東京都のサステナブルなおすすめの宿・ホテル6選(渋谷、上野、谷中)

Tokyo

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは東京都のLivhubおすすめの宿6つ。それぞれ紹介していく。

1. hanare (台東区谷中)
hanare

引用元:hanare

東京、谷中。東京下町の中でも、昭和の面影を色濃く残す地域で、古い木造家屋や古民家を活用した店舗などが並ぶ。谷中霊園や根津神社などの歴史的スポットでも知られる街だ。そんな谷中にあるまちやど「hanare」は、まち全体を一つの大きなホテルに見立てる、地域と一体になったホテルだ。

築約70年の「最小文化複合施設」HAGISOの2階でチェックイン。その際にいただけるhanareオリジナルマップは、朝〜昼の散策向け「DAY MAP」と、夕〜夜のお食事や呑みあるき向け「NIGHT MAP」。コンシェルジュの厳選スポットのみを紹介した、宝の地図だ。
チェックイン後は宿泊棟の丸越荘へ。客室は5部屋、シャワー、お手洗い、洗面台などは共同となる。

朝食は、「旅する朝ご飯」。HAGISO1階のカフェで、四季ごとに地域をわけ、食材で日本を巡る和食の朝ごはんを提供してくれる。カフェでは、ハンドドリップコーヒーや地域のお店から仕入れた季節の食材を使った料理、自家製のケーキや人気のパフェもいただけ、宿泊客以外でも利用できる。

宿泊料には銭湯料金が含まれている。hanareマップと手拭いを手に、町なかの銭湯に出かけてみて。近所の人たちや旅人と、裸のつきあいが生まれるかも。お風呂上がりの一杯にちょうどいいお店は、宿のコンシェルジュに教えてもらおう。

住所 東京都台東区谷中3-10-25
HP https://hagiso.com/hanare/
各種予約サイト

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2. ホテルニューオータニ(千代田区紀尾井町)
ニューオータニ 東京

引用元:ホテルニューオータニ

1964年に開業した、日本を代表する老舗ラグジュアリーホテル。一日約2万人が訪れる。客室棟は、「エグゼクティブハウス 禅」「ザ・メイン」「ニューオータニ・ガーデンタワー」の3棟。エグゼクティブハウス 禅は、「フォーブス・トラベルガイド」格付け評価ホテル部門で、4年連続で最高評価を受賞。ザ・メインは、和洋様々な15タイプの客室、ニューオータニ・ガーデンタワーは、他ブランドとのコラボも楽しい7タイプの客室を備える。いずれも贅沢な空間だ。

創業時より環境対策には積極的だ。ホテル内の飲食店の厨房で出る生ごみを堆肥化する「コンポストプラント」を設置。一日最大5,000kgの生ごみを処理、100%資源として再利用するシステムを構築し食品ロスの実質ゼロを実現している。他にも、厨房排水を100%リサイクルする「中水造水プラント」、緑化推進、そして業界初のカーボンニュートラル都市ガスの導入なども行っている。

敷地内には1万坪を誇る日本庭園があるのも、ホテルニューオータニの魅力。また、CO2削減とヒートアイランド現象軽減ために、屋上の緑化を推進。約30種、3万輪の赤いバラが咲き誇る「レッドローズガーデン」がホテルを彩っている。食の取り組みとしては、植物を「可能な限りまるごと食べる」という考え方から生まれたら「ZENBブランド」とコラボしたメニューの提供や、未来の⾷を考えるワークショップの開催などを行っている。ホテルクオリティの至れり尽くせりのおもてなしを受けながら、環境に配慮したサステナブルな滞在が叶う。

住所 東京都千代田区紀尾井町4‐1
HP https://www.newotani.co.jp/tokyo/
各種予約サイト

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3. 奥多摩 都民の森「栃寄森の家」(西多摩郡奥多摩町)

引用元:東京都奥多摩都民の森

春のカタクリの花が美しい御前山(ごせんやま、標高1,405m)とその麓、広さ82.4haに広がる奥多摩都民の森。御前山の中腹、標高650mに位置する宿泊施設「栃寄森の家」には、5室の宿泊室の他、インターネット環境の整った研修室、大浴場などを備える。

