兵庫県のサステナブルなおすすめ宿・ホテル6選(豊岡、淡路、神戸)

兵庫

「旅にでよう!」そう思い立ち、なんとなく行き先を決めた後についてくるのが「どこに泊まろう?」という問題だろう。

アクセス、値段、部屋のタイプ、周辺のお店や体験、ご飯、お風呂、空間や建築の心地よさ、評価、サステナビリティに対する取り組み。検討すべき項目が多すぎて検索を始めてから予約まで気づくと1〜2時間経っているなんていうこともよくある。

そんな数多ある宿・ホテルのなかから、旅の力を信じるトラベルライフスタイルマガジン「Livhubでは今回、「サステナブル」という言葉に関連するようなおすすめの宿やホテルを選定した。今後47都道府県のおすすめな宿を選定し記事にしていく予定だ。

今回紹介するのは兵庫県のLivhubおすすめの宿6つ。それぞれ紹介していく。

1. 志ん屋(豊岡市日高町)
志ん屋

引用元:志ん屋

山陰海岸ジオパーク、および氷ノ山後山那岐山国定公園の区域に指定されている神鍋(かんなべ)高原。春~夏には林間学校、スポーツやサークルの合宿に、秋~冬にはカニ料理やスキー・スノーボード等の宿泊と、四季を通じて楽しめる場所だ。気さくなおじちゃんと、おばちゃん、若旦那と若女将の家族が、ボリュームたっぷりの料理でもてなしてくれる、気さくな民宿が「志ん屋」だ。

神鍋高原の土には火山灰が含まれ柔らかく、根野菜の生育に適している。寒暖差があることから、糖度の高い農作物が収穫されるという特徴がある。ご主人と女将が愛情いっぱい育てた自家栽培の旬の野菜とコシヒカリに舌鼓を打ちたい。夏場は野外テラスでバーベキューも楽しめる。

全9室の個室以外に20畳の大広間、32畳の大食堂を備え、大型バス4台収容可能な駐車場もあり、団体での合宿利用も可能だ。男女別大浴場があるほか、近所には温泉施設もある。貸切のテントサウナも試してみたい。

宿の電力は全て自然エネルギー100%のハチドリ電力。ハチドリ電力では、電気代の1%を社会貢献活動に寄付できるが、志ん屋では福祉実験ユニット「ヘラルボニー」と、登山道整備、山小屋支援、環境保全、アウトドアガイドのサポートなどに活用されるYAMAP山守り基金を支援先として選定している。

歯ブラシは極力持参を呼び掛けるが、有料で竹製のものを購入可能。客室のごみ箱にはビニール袋の替わりに新聞紙を利用するなど、環境負荷を下げる細かな配慮も心地よい。大勢で訪れ、和室でごろりと横になる、そんな時間を過ごしてみてはいかがだろう。

住所 兵庫県豊岡市日高町名色1572
HP https://4n8.jp/
各種予約サイト

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2. 禅坊 靖寧(せいねい)(淡路市楠本)
禅坊 靖寧

引用元:禅坊 靖寧

見渡す限り広がる淡路島の大自然の中で、禅体験ができる「禅坊 靖寧」。建築界最高栄誉といわれる「プリツカー賞」を受賞した、坂茂氏設計による唯一無二の建物の中で、心と体を癒すリトリートを体験できる。日本杉を組み合わせて作られた全長100mのウッドデッキを裸足で歩き、木の温もりと香りを全身で吸収したい。

ZENリトリートプログラムでは、瞑想やヨガを通し、自分を向き合い、心身のバランスを整える。禅坊料理は、シェフ監修による季節や体調の変化に考慮した、心と身体を整える地元食材を使った食事を提供してくれる。「発酵」を大切にし、調味料は一年から三年かけて熟成させた伝統的製法の物のみを厳選、発酵が止まっていない自家製の甘酒や醤(ひしお)もいただける。動物性の食材、小麦粉、油、砂糖を使用せず身体への負担が少ない、優しい食事で身も心も軽くなりたい。

館内は、必要のないものを極限まで削ぎ落とした美しさ、静寂と内省をなす極上のリトリート空間を求め、こだわり抜かれている。高品質の国産木材を使い、卓越した木製家具として定評があるHIDAの家具がやすらぎの空間を作る。

