群馬県のサステナブルなおすすめ宿・ホテル7選(みなかみ、富岡、前橋)

群馬

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは群馬県のLivhubおすすめの宿7つ。それぞれ紹介していく。

1. 法師温泉長寿館(利根郡みなかみ町)
法師温泉長寿館

引用元:法師温泉長寿館

群馬県みなかみ町は、自然と人間社会の共生を目的とする取組「ユネスコエコパーク」に登録され、環境保全に積極的に取り組んでいる。みなかみ町と、隣接する新潟県魚沼市、南魚沼市、湯沢町の一部から構成される「みなかみユネスコエコパーク」は、利根川再上流域に位置し、太平洋側と日本海側の大気がぶつかり合う日本の脊梁山脈を抱える。多様で希少な動植物が育まれ、独特の生態系が見られるなど、豊かな自然環境に恵まれる地域だ。

そんなみなかみ町に位置する長寿館は、上信越高原国立公園内に位置する、創業150年近い温泉宿。
明治時代の面影を残す吹き抜けの玄関と、囲炉裏のある空間が旅人を迎える。本館と別館は国登録有形文化財に指定され、文豪なども泊まった部屋が当時の面影を残す。他にも、薫山荘、法隆殿などの客室棟がある。

地元でとれた食材を積極的に使用、地域の伝統的な料理を提供する。隣県の新潟から仕入れた銘酒など、こだわりの日本酒とともに季節の食事を楽しめる。

国登録有形文化財に指定された、鹿鳴館風の大浴場「法師乃湯」が名物。自然湧出の豊富な湯が浴槽の底から湧き、有効成分が人体に吸収されるのが特徴だ。他にも総檜造りの「玉城の湯」、日本天然温泉審査機構から全6項目で満点の評価を得ている「長寿乃湯」がある。

自然に湧き出る温泉を維持するため、持続可能性に配慮した経営を行っているのも彼らの特徴。周辺の国有林の生物多様性復元を目指す取り組み「AKAYAプロジェクト」に参加し、約1万ヘクタールの国有林「赤谷の森」の保護に関わるほか、湯量のモニタリングなどで得られたデータを参考に、温泉の枯渇を引き起こさない営業を意識して実施している。

住所 群馬県利根郡みなかみ町永井650
HP http://www.hoshi-onsen.com/index.html
各種予約サイト

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2. 別邸 仙寿庵(利根郡みなかみ町)
別邸仙寿庵

引用元:別邸仙寿庵

“World Luxury Hotel Awards 2016”にて、「Luxury Hideaway Resort」を受賞。
1000坪の広大な建物内に、客室は18室という贅沢な空間。7タイプある客室すべてに源泉かけ流しの露天風呂があり、谷川岳や中庭の眺望を堪能できる。

食事を頂く個室は、食事と共に雰囲気や、窓からの四季折々に変化する眺めも味わえるプライベートな空間。
地元群馬県産の食材を中心に、山の幸、川の幸、上州牛、岩魚など、旬の食材を厳選した夕食は、伝統的な手法にとらわれず、最新の手法を取り入れ、創作和食料理として料理長が丹精込めて提供する。和洋食から選べる朝食も、地元産の旬の食材をふんだんに使い、素材の味を大事にする。
食材の切れ端など、お客様に提供しなかった部分もだしをとるなどして1つの食材を最大限に利用。月ごとに食品廃棄量の目標値を定め、食品ロスの削減に取り組んでいる。

温泉は、肌にやさしい低張性弱アルカリ性。露天風呂、内湯、歩行湯など、さまざまな楽しみ方が出来る。

スタッフは、地域の人とともに谷川岳の登山道の整備・修復にも取り組み、宿と地域の人とのつながり強化にもつながっている。環境対策に取り組んでいる施設に与えられる国際的な認証の「グリーンキー」も取得しているお宿。

住所 群馬県利根郡みなかみ町谷川614
HP https://www.senjyuan.jp/
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3. ecolo Village(片品村花咲)
ecolo Village

