熊本県のサステナブルなおすすめの宿・ホテル7選(阿蘇郡南小国町、人吉市、熊本市、玉名市)

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは熊本県のLivhubおすすめの宿7つ。それぞれ紹介していく。

1. 黒川温泉(阿蘇郡南小国町)
黒川温泉

引用元:黒川温泉観光旅館協同組合

熊本県阿蘇の奥地、2000年まで地元新聞が発行する地図に名称がなかったほどの秘境の温泉「黒川温泉郷」。三十軒の宿と里山の風景すべてを一つの旅館ととらえ「黒川温泉一旅館」と称されるこの地では、一つひとつの旅館が「離れ部屋」、旅館を繋ぐ小径は「渡り廊下」。自然と溶け込む温泉街一帯が、すべての旅人を温かく迎え入れてくれる。

地域一丸となって上質な里山の温泉地を目指す黒川温泉観光旅館協同組合では、理想的な温泉郷を目指す、黒川温泉2030年ビジョンを掲げ、さまざまなサステナブルプロジェクトを開始。2020年9月より始めた堆肥事業「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」の動画は、「サステナアワード2020伝えたい日本の“サステナブル”」にて、環境省環境経済課長賞を受賞した。

また、地産地消への取り組みとして「あか牛“つぐも”プロジェクト」を始動。黒川温泉のある阿蘇くじゅう地域の草原で放牧されているあか牛を加盟店で食べるごとに1食50円がプロジェクトへ寄付され、草原飼育や景観保持に活用されている。

さらに、黒川温泉一旅館では、「一軒で儲かるのではなく、地域全体で黒川温泉郷を盛り上げたい」との思いから、1986年より黒川温泉の旅館27ヵ所の露天風呂の中から、好きな3ヵ所の温泉を選んで入浴できる入湯手形を発行している。手形の売上の一部は、観光客がめぐった宿へ、残りは自然資源の保全活動を含む、黒川温泉郷全体の未来のための継続的な投資として黒川温泉協同組合へ。入湯手形の素材には小国郷の杉・檜の間伐材を活用し、老人会など地域事業者に制作を依頼することで、地域の資源循環や地域経済にも力を注いでいる。

黒川温泉をはじめ、コンポストを取り入れ自然環境保護に取り組む地域・宿に関する情報は、全国各地に点在している。詳しくは「生ごみを循環。コンポストを導入しているサステナブルな宿11選」
をご覧いただきたい。

住所 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6594−3(黒川温泉観光旅館協同組合)
HP https://www.kurokawaonsen.or.jp/
2. 吉原ごんべえ村 畑暦(阿蘇郡南小国町)
吉原ごんべえ村 畑暦

引用元:吉原ごんべえ村 畑暦

澄んだ空気、緑のにおい、風で揺れる樹々の葉の音。阿蘇山と九重山の間に位置する南小国にある古民家宿「吉原ごんべえ村 畑暦」は、築150年の茅葺き古民家で自然豊かな阿蘇の地で昔ながらの里山の生活に触れることができる、1日1組限定の一棟貸し宿だ。

まるで住むように泊まれる母屋は、農家の馬屋であった歴史ある建物。屋根には阿蘇の原野で採れるすすきが使われており、土地の素材を活かした空間を肌で感じられる。薪ストーブのあるリビングで静かに過ごすもよし、自然に囲まれたガーデンダイニングでBBQを楽しむもよし、庭を望むキッチンスペースで食事をつまみながら語らうもよし。贅沢な空間で思い思いの過ごし方ができるのも、この宿の魅力だ。

希望者にふるまわれる朝食では、羽釜で炊いたご飯やこだわりの手作り味噌のお味噌汁を、オプションの夕食では、有機農法の畑で採れた野菜や阿蘇の赤牛を堪能することも可能。里山の生活を、より身近に感じたい。そんな方には、農薬不使用で作っているお米の竃炊き体験や、有機農法で作っている畑での収穫体験、味噌づくり教室(季節限定)、麹料理教室、茅かり体験(季節限定)も用意されている。

さらに、敷地内にはセルフロウリュウを楽しめる薪ストーブを使った本格的フィンランド式サウナが併設されている。芯から体を温め、阿蘇の天然水と自然の外気で「ととのう」、贅沢な森林浴を楽しむのもよいだろう。

住所 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺5113
HP https://www.gonbemura.com/hatagoyomi/
3. 人吉温泉 あゆの里(人吉市九日町)