夕食には、奥多摩で育った美味しい地元食材を使った「治助イモ」の煮っころがし、「奥多摩やまめ」の塩焼きなどが提供され、希望者は自炊施設も利用できる。

奥多摩ならではの、自然に “触れる・育てる・歩く” を体験できるプログラムが用意されている。林業プログラムでは、年間を通じて植林や木々の生育を促す下草刈り、枝打ちなどをインストラクターが教えてくれる。登山プログラムでは、御前山や奥多摩周辺の山々に登る企画や、初日に登山装備やテントの設営、山での調理などを学んだ上で、2日目に山に登る女性を対象とした企画もあり、初心者も参加しやすい。サイクリング、キャニオニングやパックラフトなどの川遊び、渓流釣りのプログラムも人気だ。

奥多摩の山は、標高はそれほど高くないとはいえ、危険な箇所や、熊の目撃情報などもある。初心者は特に、登山プログラムなどを活用して、山の特性や季節や気候に応じた山での行動などを学ぶと安心だ。

住所 東京都西多摩郡奥多摩町境654
HP https://www.tomin-no-mori.jp/guide/
4. TRUNK(HOTEL) CAT STREET(渋谷区神宮前)
TRUNK(HOTEL)

引用元:TRUNK(HOTEL) CAT STREET

TRUNK(HOTEL) CAT STREETは、渋谷駅の街中に堂々とそびえ建つおしゃれなホテルだ。利用者が自分らしく無理せず、等身大で社会的な目的を持って行動するという意味の「ソーシャライジング」をコンセプトとしている。館内のインテリアをはじめ、全15室ある客室のアメニティやミニバー、ストア、ラウンジやレストランまで、ちょっとした社会貢献につながる工夫が施されている。

インテリアには間伐材や古材を使用し、シャンプーやボディウォッシュなどは、肌と環境に優しい国産素材にこだわったエコサート認証の100%オーガニックを採用。
ハンガーやトイレのサニタリーボックスには、鉄工場で使われなくなった鉄をリサイクル。使い捨てスリッパの替わりに用意されているサンダルは、製造時に出るゴムの端切れをリサイクルしてつくられたものだ。持ち帰って自宅で使用することができる。
ホテルオリジナルのミネラルウォーターは、売上の一部を東京の森林保全・管理を行っている団体の活動費として寄付される。

TRUNK(HOTEL) CAT STREETでは、宿泊者限定の隠れコンテンツが用意されている。たとえば、チケット確保が難しい「相撲」を両国国技館にて観戦し、試合後の力士と一緒に食事を楽しみながら語らう夢のような時間や、「豊洲市場」に潜入し、通常では見学困難なマグロの競りで一匹を競り落とすエキサイティングな体験など。他にも、渋谷に暮らす家族の自宅にて、一緒に日本の家庭料理を楽しむことができる、ディープな渋谷を体感できるプランもある。ここでしか経験できないプレミアムなアクティビティは、大人の好奇心を満たしてくれるはず。

住所 東京都渋谷区神宮前5-31
HP https://catstreet.trunk-hotel.com/
5. NOHGA HOTEL UENO TOKYO(台東区東上野)

引用元:NOHGA HOTEL UENO TOKYO

江戸文化が今も活きる東京の玄関口・上野は、上野公園をはじめ、美術館や博物館、地元の人で賑わうレストランや老舗店が集まる。そんな東京を代表する豊かな文化が根づく地にある「NOHGA HOTEL UENO TOKYO」は、“アート×ホテル”を体現したホテルだ。

8タイプある客室は、洗練された日本らしさの中にオリジナルアイテムや地域の人々による手工芸品を取りそろえ、上野の街を紹介する空間。18時チェックイン~翌9時チェックアウトのリーズナブルな短時間プランや、最大27時間滞在できる18時チェックアウトのプランなど、希望に合わせて滞在スタイルを選ぶことができる。

ホテルでは、「エネルギー消費抑制」「廃棄物・排水対策」「食品への配慮」「地域貢献活動」の4点を中心に、地球環境にやさしいホテルづくりを推進している。館内では、調達電力のCO2排出量ゼロ化を行うグリーン電力を導入しており、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価書を取得している。レストラン「Bistro NOHGA(ビストロ・ノーガ)」では、地元の食材を中心に、極力自然な製法で作られたこだわりのコンテンポラリー料理を提供。米や味噌、パン、ワインなど厳選した地域の食材やお酒を積極的に活用するなど、地域に根づくおもてなしも行っている。