引用元:ecolo Village

標高1,000メートル、敷地の至るところから伏流水が湧き出し、散歩道からは白根山や武尊山、皇海山の美しい山並みを一望できる場所にある小さな村。
エコロヴィレッジは、農村体験、自然体験、食体験、アウトドアスポーツなど、季節ごとに様々な自然を体験できる宿。暮らしや自然を取り巻く環境と共生しながら、有機的で組織的な体系を築き、それらを未来に繋げるための学びの場、体験できる場を共有することを目指している。

自然に生える雑草をヤギが食べ、ヤギからはミルクがとれ、ふんは堆肥となり作物の栄養に。野菜は自家採集された種子から芽生え、化学肥料、農薬無しで育てる。森の木は農場の資材や燃料、家具に加工され、廃棄を出さない。自然の循環の営みのなかに人間がいることを、体で感じられる。
ここでは、人が暮らしの中で自然を築きあげていく暮らしのあり方を目指す。人の手が入ることで、自然環境が荒れ放題になることなく、里山、林、田園風景などが整備されている。

築200年の古民家を再生したメインハウスには、オーガニックファームで獲れた野菜を楽しめる農家レストランや、英国風パブも。レストラン、パブ、宿泊用ゲストルームには、フランスやイギリスのアンティーク家具が古民家になじむようしつらえられている。(営業期間は4月下旬~11月末)

 

住所 群馬県利根郡片品村大字花咲2529
HP https://peraichi.com/landing_pages/view/ecolovillage/
4. 蔟屋/mabushiya(富岡市富岡)
蔟屋

引用元:蔟屋

富岡製糸場でよく知られる富岡の町をひとつの宿にみたてたまちやど。「まちやど」とは、街の中にすでにある資源をつなぎ合わせ、そこにある日常を最大のごちそうとすることで、利用者には世界に二つとない体験を、まちに暮らす人には新たな生きがいやりがいを生み出していく事業を指す。

蔟屋は、訪れる人たちが富岡の日常に触れ、町の人たちとの会話を通じて”富岡の家族“を増やしていくことを目指す。地域を消費していく観光ではなく、暮らしや日常を豊かにするツーリズムを生み出そうという思いを持って運営されている宿だ。

宿泊は、三㐂松(みきまつ)と千代菊という、いずれも築50年以上の木造長屋をリノベーションした建物を一棟貸切るスタイル。昔ながらの祖父母の家に泊まりに来たような感覚を味わえそう。(千代菊は檜風呂つき、三㐂松はシャワーのみ)チェックインは、近所にある商店や飲食店で行う。

食事は、富岡の町に出て地元のお店を楽しんでみて。近所には、朝食ボックス(要予約)を提供してくれるお店もあるので、テイクアウトして部屋でゆっくり頂くこともできる。(コーヒー豆やミル、トースターなどは部屋に用意あり)歩いて行ける距離にスナックがたくさんあるため、夜も一味違った町の様子を楽しめるだろう。

住所 群馬県富岡市富岡28-5
HP http://www.mabushiya-tomioka.com/
5. 白井屋ホテル(前橋市本町)
白井屋ホテル

引用元:白井屋ホテル

創業300年余りの老舗旅館「白井屋」を改修したホテル。
かつて絹産業でイノベーションを興し日本近代化の先駆けとなった群馬県前橋だが、2000年をピークに人口は減少。そうしたシャッター商店街、空き地などの課題を抱えていた町で、白井屋が存続危機にあることを知った前橋出身の起業家、JINSの創業者である田中仁氏が建物を購入しホテルとして再建。ホテル再生と並行し、商店街に飲食店を開業するなど、街に活気が戻るきっかけになった。

旧白井屋を大胆にリノベーションしたヘリテージタワーと、新築のグリーンタワーの両方にあるユニークな客室には、異なる作家のアート作品を展示。レアンドロ・エルリッヒをはじめ、4人のクリエイターがデザインしたスペシャルルームが4室ある。五感を総動員して、アートやデザインを味わってみて。

