秋田県のサステナブルなおすすめ宿・ホテル7選(湯沢、鹿角、仙北)

秋田

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは秋田県のLivhubおすすめの宿7つ。それぞれ紹介していく。

1. 森吉山麓ゲストハウス「ORIYAMAKE」(北秋田市根森田)
森吉山麓ゲストハウス「ORIYAMAKE」

引用元:森吉山麓ゲストハウス「ORIYAMAKE」

1万3千年前から狩猟文化が受け継がれてきた地域、北秋田市根森田。森吉山麓ゲストハウス「ORIYAMAKE」は、山との共生、山の中で生き紡いできた食と文化を体験できる場所を目指し、先祖代々の土地を活かしながら運営されている。築70年の古民家を改装した宿には、1日1組限定、最大6名まで宿泊可能。食事なしの素泊まりと、2泊3日の野外体験と食事つきプランがある。

入るとすぐに、囲炉裏のあるリビング。東北地方の山間で伝統的な方法を用いて集団で狩猟を行う「マタギ」たちが使っていた古い道具やクマの毛皮が出迎えてくれる。囲炉裏では、魚やお餅を焼くなど、料理もできるし、コーヒー豆の焙煎にも挑戦してみたい。(生豆や炭は無料)
キッチンもあるので自炊も可能。寝室は8畳2間の和室、冬は湯たんぽと電気毛布で暖かく眠れるのも嬉しい。宿にはシャワーのみ、お風呂はないため、近くの温泉を利用してみては。
山奥ながらWi-Fiが完備、洗濯機や乾燥機もあり、長期滞在でリモートワークやノマドワークをするのにもおすすめ。観光するというよりも、田舎で暮らすように過ごしたいという方によさそう。

公式サイトには、「人間のフリをするのも疲れたなと思ったことがあるアナタのために存在する宿屋です。」とのメッセージが。人間のフリをしているけれど、私は実は宇宙人だ、AIだ、オオカミだ・・というそこのアナタ、ぜひどうぞ。

住所 秋田県北秋田市根森田仲ノ又131
HP https://oriyamake.com/
2. 穀物菜食の湯宿「yuzaka」(鹿角市十和田)
穀物菜食の湯宿「yuzaka」

引用元:穀物菜食の湯宿「yuzaka」

古代縄文の叡智が宿る土地・十和田 大湯温泉。森羅万象との調和を大切に、四季を感じ大地とつながる、穀物菜食の湯宿「yuzaka」。旧旅館時代の梁、床板、窓、壁などを残しつつ改装された建物。部屋の内装には、漆喰や珪藻土など自然由来の素材を使用。

4部屋ある客室は、洗面・トイレ・シャワーが共用(貸切風呂あり)。浴衣・歯ブラシ等の用意はなく、持参するか、レンタル品を利用。共有スペースには、冷蔵庫、電車レンジ、トースター、ミキサー等がある。

食事は全てプラントベースで手作り。野草、山菜、地場産食材、発酵食品、環境に配慮して作られた米や野菜、雑穀、良質な油と伝統的な調味料を使う。化学調味料、食品添加物は使用せず、廃棄を減らすため完全予約制。フリードリンク類も、オーガニック、フェアトレード 、地域の玄米茶などから厳選、飲み水は地域の湧き水。

館内の履物、籠などあらゆるアイテムにフェアトレード製品や伝統工芸品を採用。アメニティ類も、自然由来で環境に配慮して作られた製品だ。使用電力は100%再生可能エネルギー。

内装の一部にはこの土地のベンガラや植物、石などが練り込まれている。建物からも食事からも、土地の持つエネルギーを充分に吸収できる時間になることだろう。

住所 秋田県鹿角市十和田大湯下ノ湯19
HP https://www.yuzaka.info/
3. 草木ももとせ(湯沢市岩崎)
草木ももとせ

引用元:草木ももとせ

昔ながらの仕込みを守る味噌・醤油の醸造元が二軒残り、歴史のある古民家が残る岩崎地区にある、一棟貸しの民泊施設。
1階はオープンキッチンが主役の住空間、2階には昔ながらの製法でつくられた藁床の畳が清々しい和室が2部屋。建築当時の意匠をできる限り残しながら、寒さや暑さの影響を最小限にできるよう断熱工事が施されている。