引用元:人吉温泉 あゆの里

日本三大急流の一つとして知られる清流「球磨川」を有する人吉球磨。「人吉温泉 あゆの里」は、心休まる川の音と新鮮な空気に囲まれた空間で、鮎里源泉の優しい湯や大自然に溶け込む露天風呂、絶品の鮎料理、そして心の贅沢を堪能できる“五感を豊かにする癒しの里”だ。

自然の鼓動を間近に感じる川沿いに位置するこちらの宿では、ともに歩む自然への配慮を徹底。適切な汚水処理や衛生設備の節水による水の管理、館内のLED化や節電システムの導入、ホテルスタッフへの省エネ教育、ペーパーストローや冷水ポットでの水の提供、エコバッグ・マイボトルの推奨など、多方面から自然資源の保全につながる取り組みを行っている。

また、ビュッフェスタイルや盛込み料理の廃止、域内・南九州エリアからの食材仕入れなどにより、フードロスの削減や地産地消にも貢献している。提供する料理は適量を考慮した献立となっており、誰もが食事を安心して楽しめるよう、ヴィーガンやハラールへの対応も可能だ。

極上の癒しを追求する「あゆの里」では、館内のバリアフリー化によって誰もが心地よく過ごせる空間も実現。さらに、人吉を最大限に楽しむプラットフォームとして世界中に人吉ファンを増やすべく、ホテルスタッフ、通称「人吉コンシェルジュ」による地域の魅力発信や、観光の活性化につながる地域活動への参画、地元の文化財保全のための寄付などにも力を入れている。

住所 熊本県人吉市九日町30
HP https://www.ayunosato.jp/
各種予約サイト

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4. ホテル日航熊本(熊本市中央区)
ホテル日航熊本

引用元:ホテル日航熊本

日本最大の城、熊本城より徒歩10分。1,000カ所以上の湧水と豊かな自然にめぐまれた「水の都・熊本」の中心に位置し、熊本の観光拠点として快適なホテルライフを提供する「ホテル日航熊本」。ホスピタリティの行き届いた宿での滞在は、熊本旅をより上質なものへと昇華させてくれるだろう。

「地域社会へのおもいやり」「地球へのおもいやり」「従業員へのおもいやり」の3つをミッションとするこちらの宿では、サステナブルアクションを積極的に導入している。自治体や地域団体との協力や、地域イベントへの積極的な参加・協賛、環境に配慮した備品の導入、節減対策などの活動が高く評価され、2023年6月にはSDGsを実践する宿泊施設を認定する「Sakura Quality An ESGPractice」認証を取得。さらに、5段階評価の3番目に当たる「サクラクオリティグリーン Restorative・環境修復貢献施設」を県内で初めて取得している。

また、お客様と生産者・農産物をつなげる活動や食育イベント、熊本県産酒での乾杯の推進、熊本県生花プロジェクトの参画、地域イベントやボランティアへの参加を通じて、地域活性にも貢献している。熊本城を望む落ち着いた空間で、地元の人々・自然・文化への愛を感じながらゆったりと過ごしてみてはいかがだろうか。

住所 熊本県熊本市中央区上通町2-1
HP https://nikko-kumamoto.co.jp/
各種予約サイト

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5. HIKE(玉名市秋丸)
HIKE

引用元:HIKE

「誰もが集い、“カタル”場所」

かつて菊池川流域で育てられた米を運ぶ港町として栄え、今なお江戸時代の繁栄の名残を感じさせる船着場や石垣が残る九州の中心、玉名市高瀬地区。2020年5月、ヒトとモノが行き交い、日本最古の絞り“高瀬絞り”をはじめとする多様な文化が生まれたこの地に、人々が語らいカタル(熊本の方言で「参加する」「加わる」を意味する)場所として誕生したのが、気軽に宿泊可能なホステル「HIKE」である。

コミュニケーションと感動が生まれる「ハイキング」と、声を掛け合い励まし合うことで人生がより豊かに「引き上がる」瞬間、この2つの意味を込めて「HIKE(ハイク)」と名付けられたこちらの施設。オープンスペースでは、地域文化を知るきっかけとなる食イベントや染め物の展示会などが定期的に開催され、宿泊者と地域の交流が生まれている。

全国有数の農作物に恵まれた地域としても知られ、一年を通して新鮮や野菜や果物を楽しめる玉名市。施設併設のカフェ&ダイニングでは、地元の生産者や旬の食材をふんだんに使用した定食や、手作りスイーツを味わうこともできる。

