地域と触れ合う“本物”の田舎体験。長野県飯田市の農泊『THE INAKA -TENRYUKYO・IIDA CITY-』販売開始

長野県飯田市では、観光庁令和6年度「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」の採択を受け、インバウンド向けの農泊ツーリズム『THE INAKA -TENRYUKYO・IIDA CITY-』が実施されることとなった。

本ツアーは、飯田市が主体となり、飯田市天龍峡を盛り上げるための有志団体「ねやねや天龍峡実行委員会」と、日本各地の地域資源の価値をエンターテインメントによって世界に発信していくためのプロジェクト「Channel47」を運営する一般社団法人Channel47が企画制作を担当。

ローカル線での移動や地元ならではの食、古典芸能、自然を体感するアクティビティを組み込み、「田舎の農家に泊まる」という素朴な農泊のイメージを脱した付加価値の高い宿泊体験プランに仕上げられている。

インバウンド向けに熟考された「極めてディープな“本物”の日本の田舎体験」
インバウンド-農泊

image via PR TIMES

『THE INAKA -TENRYUKYO・IIDA CITY-』では、農家でのホームステイに加え、プレミアム感のあるさまざまな体験ができる。

体験地である天竜峡までは、東海道新幹線JR豊橋駅から出発する飯田線特急伊那路号の特別列車で移動。車内では、食べログに掲載される全国約85万店舗から「The Tabelog Award 2024」でGoldに輝いた35店舗に名を連ねる地元の名店「柚木元」監修の特製おつまみとお酒を堪能しながら、地元の食材や食文化への理解を深められる。

天竜峡駅に到着すれば、いよいよ本物の田舎体験のはじまり。飯田の古典芸能を伝承する「和遊楽」や伝統的農村芸能「今田人形浄瑠璃」、「名産りんご」や「天龍峡黒豚」を味わう農業畜産体験、国定公園内の名勝を下る自然体験「天竜峡ライン下り」などのイベントが目白押しだ。

もちろん、地域住民と触れ合う時間も、農家民泊の醍醐味。観光地として親しまれながらも地元の努力によって守り続けられてきた自然や、天竜峡を愛する地元民の飾らない姿を通して、商品として作り上げられたものではない“本物”の暮らし、自然、文化を体感できるだろう。

農林水産省も推進する自然を楽しむ“農泊”
農泊ツーリズム

高まるインバウンド需要への対応は、あらゆる業界において早急に取り組むべき課題とされている。そんななか、農林水産省はインバウンド受入れに向けた取り組みと今後の展開の一つとして、「農泊実施体制の拡充・多様化」を挙げている。

現時点で検討されているのは、古民家の改修やWi-Fi 整備、キャッシュレス、外国語対応、文化体験の充実、長期滞在を前提としたプログラムの開発、JNTO(日本政府観光局)の発信力を活用したプロモーションの強化など。

国が積極的な支援に乗り出すことで、今後国内外で農泊に対する認知が拡大し、需要が高まっていくことが予想される。

よりプレミアムかつスタイリッシュに変化しつつある日本の農泊

インバウンド需要の高まりとともに、ありのままの田舎体験や付加価値の高い農泊が注目されている。

「宿泊=宿に泊まる」だけではない、プレミアムな体験が詰まった日本の農泊。海外旅行者にとっては古き良き日本をあらゆる角度から体感できる特別な旅であり、近代化を遂げた日本の姿以上にスタイリッシュに映るのかもしれない。

そしてそれらは、日本人である私たちにとっても新鮮に感じられるはず。今後、日本ならではの農泊の展開に期待したい。

【参照サイト】PR TIMES:南信州で過ごす“本物”の日本の田舎体験! インバウンド向け旅行商品『THE INAKA -TENRYUKYO・IIDA CITY-』が販売開始!
【参照サイト】農林水産省:インバウンド受入拡大に向けた農泊の取組状況と今後の課題

【関連記事】未来へつなげたい、農泊の魅力。JTB総合研究所が選ぶ、5つの農泊モデル地域

The following two tabs change content below.

古川友理

愛知県在住。ピアノ講師・伴奏ピアニストとして活動する傍ら、執筆活動にも力を注いでいる。居心地の良いホテルやゆったりと時が流れる旅先で過ごす時間が最高のご褒美。