埼玉県のサステナブルなおすすめ宿・ホテル8選(小川町、入間郡、秩父市)

埼玉 川越

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは埼玉県のLivhubおすすめの宿8つ。それぞれ紹介していく。

1. 泊まれるオーガニックレストラン mujaqui-むじゃき(大里郡寄居町)
mujaqui

引用元:mujaqui

築100年の和菓子屋跡をリノベーションした、イタリアンレストラン、ゲストハウス、ショップの複合施設。
レストランでは、「身土不二」という考え方を大切に、寄居町の有機無農薬野菜、ジビエ肉、無添加の食材、さまざまな離島の食材、お酒を提供し、ビーガン、グルテンフリーなどの要望にも対応してくれる。

身土不二(しんどふじ、仏教用語での読み方はしんどふに)とは、人と土(環境)とは一体であり、土(環境)が食べ物を育て、その食べ物により人の命や健康が支えられているという考え方である。環境に適したその土地の食べ物を頂くことが、健康な体を育むことにつながる。

天井や梁などにその歴史が感じられる建物内は、たくさんの植物がある和空間に、天窓から入る光が、柔らかな陽だまりをつくる。ゲストハウスは、ツインルーム3部屋、トリプルルーム1部屋の全4部屋。寝ることに特化したシンプルな客室に大きな窓があり、朝はたっぷりと日が入る。トイレや洗面台、シャワーは共用スペースのものを利用。2階にある宿泊者専用ラウンジにはwifiを完備、お茶やコーヒーのサービスも。

町にもっとむじゃきな大人と子供の原風景を作りたいという想いで作られた空間。
最近、むじゃきに過ごせる時間・空間に出合いましたか?

住所 埼玉県大里郡寄居町寄居908
HP https://mujaqui.jp/
2. 小川まちやど(比企郡小川町)
小川まちやど

引用元:小川まちやど

埼玉県の中央部に位置し、緑豊かな外秩父の山々に囲まれる小川町。県内でも有数の有機農業が盛んな地域として知られる。

小川まちやどは、そんな小川町全体を、一つの宿ととらえて宿泊客を迎えてくれる。町にあった建物3棟をリノベーションした客室はすべて素泊まり。食事などは、町に出かけて地元の人たちと一緒に楽しむことを提案している。

街道沿いに面した広い古民家「ツキ」は、部屋から、ゆったりと流れる槻川や季節ごとに表情を変える山々を一望できる。窓のあるお風呂では、月見風呂という贅沢な過ごし方もよさそう。近所には歴史ある酒蔵や人気のカレー屋、バーなどの飲食店が充実。お隣には昔ながらの八百屋もあるので、食材を買って宿で調理するのも楽しいだろう。家族や友人とゆったりと過ごすほか、研修や合宿などにも利用できる。

商店街から少し奥まったエリアに位置する「三姉妹」は、花街文化の名残を感じさせてくれる建物。数週間〜数ヶ月の長期利用も可能で、移住の前にお試し生活をしてみたい方や長期出張の方などにもおすすめ。

ドミトリータイプの「ジットハウス」は、近くにコワーキングスペースもあり、ワーケーションとして滞在するのもよいだろう。

住所 ツキ:埼玉県比企郡小川町大塚176-1
三姉妹:埼玉県比企郡小川町大塚124-2
ジットハウス:埼玉県比企郡小川町大塚28
HP https://ogawanoyado.com/top/
3. ゲストハウスちゃぶだい(川越市三久保町)
ちゃぶだい

引用元:ゲストハウスちゃぶだい

蔵造りの街並みで知られる川越市に、築100年を超える肥料問屋を改修して生まれた。従来の構造物を極力残し、古い畳は壁の中に断熱材として、土間の板は剥がしてフローリング材にするなど、循環を意識して作られている。

「つながる・たのしむ・ひろがる」をコンセプトに、旅人や住人、街のお店や歴史、伝統、習慣など、様々なヒト、モノ、コトがつながる空間を目指す。宿泊客にとってのダイニングは街の飲食店、お風呂は銭湯、テレビは映画館など、街全体を宿に見立てた楽しみ方を提案する。埼玉の有機農家などが出店するマーケット、ゼロウェイストで買い物ができる食材の量り売りが月に一度継続開催されている他、英会話ナイトや、環境ジャーナリストを呼んでの生ごみ処理問題への講義・キエーロDIYワークショップワークショップなど、地域住民にも開かれた場づくりが多くされているのも特徴。