大自然に包まれたウッドデッキで、ベンチに腰掛けたり裸足で歩いたり本を読んだり、日が傾き星空に出会えるまで、何時間でも過ごしていられそう。

住所 兵庫県淡路市楠本字場中2594-5
HP https://zenbo-seinei.com/
各種予約サイト

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3. ゲストハウス萬家(MAYA) (神戸市灘区)
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引用元:ゲストハウス萬家(MAYA)/a>

古くからさまざまな国の人が行き交い、文化がまじりあってできてきた港町・神戸。その中心、三宮からほんのすこし離れた場所に、ふつうの人びとが豊かに暮らす町の日常がある。ゲストハウス萬家は、「神戸のふつう」を感じさせてくれる場所だ。

ケーブルカーや山歩きで摩耶山(標高702メートル)に登り、町と海を一望する。王子動物園や美術館をゆったり散策し、水道筋商店街や市場をめぐって買い物を楽しむ。歩き疲れたら、喫茶店でお茶を飲みながらおしゃべりをして、一日の終わりに町の銭湯で汗を流す。「ふつう」だけれど日常生活の中でなかなか経験しづらくなった時間を過ごすことができそうだ。

客室は、シングル・ダブル、4人まで泊まれる個室や、ドミトリータイプがあるのでお好みで選んで。女性専用のシャワーとトイレがあるのも嬉しい。共有のキッチンやラウンジでは、食事をしたりおしゃべりをしたり、ここで出会った旅人たちとの時間を過ごしてみたい。

宿のホームページには、パン屋、喫茶店、銭湯……など、おすすめのご近所さんがずらっと並んでいるので、旅のプランのご参考に。自転車をレンタルできるので、気の向くままに、少し遠出をしてみるのも楽しそうだ。

住所 兵庫県神戸市灘区城内通4丁目4-10
HP https://kobemaya.com/
各種予約サイト

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4. Sustainable Cottage(淡路市郡家)
Sustainable Cottage

引用元:Sustainable Cottage

「Sustainable Cottage」は、未来型ハウス(S-ZEHモデルハウス)の1日1組限定の一棟貸しコテージだ。S-ZEHとは、快適で健康的な室内環境と年間で使用する住宅エネルギーを概ねゼロにする住宅として開発された建物である。ここでは、自然エネルギーや省エネ・省Co2に貢献する、環境負荷の低いこれからの住宅のあるべき姿「サステナブルライフ」を、宿泊を通して暮らすように体感できる。6名まで宿泊可能だ。

朝食は地元の食材を、ピクニックスタイルのバスケットに入れて届けてくれる。天気が良ければ海辺で食べるのも最高の解放感が味わえるだろう。淡路島の豊富な食材をふんだんに使ったBBQ(要予約)もここに泊まった時のご褒美だ。オーシャンフロントのデッキテラスで夕陽を眺めながらいただく海の幸や山の幸は、最高のご馳走となるだろう。近隣にはイタリアンレストランもあり、キッチンで料理を作って楽しむこともできるので、お好みや天候にあわせて地元の幸を堪能したい。

1Fテラスにはロウリュを楽しめる薪式サウナがあ、ジャグジーとあわせて水着着用で楽しめる。
天然木の温もり、自然エネルギーや省エネ蓄電システムを利用した心地よい空間にいると、人間が作ったものと人間には作れないものの境目を忘れるような時間が流れそうだ。

住所 兵庫県淡路市郡家字大谷北1111
HP https://kamome-slow-hotel.jp/sustainable_cottage/
5. 春陽荘(しゅんようそう) (洲本市宇山)

引用元:春陽荘|楽天トラベル

「春陽荘」は、1941年に造船業で富を得た岩木家の社長宅兼事務所として、風水の思想に基づき設計され、7年の歳月をかけて完成させたお宿。27坪の広い敷地に、貴賓館、蔵、客殿、寝殿、常住殿など8棟の建物があり、平成16年に国の登録有形文化財に、平成29年3月には兵庫県景観形成重要建造物に登録された。

客室棟「貴賓館」は、木造平屋建て、寄棟赤瓦葺き。外壁全面を覆うスクラッチタイルは昭和初期の建造物を象徴する、重厚感のある趣を感じさせる。冬期には放置竹林から採取した竹、雑草や落ち葉、伐採から出る庭木の枝葉をはじめ、材木卸業者から木材の破片を収集し、薪ボイラーで燃やして貴賓館全体のクリーンエネルギー暖房として活用している。一棟貸しなので、家族や仲間と訪れてみたい。1週間、1か月などの長期滞在割引も用意されている。