公式HPでは、手仕事の生活の道具を集めたオンラインショップ「タシュロン」を展開。北アフリカの先住民の言葉で「職人」を意味する店名には「職人さんの情熱や想いを引き継ぎ使ってくれる人へ、出来上がるまでのストーリーや選ぶわくわく感、日々使っていく楽しみをお届けしたい」という願いが込められているという。伝統を受け継ぎ後世に残そうとする職人たちの熱き想いを、覗いてみてはいかがだろうか。

住所 熊本県玉名市秋丸415-2
HP https://hike-tamana.com/
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6. 鶴之湯旅館(八代市坂元町)
鶴之湯旅館

引用元:鶴之湯旅館

昭和29年(1954年)、地上3階地下1階の総木造3階建ての旅館として誕生した球磨川温泉「鶴之湯旅館」。令和2年(2020年)に熊本を中心に大きな爪痕を残した熊本豪雨災害で被災しながらも、全国各地からの支援を受け創業当時の姿を守り続ける老舗旅館では、現在、登録有形文化財の登録準備が進められている。

現存する建物の一階部分は、災害当時柱以外すべて流されてしまったという。しかし、集落約六十軒の家屋から譲り受けた建具や木材を再活用し、見事再生。館内には、譲り受けた調度品(古いものは天保時代から)も並べられ、集落の人々の想いとともに復活を果たした。

ライフラインが途絶え、あたりまえの日常が一瞬にして奪われる自然災害。多くの支えによって再生した鶴之湯では、災害の教訓を活かすべく、再生エネルギーや自家発電のための太陽光パネル、電気自動車などを導入。「電気で備える新しい木造旅館」をコンセプトに、災害に強い地域の拠点として生まれ変わろうとしている。

大自然の脅威を乗り越えた旅館は、まわりの自然環境への配慮も欠かさない。館内の電球は消費電力の少ないスマートLEDを使用、プラスチック製品にいたっては、手拭きと歯ブラシ、風呂の桶・椅子のみ、といった徹底ぶりだ。

館内にテレビはなく、聴こえるのは川のせせらぎのみ。そんな静かな旅館でいただけるのは、地元熊本県八代市坂元町で採れた無農薬の野菜や米、山菜、川魚を中心とする素朴な田舎料理。春はタラの芽、コシアブラ、蕨、ゼンマイなどの山菜、夏は鰻、秋は球磨川の天然鮎、モクズガニ、冬はジビエ。食で四季と自然の恵みを感じながら、ゆったりと過ごしてはいかがだろうか。

住所 熊本県八代市坂本町葉木1007-2
HP https://www.tsurunoyuryokan.com/
7. 旅館 山翠(阿蘇郡小国町)
旅館山翠

引用元:旅館山翠

阿蘇を一望する高台に佇む大人の隠れ家「旅館 山翠」。開放的な景色と自慢の温泉が極上のひとときを与えてくれる贅沢宿だ。敷地内には、標高約800mの絶景露天風呂をはじめ、7つの貸切風呂など、計18もの温泉が用意されている。

近年、自然にやさしいかつ日本のエネルギー不足を補う手段として注目されている、地熱資源を利用した「地熱バイナリー発電」。こちらの旅館では2022年4月より、地熱を活用した地域創生事業会社「ふるさと熱電株式会社」などと協働で、温泉バイナリー発電「山翠パワー地熱発電所」の運転を開始。山翠の既存温泉井戸から噴出する蒸気を利用してタービンを回転させ発電する仕組みを採用し、年間発電力量約700MWh、一般家庭の約200世帯分の年間使用電力量に相当する電力を生み出す予定だという。

発電した電力は、再生可能エネルギー特別措置法の固定価格買取制度(FIT)を活用し、九州電力送配電株式会社に売電する。さらに、エネルギーの地産地消を目的に、発電時に余った温泉水や使用した蒸気を凝縮した熱水を、浴用として旅館で再利用している。

大人だけに許される極上の空間、この贅沢を与えてくれるのは自然以外の何ものでもない。滞在を通してその一端に触れながら、自然環境や未来の地球の姿に想いを馳せてみるのもよいだろう。

なお、「旅館 山翠」が参画している地熱バイナリー発電事業に関する詳しい情報は、「温泉旅館が日本の電力不足を救う? 地熱発電「山翠パワー地熱発電所」が運転開始」にてご確認いただきたい。

住所 熊本県阿蘇郡小国町西里3044
HP https://oguni-sansui.com/
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Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 古川友理
編集: 明田川蘭

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。

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