客室は、男女混合ドミトリータイプの相部屋と1-3名用の個室の2種類、シャワー、トイレ、洗面所、キッチンは共用。23時には完全消灯する。

ラウンジのうち1つは宿泊者専用。キッチンがあり、飲食の持ち込みが自由なので簡単な調理もできる。一般客も使えるラウンジは、昼間はカフェ、夜間はバーとして営業する。

庭にある約6畳のレンタルスペースは、ワークショップ、テレワーク、ポップアップショップ、撮影など様々な用途で利用可。シャワーステーションは、観光、サイクリング、ランニングなどの後など汗を流したい時に利用できる。荷物を預かってくれるのも嬉しい。

住所 埼玉県川越市三久保町1-14
HP https://chabudai-kawagoe.com/
4. 離れ別邸(加須市油井ヶ島)
離れ別邸

引用元:離れ別邸

無農薬・自然農法を実践する農家が運営する宿。大正11年に建てられた古民家をリノベーションした一棟貸しの宿泊施設に、4名まで泊まることができる。

食事は、農園内にある繭久里(くくり)カフェで、地域や農園の作物を中心にマクロビオテックの考え方を取り入れた、コースメニューを頂くことができる。(コース料理は3日前までの予約が必要)
カフェでは、自然の恵みは大地から生み出され、大地にとって優しいことを考えていけば、人のより良い暮らしに繋がるという想いを込めた食事が提供される。無農薬米や漢方農法イチジク、無肥料、無農薬、固定種による作物などを、積極的に食事に取り入れている。カフェの内装には、森林浴成分のある低温乾燥杉や、調湿作用やリラックス効果を持つ天然素材を使用するなど、食事を頂く環境にも独自のこだわりがある。店内では、地域の農家さんが作った農産物や加工品などの販売もある。

3名以上の宿泊で、簡易農体験に無料で参加できるほか、季節に合わせた収穫体験サービス(有料)も用意されている。7日、14日、28日以上の期間に応じた長期滞在割引プランもあるので、別荘感覚で滞在するのもよさそう。

住所 埼玉県加須市油井ヶ島1393番地1
HP https://www.seinousha.com/facilities/guest-house/
各種予約サイト

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5. BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE(入間郡越生町)
BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE

引用元:BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE

ビオトープ(生き物が暮らす場所)をテーマに、宿泊、BBQ、お風呂などが楽しめるリゾート型の複合施設。

客室は、サウナスイートキャビンと、グランピングキャビン、グランピングテント、ログキャビン、ムーミンスペシャルドーム、空中グランピングドーム、ドームキャビン、ログハウスの8種類。フリーテントサイトもあるので、用途に応じて選んでみては。

サウナスイートキャビンは、北欧モダンな部屋に、フィンランド式ロウリュサウナ、水風呂、屋外ジャグジーなどを備え、完全にととのうこと間違いなし。

グランピングキャビンは、立体的に配置された5台のベッドと広いウッドテラスを備え、家族やグループ、カップルで過ごすのによさそうな、快適性抜群の部屋。宿泊者は、無農薬野菜を収穫し夕食に頂くプラン(有料)に参加することもできる。

グランピングテントは、自然光が透過する大きなコットンテント内に、ダブルベッドが1台、テーブルや椅子、調理機材一式を備える。

夕食は、BBQを楽しむことも、レストランで頂くこともできる。朝食は各お部屋でのグランピングモーニングを楽しんで。
泊まる客室によって、おごせの湯、水着着用のお風呂、ライブラリーエリアを無料で利用できるので、予約の際にはご確認を。

住所 埼玉県入間郡越生町上野3083-1
HP https://opark.jp/ /
各種予約サイト

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6. -里山ステイ(入間郡三芳町)
三富今昔村

引用元:三富今昔村

サステナブルフィールド三富(さんとめ)今昔村が運営する施設。くぬぎの森に、ドーム型のテントが2種類あり、1棟まるごと貸し切って利用する。デイキャンプ用の施設であり宿泊はできず、利用時間は、開村日の10:00~16:30に限定される。2種類あるテントのうち1種類は、愛犬の同伴も可能だ。