春陽荘全体のガイド付き見学、天気の良い日には、漁師町、竹林、松林が美しい海岸のモーニングウォークなどのメニューも利用してみよう。朝食は、近所の食事処で漁師町の朝ご飯をいただける(4名以上での予約をおすすめ)。

歴史的背景を描いた映画の1シーンに入り込んだような感覚に包まれそうな空間。普段着で訪れるのももちろん良いけれど、和服を着て過ごしてみたくなるような、そんな気分にさせてくれそう。

住所 兵庫県洲本市宇山2丁目5-4
HP https://shunyoso.jp/ja/top/
各種予約サイト

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6. 囲炉裏の宿 豊楽(神崎郡神河町)
囲炉裏の宿 豊楽

引用元:囲炉裏の宿 豊楽

「囲炉裏の宿 豊楽」は、川のせせらぎや鳥のさえずりを聴きながら味わう、 季節の会席料理や鍋料理が自慢の、大自然の中に佇む宿。懐かしい囲炉裏と涼やかな川床で、里山の四季を五感で堪能させてくれる。

一年を通して、囲炉裏を囲みながら、地元の食材をふんだんに使った四季の恵みを味わうことができる。囲炉裏では、炭焼、鮎、松茸などの会席料理、夏季限定の川床ではバーベキューも楽しめる。鍋のコースでは、猪・きじ・鴨・鹿などのジビエ料理のほか、フグ・カニ・すっぽんなどの海の幸もいただける。メニューが豊富に用意されているので、迷う楽しみも味わってみたい。子ども向けのミニ会席の用意があるのも嬉しい。目の前を流れる渓流を眺めながら、囲炉裏端でいただく料理は非日常な時間になるだろう。

館内にはバリアフリーの大浴場の他、卓球台やビリヤード台、大広間もあるので、大人数で滞在し、体を動かし汗を流すという過ごし方も楽しそうだ。

創業以来、周辺の自然環境と地産食材を生かし、できるだけ食材や資材のロスを無くすことを目指して運営されている。清流の小田原川沿いは、6月中旬~下旬にかけて、蛍の鑑賞スポットになるそう。静かできれいな水辺にしか住めないとされる蛍、この先もずっとこの場所で見続けられることを願う。

住所 兵庫県神崎郡神河町上小田332
HP https://houraku.info/
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Livhub編集部が考えるサステナブルな宿

本来「サステナブルな宿である」と断言するためには、根底からの課題意識を持ちつつ、環境・社会・経済、三要素全てに対して本質的な取り組みを行っている宿である必要がある。例えば、アメニティを自然素材のものに変え、持参を宿泊客に依頼するといったことも大事な取り組みの一つではあるが、それだけでサステナブルな宿と謳うには不十分だとLivhubは考える。我々が本質的にサステナブルな取り組みを行っていると考える宿は、例えばインドネシア・バリ島のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」だ。詳細が気になる方はぜひLivhubが取材した記事「バリ島ウブドに旅立とう。心で ”良さ” を感じるエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」」をご確認いただきたい。

しかし日本においては、そうした宿はまだ少ないのが現状だ。そもそも、環境・社会・経済の三要素全てに対してアクションするのはすごく難しいことであるのも事実であろう。それゆえLivhub編集部では、環境・社会・経済もしくは思想のどれかにおいて特徴的なサステナブル要素がある宿も選定に含めている。環境・社会・経済をより良い状態していくための力となる旅が、今後より多く日本に、そして世界中に増えていくことを願って、理想へ向かう過程をメディアとして応援しながら情報を発信していければと思う。

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宿紹介文執筆: 和田麻美子
編集: 明田川蘭&飯塚彩子

※こちらの記事で取り上げている宿は、今後随時状況に応じて追加・編集する可能性がございます。サステナブルな取り組みを行っていると読者の皆様が感じる宿があれば、ぜひcontact@livhub.jpやLivhubの各種SNSのDMにてお気軽にご連絡ください。

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和田麻美子

趣味のハイキングを通じ、限られたモノや環境下で最大に楽しむこと、極力ごみを出さないように暮らすことを意識するようになり、Own less, waste less, enjoy more を心がける日々。旅先でハイキングをする山旅、ライブを楽しむ音楽旅を好む。