日本文化を感じられるNOHGA HOTEL UENO TOKYOで、館内のアートに触れ、地元の食材を堪能し、町を存分に味わう滞在はいかがだろう。

住所 東京都台東区東上野2丁目21-10
HP https://nohgahotel.com/ueno/
各種予約サイト

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6. 宿坊 神乃家 山楽荘(青梅市御岳山)
山楽荘

引用元:山楽荘

宿坊に泊まったことがあるだろうか?お寺や神社の宿泊施設で、元は僧侶や参拝者が泊まるために作られたが、一般客にも開放されるようになっている。精進料理をいただけたり、座禅体験が出来たり、宿坊は外国人観光客にも人気のある場所が多い。

東京・奥多摩・御岳山の奥座敷に、木々に守られながらひっそりと佇み、歴史を紡ぐ「神乃家 山楽荘」。御師と呼ばれる、武蔵御嶽神社の神主が営む宿坊だ。旧館の客室は、武蔵御嶽神社の御神木の「神代杉」を使用して建てられたもの。新館は檜や杉などを使用している。

ここで提供される雲上懐石「神人の膳」には、御岳山の大自然が育んだ天然食材や薬草がたっぷり。山上の畑で神官が自ら栽培した有機野菜や、各農家で栽培されたお米や大豆等の安心素材を使用し、御岳山から湧き出る美しい清流水で調理される。自然の恵みにありがたみを感じながらいただこう。畑の体験をしてみたい場合は、ぜひ神官に相談してみて。お風呂は、多摩川の始水の山とされ、信仰を集める御岳山の地から湧き出でる清流を焚き、宿でブレンドした数々の薬草を入れたもの。ここでも自然の恵みを体いっぱいに感じとれる。

そして、宿坊ならではの体験として、ご祈祷への参列、商売繁盛や病平癒などの御祈願、滝行、シンギングボールヒーリング、神楽、神社での祭典など、様々なメニューが用意されている。いずれも実施時期が限定されているため、事前にご確認をお忘れなく。

住所 東京都青梅市御岳山108
HP http://mitakesan-raku.com/index.html
各種予約サイト

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7. TOKYO LITTLE HOUSE(港区赤坂)
TOKYO LITTLE HOUSE

引用元:TOKYO LITTLE HOUSE

東京、赤坂。大きな放送局や老舗の飲食店、オフィスビルや商業施設、高層マンションなどが並ぶエリアだ。そんな赤坂に、築70年の民家を改修し、旅人を迎える宿がある。戦後間もない1948年、焼け跡に建てられ、東京の街の変化を見守り続けてきた小さな家だ。疎開先で空襲の難を逃れたご夫婦が、娘と共に新しい暮らしを始めるために木造2階建ての一軒家を建てたところから、この場所の物語が始まっている。

ネオンが眩しい歓楽街の喧騒の中に、1軒だけ違う時代に来たような感覚を味わわせてくれる場所。1階にあるカフェは、東京のルーツをテーマにした展示とライブラリーを併設、かつてこの街に生きた人々が目にした風景をおさめた貴重書なども手に取って見ることができる。宿泊客以外も利用可能だ。
2階部分の客室には、昭和20年代の建具や造作が今も残り、足を踏み入れた瞬間タイムスリップできる。キッチンやシャワーは新しく改修されているため、快適に過ごせそうだ。宿を運営する赤坂文化社は、都市の歴史、地理、文化の新しい捉え方を提案している。希望者には、旅のプランニングの手伝いもしてくれる。

10年後も20年後も、変わらずここでコーヒーを飲みながら、変わりゆく外の風景を眺められますように。

住所 東京都港区赤坂3-6-12
HP https://littlehouse.tokyo/index.html
Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 和田麻美子
編集: 明田川蘭&飯塚彩子

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。

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和田麻美子

趣味のハイキングを通じ、限られたモノや環境下で最大に楽しむこと、極力ごみを出さないように暮らすことを意識するようになり、Own less, waste less, enjoy more を心がける日々。旅先でハイキングをする山旅、ライブを楽しむ音楽旅を好む。