「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。
アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。
そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhub」では今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。
今回紹介するのは千葉県のLivhubおすすめの宿5つ。それぞれ詳細を紹介していく。
1. cocoon(木更津市矢那)
引用元:cocoon
木更津市にある、30ヘクタールの広大な敷地に広がるオーガニックファーム「KURKKU FILEDS」。“ひとが本質的に生きる心地よさと喜び”を感じられる場所として開発されたこの地に、宿泊施設として2022年に誕生したのが、創る暮らしを体感するVilla「cocoon」だ。
敷地内には、その名のとおり「繭」の形をした6棟の小さな客室と1棟の少し大きい客室、キッチンラウンジ、レストラン、サウナの小屋が点在。のどかな空間のなかで、移ろいゆく季節や自然の美しさを感じる時間は、日常の喧噪を忘れさせてくれる。
お食事プランは、自分たちで農場やの山から収穫した野菜や山菜を調理して楽しむ「takka」と、採れたての野菜とともに自然のおいしさをコースで味わえる「perus」の2つ。旬の食材を使ったお料理やファーム内の散策、農場での収穫体験などを通して、自然と心を通わせるサステナブルな滞在を楽しめるだろう。
住所 | 千葉県木更津市矢那2503 |
電話番号 | 080-4838-0865 |
公式HP | https://kurkkufields.jp/stay/cocoon/ |
2. 古民家ゲストハウスわとや(夷隅郡筒森)
引用元:古民家ゲストハウスわとや
東京から2015年に移住してきたオーナー、カズさんが、古民家を補修・再生しながら運営している「古民家ゲストハウスわとや」。東京から勝浦へサーフィンに通っていた際、道中で仲間と米作りをするための休耕田を探していたところ、きれいな川が流れる様子に惚れ込んだのが、カズさんと筒森の地の出会いだったそう。
オーナー自らの手でリノベーションした大正時代の一軒家では、土間や五右衛門風呂など、昔の日本では当たり前だった田舎暮らしの日常を体感できる。また、宿泊者全員で自炊するお食事では、地域で採れたお米や収穫したての野菜などの自然の恵みを、昔ながらのかまど炊きで楽しむこともできる。
自然との接点が少なくなった現代人の心のなかにも不思議と存在する「田舎暮らしへの憧れ」。古民家の再利用や田植え、畑仕事、電気やガスのみに頼らない生活を通して、シンプルかつ持続可能な暮らしを体感してみては?
住所 | 千葉県夷隅郡筒森810 |
電話番号 | 0470-64-6351 |
公式HP | http://watoya.com/ |
3. リソルの森(長生郡長柄町)
引用元:リソルの森
100万坪の大自然が広がる房総台地に位置し、人生の豊かさをもたらす「休暇の過ごし方」を提案する体験型リゾート「リソルの森」。「休暇にコンシェルジュを」をコンセプトに、敷地内にはグランピングやスパ・サウナ、アスレチック、クリニック、スポーツ施設など、幅広い年齢層のお客様が滞在を楽しめる施設とアクティビティが用意されている。宿泊中アクティビティやスパ・サウナ、スポーツ施設がすべて利用し放題なのもうれしいポイントだ。
「リソルの森」が大切にしているのは、「人にやさしい」「社会にやさしい」「地球にやさしい」の3つの「やさしい」。自家発電を利用した地産地消エネルギーシステムや、石油由来の原料の使用量を削減したアメニティ、千葉の恵みを使用した「千産千消」のお食事など、サステナブルな取り組みを積極的に取り入れている。
また、地元産のみつろうで作る「エコラップづくり」や、荒廃林の手入れを行うNPO法人と共同で行う「カッティングボードづくり」など、人と環境にやさしい「Well being」な生き方を体感できるものづくり体験も魅力的だ。
住所 | 千葉県長生郡長柄町上野521-4 |
電話番号 | 0475-35-3333 |
公式HP | https://www.resol-no-mori.com/ |
各種予約サイト | ※下記リンク経由で予約した場合、当メディアに紹介手数料が入ります。予約者の方に追加の費用負担は発生致しません。本手数料は、社会を良くするメディア運営を持続的に行うための資金として大切に活用させていただきます。 Tripadvisor、楽天トラベル |
4. 慈慈の邸(いすみ市岬町)
引用元:慈慈の邸
「日本のプロヴァンス」とも称される美しい海辺の街、房総いすみ市にある渋モダンなお宿「慈慈の邸」。マクロビオティック料理研究家として国内外で活躍する中島デコさんがスタートしたオーガニック農園「Brown’s Field(ブラウンズフィールド)」内にある施設だ。
宿泊するのは、藁、粘土、竹など土地の自然素材を使ってリノベーションされた伝統的な古民家。自然の温かみを肌で感じながら、中島デコさんの次女中島舞宙音さんが作る、地元の野菜や穀物、手作り発酵調味料を使用したプラントベース料理を堪能できる。
こちらでは、現地でのオーガニック食材を使用したお料理教室のほか、中島デコさんが長年かけて培ってきた知識をオンラインで学べるサステナブルスクールも開催されている。動画で自然との共存やオーガニック料理について学んだあと、実際に宿泊体験するのもよいのではないだろうか。
住所 | 千葉県いすみ市岬町桑田1815-1 |
電話番号 | 0470-62-5401 |
公式HP | https://brownsfield-jp.com/jiji/ |
各種予約サイト | Tripadvisor |
5. NANJA MONJA(山武郡横芝光町)
引用元:NANJA MONJA
「日本の渚百選」に選ばれた美しい白浜をもつ九十九里の中央にある、小さなリゾート「NANJA MONJA」。施設の建築にあたって周辺の竹林を伐採した際に残った1本の大木「なんじゃもんじゃ」から、この名前が付けられたのだそう。
客室はすべて広い芝生のなかに独立したコテージタイプ。まわりの宿泊客を気にすることなく、ご家族とのひとときやワーケーション、日常から離れての気分転換に利用できる。
こちらでは、全コテージ、サウナ、露天風呂、レストラン、フロントなどのすべての施設で、再生可能エネルギーを利用。温暖な気候で農業が盛んなことや、絶滅危惧種に指定されているアカウミガメの産卵地であることから、地域による環境保護活動が盛んな横芝光町に位置するリゾートならではの取り組みといえるだろう。
住所 | 千葉県山武郡横芝光町木戸8549-1 |
電話番号 | 0479-84-0317 |
公式HP | https://nanja-monja.jp/ |
各種予約サイト | ※下記リンク経由で予約した場合、当メディアに紹介手数料が入ります。予約者の方に追加の費用負担は発生致しません。本手数料は、社会を良くするメディア運営を持続的に行うための資金として大切に活用させていただきます。 楽天トラベル、じゃらん |
Livhub編集部が考えるサステナブルな宿
本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。
しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。
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宿紹介文執筆:古川友理
編集: 石塚 和人
※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。
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