カフェで頂く食事は、地元の野菜と味噌醤油を味わえる月替り膳や、シルクポーク・皆瀬牛を使用したカレーなど。店内で見本として使用されている国産木製家具やテーブルウエア・生活雑貨などは、購入も可能。

地元の食材を販売する直売所や酒蔵が近くにあるため、自炊をしたり、地元の飲食店から食事をテイクアウトしたりもできる。宿の近くにある醸造元では、蔵見学をはじめとした体験メニューもあるため、発酵文化を学ぶのもまた楽しそう。

宿に置いてある花器やダーニングの道具などは自由に使える。庭に生える草花を生けてみたり、衣服の修繕をしてみたり、といった、「いつもの慌ただしい日常から少しだけ離れて、やってみたかったこと」に集中して挑戦してみるのも、豊かな過ごし方になるだろう。私だったら、少し手間のかかる和食づくりに挑戦しようか。

住所 秋田県湯沢市岩崎字岩崎83
HP https://yado.momotose.net/
各種予約サイト

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4. Hostel&Bar CAMOSIBA(横手市十文字町)
Hostel&Bar CAMOSIBA

引用元:Hostel&Bar CAMOSIBA

旅という非日常を持ち込む人、暮らしという日常を携える人、それらが出会い価値観がぶつかって、更新されていく、麹屋に生まれたオーナーが営むゲストハウスと発酵バルHostel&Bar CAMOSIBA。

ゲストハウスは、ドミトリータイプの部屋と個室が各2部屋、キッチンやシャワー・洗面、トイレは共同。タオルや歯ブラシなどは有料で用意がある。Wi-Fi完備、洗濯機や乾燥機もあるので長期滞在も可能だ。シャンプー類がフリーなのはよくあることだが、味噌がフリーというのは珍しい、ぜひ味わってみたい。予約すれば朝食も用意してもらえる。

夜営業される発酵バルは、宿泊客以外も利用可能で、定食や単品メニューを頂ける。
敷地内にある、元お茶屋さんだった蔵は、ワークショップやセミナー、作品販売、ライブ、キッチンを使ってパーティーを開催するなど、多目的での利用が可能。旅人や地元の人たちの交流の場となっている。
時期によっては、地元の生産者さんと共同開催され、果物などの収穫体験が開催されていることも。

CAMOSIBAは、皆にとっての醸造所となるべく、今日もいろんな仕掛けを用意して、あなたのことを待ってくれている。あとはあなたが出かけていくだけ。どんな仕掛けに出会い、参加できるだろうか。

住所 秋田県横手市十文字町曙町7-3
HP http://camosiba.com/
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5. 十和田ホテル(鹿角郡小坂町)
https://towada-hotel.com/

引用元:十和田ホテル

1939年、十和田湖を見下ろす高台に開業。秋田杉の巨木を配した木造三階建ての建物は、建築当時、秋田・青森・岩手の三県から、宮大工80名を集めて技術を競わせ作られたといわれ、年月を経てなお圧倒的な建築美を誇る。当初は翌年に開かれる予定であった「幻の東京オリンピック」を前に、訪日観光客の宿として政府の要請で建てられたホテルのひとつだという歴史を持つ。

外壁は杉の半丸太を張りつめ、各部屋の床の間、天井、格子戸などの意匠も、それぞれが違った趣と表情を見せる。玄関ホールにある、同じ直径の杉丸太を2重の竿縁に使った杉皮の天井の意匠は、「秋田杉の十和田ホテル」を印象付ける。

客室は、登録有形文化財になっている本館と、別館のすべての部屋から、十和田湖の眺望を楽しめる。車いすでもお風呂やトイレを利用しやすい、バリアフリーの部屋もある。十和田湖を一望できる、絶景露天風呂も魅力だ。