食事は、1営業日前までに予約する通常プランとして、特製のサンドイッチバスケットのほか、野菜たっぷりの「おいしい体験」テイクアウトメニュー3種類を楽しむことができる。(月曜日はミートフリーマンデーで、サンドイッチバスケットのみの提供)テント内への飲食物の持ち込みは、村内で購入したもの限定なので要確認。(くぬぎの森カフェでも飲食ができる)

三富今昔村は、生態系の一部として、今の暮らしの「その先への配慮」を大事にする生き方を、次世代へつなげていく「つぎの暮らし」の在り方について、宿泊客と共に考え、宿泊客が行動を起こすきっかけになる場所を目指す。ごみが散乱していた三富の森を再生させるべく、不法投棄を拾うことから始め、少しずつ生物たちが戻りはじめている。2012年、2017年、2022年に継続してJHEP認証“AAA”を取得。

住所 埼玉県入間郡三芳町上富1589-2
HP https://santome-community.com/satoyama-day-camp/
7. Corot(所沢市山口)
corot

引用元:corot

築100年の空き家を改修してつくられた、埼玉県初の農家民宿。農園に併設する古民家で、農家体験や、かまどや囲炉裏、五右衛門風呂などを使った古き良き生活を楽しむことができる。30畳の広々和室、8畳の洋間からなる空間に、20組程度の寝具や約20名用の食器類の用意があり、大人数での利用が可能。昼は休憩スペース、夜は宿泊施設になる古民家、日帰りでも宿泊でも、好きな方法で楽しんで。利用はそれぞれ1日1組限定だ。

日帰り・宿泊ともに、食事の用意はないので、持ち込んだ食材や農園で収穫した野菜を使って、かまどでご飯を炊いてみたり、囲炉裏でお鍋や焼き物に挑戦したり、という非日常な調理方法を試してみては。ピザ窯も設置、BBQセットの貸し出し、炭の販売もあり、現代風の調理ももちろんできる。台所には、食器類や調理器具のほか、ガスコンロ、給湯器、電子レンジ、電気炊飯器、冷蔵庫もあるのでご安心を。エアコンも設置、冬季には灯油ファンヒーターや掘りごたつなども利用できるので、広い空間特有の寒さもしのげるだろう。
五右衛門風呂には温水シャワーがあり、温水洗浄付き洋式トイレが男女各1か所あるので、水回りも快適に利用できる。

運営している貸し農園は自然農を営み、タイミングがあえば収穫体験もできるそう。

住所 埼玉県所沢市山口2040
HP https://www.corot.bz/
8. NIPPONIA秩父(秩父市宮側町)
NIPPONIA秩父

引用元:NIPPONIA秩父

昭和初期建築の登録有形文化財「小池煙草店」と、併設する「宮谷家」、明治元年から昭和初期に建築された「マル十薬局」という、歴史的に価値の高い建物をリノベーションした施設。秩父の伝統を肌で感じられる。
蔵を改装した天井高の部屋、古家具の並ぶ重厚感のある部屋、大正ロマンや昭和レトロの風情たっぷりの部屋など、部屋ごとに異なる客室のインテリアは、対象、昭和、現代のセンスが調和した、独特の世界に誘ってくれる。各部屋の窓から見える風景も、庭園、奥秩父の山々、秩父の街並み、秩父神社の参道など多様であり、訪れるごとに違う部屋に泊まる楽しみもある。
食事は、地元の食材を厳選し、季節の恵みを盛り込んだ創作料理を楽しむことができる。

運営するNIPPONIAは、羅針盤なき時代に本当の豊かさとは何か考えながら、「歴史的建築物の活用を起点に、その土地の歴史文化資産を尊重したエリアマネジメントと持続可能なビジネスを実践する」という使命を掲げ、日本社会から失われつつある有形無形の伝統や文化、価値観などに光を当てることを大切にしている。空き家となった古民家や文化財の活用から始め、時間を湛えた空間をつくる。それを実現する職人がいる、そのこと自体を地域の産業とすることを目指す。

住所 埼玉県秩父市宮側町 17-5
HP https://nipponia-chichibu.jp/
Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 和田麻美子
編集: 飯塚彩子

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。