放し、ゲストと地域住民の安全を確保する備えがある。宿と地域・環境との新たな関係をつくりだす総合的な取り組みが評価され、2023年10月にグッドデザイン賞を受賞。

雪国の生活文化、周辺の豊かな環境を活かした屋内外での体験プログラムが豊富に用意されているのも特徴。
雪深い土地、ゆっくりと育まれてきた地の滋味を味わう空間で、自己と向き合う時間を過ごしてみたい。

住所 新潟県南魚沼市坂戸1−6
HP https://ryugon.co.jp/
各種予約サイト

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3. 貝掛温泉(南魚沼郡湯沢町)
貝掛温泉

引用元:貝掛温泉

室町時代より「目の温泉」として知られる貝掛温泉。戦国時代には上杉謙信の隠れ湯として武士たちの傷を癒し、江戸時代には遠路より多くの目を患う人達が訪れた場所としての歴史を持つ。一定期間滞在して病気治療や療養を行う湯治文化が今も残る場所だ。

岩造りの露天風呂は、すぐ目の前まで大自然が迫る野性的な空間。夜には提灯が灯り温泉情緒があふれ、晴れた日の夜には空一面の星空を見上げる。37℃のぬるめのお湯なので長温浴できるのも特徴。ぬるい湯に長く(30~70分)入り、熱い湯にさっと入って温まるという入浴法を薦めている。湯で目を洗う方法も推奨されているので、湯治の際にはご確認を。

客室棟は、明治初期に建てられた歴史ある本館から、令和になって建てられた新しい離れまであり、いずれも伝統的な和の空間を堪能できる造りだ。宿で精米された極上の南魚沼産のコシヒカリを、旬の食材を活かした料理とあわせて頂く。米と清らかな水が生み出す美味しい地酒と共に堪能してみたい。

宿の周辺には30分程度で往復できる遊歩道があり、浴衣で気軽に自然の中を散策できる。
パソコンやスマホなどの多用で目が疲れている現代人にはとっておきの、癒しの時間になることだろう。

住所 新潟県南魚沼郡湯沢町三俣68
HP https://kaikake.jp/
各種予約サイト

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4. 山ノ家 café&dormitory(十日町市松代)

引用元:山ノ家 café&dormitory

「都会で暮らし、働く人たちは、新しいライフスタイルやワークスタイルを探求している。異なる生活環境を複数持ち、生活や仕事の拠点として共有する暮らし方を提案できたら」といった発想から誕生した、多拠点ワーク&ライフスタイルの実験場。

古くからの街道筋に面した民家をリノベーションしたシンプルな空間に、2段ベッドを設置したカジュアルなゲストハウス。
コミュニティカフェでは、地場産野菜たっぷりの手づくりのごはんや地酒を味わえる。ワークショップや音楽イベントなどを開催する多目的スペースとしても活用されている。

仕事の拠点としての都市での生活と、自然資源を心ゆくまで堪能できる田園生活の両方を併せ持つ豊かさ、可能性を探るプロジェクトの一員に、あなたもなってみてはいかがだろう。非日常な空間というよりは、日常の地続きにあって、都会の日常から離れられる場所。都市生活の中に置き忘れた何かを思い出させてくれる時間をきっと過ごせるはず。(11月~12月は休業予定。それ以外の時期もカフェは週末のみの営業の場合が多いため、要確認)

住所 新潟県十日町市松代3467-5
HP http://yama-no-ie.jp/
5. 長者温泉ゆとり館(糸魚川市木浦)
長者温泉ゆとり館

引用元:長者温泉ゆとり館

小さな茅葺き屋根の古民家温泉宿。季節ごとに訪れる、ゆっくりとした贅沢であたたかな時間の中で、小さな集落に暮らすように泊まる体験をしたい方におすすめ。

木浦川右岸にある長者峰の麓からは、温泉成分のメタけい酸を含む鉱泉が湧き出ていた。平成7年、当時の町長が、過疎化が進む町にとって新たな地域の資源となるようにとこの宿を建てて以降、地域の人々に守られ続けてきた場所。この町が好きで移住してきた若者が運営する。