メインダイニングでは、上州の食文化に対するオマージュ、地元の大自然に育まれた食材の数々を、独自の解釈で再構築する「上州キュイジーヌ」を提供。オールデイダイニングでは、豊富な種類のナチュラルワインと群⾺が誇る地元⾷材を活かしたこだわりのビストロ料理を、気軽に楽しめる。他にも、ホテル内の窯で毎日焼き上げるパンを頂けるパン屋、週末だけオープンするバー、パティスリーなども。

住所 群馬県前橋市本町2-2-15
HP https://www.shiroiya.com//
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6. たんげ温泉 美郷館(吾妻郡中之条町)
たんげ温泉

引用元:たんげ温泉 美郷館

山あいの奥深い場所にひっそりと息をひそめる温泉宿。日本秘湯を守る会の会員。
四季折々の彩りをみせる大自然と滝のせせらぎに包まれた自然体験の郷。建物、風呂等、館内すべてにおいてこだわりの良質な木材をふんだんに使用。特に名物のロビーは総けやき造りで300年~500年級の材を使用した在来工法建築となっている。

木の香りが漂う大浴場では、お風呂では珍しいステンドグラスから柔らかい光が入る眺めが神秘的だ。大自然の中の渓谷が醸しだす幻想的な眺めの露天風呂では、目の前まで山が迫ってくるようなワイルドさを感じることもできる。

客室はいずれも和室で、深い緑に包まれ、反下川の清流に癒される。
食事は、季節に応じた地元で採れる食材を活かし、その瞬間に最も美味しい料理を頂くことができる。料亭のほか、80名程度まで収容できる宴会場も備える。

環境問題、林業、山村地域の将来を考え、木質バイオマスの熱利用を積極的に行う。木材チップを燃料とするボイラーを使用し、源泉の加温、および館内の給湯をまかなう。バイオマスとは、化石燃料以外の生物由来の再生可能資源を指し、バイオマス熱利用は、森林資源の活用、山村地域の活性化、地球温暖化の抑止などのメリットがある。

住所 群馬県吾妻郡中之条町大字上沢渡1521-2
HP http://www.misatokan.com/
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7. 積善館(吾妻郡中之条町)
積善館

引用元:“積善館

元禄7年の創業以来300年にわたり、湧き出る四万の湯とともに訪れる人々を癒してきた、歴史が息づく温泉宿。美しい四万川に沿った温泉街にかかる赤い橋を渡ると、そこが積善館だ。

本館、山荘、佳松亭の3館では、それぞれ趣向を凝らした温泉を堪能することができる。本館にある「元禄の湯」は、大正ロマンの雰囲気を感じられる、洋風・モダンなホール風の建築。アーチ形の大きな窓から差し込む自然光が浴室内に降り注ぐ様子が美しい。大きな湯船が一般的ではなかった時代に作られた浴槽のため、タイル張の床に5つの石造りの浴槽が並ぶのが特徴的だ。ここは日帰り入浴も可能。

佳松亭にある「杜の湯」は、露天風呂と大浴場を備える。新緑や紅葉など、季節ごとに替わる自然の表情を堪能できる。山荘にある「山荘の湯」は、家族風呂として楽しんで。

茶屋では、伝統と新しさを融合させた空間で、薬膳粥や薬膳茶、薬膳酒などが提供される。昼食処では、名物「釜揚げうどん」や、さつまいもや上州豚を使用した具沢山の豚汁等、健康で胃腸にやさしいメニューを提供。宿泊客向けの夕食は、本館と、山荘・佳松亭と、泊まる館によって内容が異なるので、予約の際はご確認を。

住所 群馬県吾妻郡中之条町四万温泉
HP https://www.sekizenkan.co.jp/
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Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 和田麻美子
編集: 飯塚彩子

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。