メインダイニングでは、朝食夕食ともに、主に秋田・青森両県の食材を使用した料理が提供される。

玄関周辺には、樹齢65年から85年の杉の柱、約100年のブナの柱なと、あらゆるところに木の歴史が感じられる。ここに滞在する時間は、歴史ある木々の呼吸に耳を澄ますように過ごしてみたい。

住所 秋田県鹿角郡小坂町十和田湖西湖畔
HP https://towada-hotel.com//
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6. 乳頭温泉郷 鶴の湯温泉(仙北市田沢湖先達沢)
乳頭温泉郷 鶴の湯

引用元:乳頭温泉郷 鶴の湯

乳頭山の麓にある乳頭温泉郷の中で最も古い歴史を持つ、由緒ある温泉宿。寛永15年には当時の秋田藩主が湯治に訪れたといわれ、一般客相手の湯宿としての記録は元禄時代(1688~1704年)から残る。

開湯以来350余年の歴史が醸し出す秘湯は、半径50m以内に泉質の異なる4つの源泉が湧く。含硫黄・ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素泉などを含み、高血圧症、動脈硬化症、リウマチ、皮膚病、糖尿病などに効果があるとされる。白湯、黒湯、中の湯、滝の湯は、同じ敷地から効能、泉質共に異なる4つの温泉が湧く珍しい温泉場である。白湯を源泉とする、混浴の露天風呂もある。(日帰り入浴もあり、月曜日は内湯のみ)

食事は、山菜と名物の山の芋鍋は鶴の湯オリジナルの味噌仕立て。たて焼きの岩魚塩焼き等、地の味を季節とともに川連塗りのお膳で頂く。なんともいえない風情がある。

今も残る、元禄時代の警護の武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」。屋根の茅葺きは数十年ごとに葺き替え(ふきかえ)という作業をする。数十年ごとにこの作業をすることで、職人さんの伝統技術の継承にもつながっている。このような文化も含め、この宿、温泉の風景が残り続けることを願いつつ、白い湯に心と体をあずけたい

住所 秋田県仙北市田沢湖先達沢国有林50
HP http://www.tsurunoyu.com/
7. 白神山地ホテル ゆとりあ藤里(山本郡藤里町)
白神山地ホテル ゆとりあ藤里

引用元:白神山地ホテル ゆとりあ藤里

約8,000年前から続く古き森、白神山地。その自然と共に暮らす里に立ち、数少ない手つかずの森と人に出会えるホテル。原生的な自然環境が多く残り、一帯には世界的にも類を見ない規模のブナの原生林、天然記念物であるクマゲラ、カモシカをはじめ、様々な動物と貴重な植物が多数生息する場所に位置する。

20室ある客室は、最大6人まで泊まれる部屋から、1人用のワーケーションプランに適した部屋まで、また洋室和室と選択肢が広い。
食事は、四季折々の素材で彩る味の芸術で、おもてなし。粕毛川産鮎塩焼きや藤里特産サフォーク焼き肉など、ここでしか味わえない料理を堪能できる。

温泉は、リウマチ性疾患や運動機能障害、神経痛などに効果があるといわれる、全国的にも珍しい泉質。露天風呂・サウナ・圧注浴・打たせ湯などがあり、入浴時間をゆっくり楽しめそうだ。
温泉プールやトレーニングルームも備えるほか、最大200名を収容できるコンベンションホール、10名以下で利用できる個室などもある。

現代的な生活様式の中でつい忘れがちな、人間も動物であり自然の一部であることを、思い出させてくれそうな白神山地。8,000年の歴史を持つ森の中で、長くて100年ほどになるであろう自分の人生を、長いと感じるだろうか、短いと感じるだろうか。

住所 秋田県山本郡藤里町藤琴字上湯の沢1-2
HP https://hotel-yutoria.com/
各種予約サイト

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Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 和田麻美子
編集: 飯塚彩子

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。