広い和室の共有スペースは、囲炉裏や立派な梁があり、初めて行ってもほっとする安心感のある空間。畳に足を伸ばして高い天井を見上げてみたい。

宿泊は素泊まりのみ。オプションで、朝食のお弁当を宿泊予約時に頼むことが出来る。それ以外の食事は、持ち込むか、車で10分ほどの場所にある飲食店を利用する。宿の売店では、お菓子、カップラーメン、お酒の販売、飲み物の自動販売機あり。6:00~22:00の間利用できるキッチンには、冷蔵庫、電子レンジ、調理器具、お皿、調味料等を備える。

布団を敷くのはセルフサービス、バスタオルは各自持参、洗面所は廊下にある共有の場所を利用。特別なおもてなしはないけれど、仲間と合宿に来たようなワクワク感を体験できそう。

住所 新潟県糸魚川市木浦糸魚川市18778
HP https://yutorikan-onsen.webnode.jp/
6. 嵐渓荘(三条市長野)
嵐渓荘

引用元:嵐渓荘

渓流沿いに建つ、豊かな自然と濃厚な温泉、地の食材を使った滋味料理が自慢の一軒宿。

山里の幸を湧き水で調理した滋味料理では、雪解け水で豊潤な台地に育つ山菜・米・野菜の旨み、渓流に佇むこの宿ならではの川魚料理を堪能できる。定番会席の他、季節ごとに内容が変わる四季の自慢の会席、平日限定の厳選メニューもあり、宿泊せず食事だけを楽しむこともできる。

温泉は、切り傷、やけど、あせも、冷え症、婦人病、神経痛、肩こり、病後回復期などに効果的なナトリウム塩化物冷鉱泉。宿の自家源泉は塩辛いのが特徴で、昆布茶のような味がする。朝食にふるまわれる、源泉だけで炊いたやさしい食感と味わいの温泉粥は、宿の名物。

客室棟は、国登録有形文化財の建物を移築した緑風館、大きな窓から川の流れと木々を臨む渓流館、洗練された空間でアートとともに寛ぐ翠悠館の3館。客室には、ものづくりで有名な、地元・燕三条で作られたSUWADAの爪切り、丸直の箸など、地元・燕三条メーカーの製品を貸し出している。館によっては日帰りでの利用も可能。

結婚式や七五三、法事などの家族や親族の行事によく利用されているのも、この地で長く地元の人たちに愛されてきた宿の特徴。そんな歴史の一部にそっと加わるような、静かで豊かな時間を過ごせるだろう。

住所 新潟県三条市長野1450
HP https://www.rankei.com/
各種予約サイト

※下記リンク経由で予約した場合、当メディアに紹介手数料が入ります。予約者の方に追加の費用負担は発生致しません。本手数料は、社会を良くするメディア運営を持続的に行うための資金として大切に活用させていただきます。

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7. なり(新潟市中央区)

引用元:なり

大工さんの使う言葉「なり」をご存じだろうか?
始めからすべてを決めて行動するのではなく、その場の空気やそこにいる人、起こることなどにあわせながら、その場にあったものをつくり形にしていくということ。

毎日違う人が訪れ、違うことが起こり、違う流れが生まれる、「なり」でつくられる日々を重ねていきたいという思いでつくられた宿であり社交場でもあるゲストハウス。

個室やドミトリータイプなど、4部屋ある宿泊室は、寝室以外の、キッチン、シャワー、ワークスペース、お手洗いなどはすべて共有。宿泊客もそうでない人も利用できるバーラウンジもある。食事の提供はなく、食べ物の持ち込みは自由。誰と出会い、どんな会話がはずむだろうか。

沼垂(ぬったり)の町は、観光地というよりは、友達の地元に遊びに行ったような感覚でゆっくり歩いてみるのがよさそう。ノスタルジックな商店街、郷土料理をふるまう居酒屋、陶磁器のお店、喫茶店、酒蔵などがあたたかく迎えてくれる。
ここで暮らす人の日常と、旅するあなたの非日常が出会った時、何が生まれるだろう、何を感じるだろう、その後の人生はどう変わっていくだろう。

住所 新潟県新潟市中央区沼垂東2-11-31
HP https://nuttari-nari.com/
Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 和田麻美子
編集: 飯塚彩子

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。