日本の古着がカンボジアの観光と雇用を守る。「Newsed作業服専門店 カンボジアジャングル店」がオープン

もう使わなくなった、いらないもの。
本当に不用品なのだろうか。

視点を広げると、新たな使い道が発見されるかもしれない。

日本リユースシステム株式会社は、企業用ソリューションパッケージ「古着deワクチン まごころプロジェクト」を行ってきた。プロジェクトの中でも、使わなくなった作業服の新たな活用の場が注目されている。

丈夫で高品質な「日本企業の作業服」が必要とされる人々のもとで活用されるべく、カンボジアジャングルでの現地住民による森林保全活動や観光客の安全を守る目的に「古着deワクチン Newsed作業服専門店 カンボジアジャングル店」を2024年1月にオープン。売上金の全額は、現地の環境整備及び、村の学校での教育資金に充てられるなど、日本の作業服が今後、カンボジアで有効活用されることが期待される。

古着が有効活用される「古着deワクチン」

家庭で不要になった衣類を簡単に手放すことができる、有料の自立支援型・寄付つきお片づけ商品が「古着deワクチン」だ。2010年の販売開始から累計48,675,000着分の衣類を有効活用し、600万人以上分のポリオワクチンを寄付。開発途上国の子ども達の命を多く救ってきた。

企業や団体が手軽にSDGs活動に参加できるパッケージプラン「古着deワクチン まごころプロジェクト」も提供しており、利用によってSDGsの9つのゴール達成に貢献できるようになっている。不要になった服を提供するだけで、社会貢献に関われる取り組みは今後も長く必要とされていくだろう。

カンボジアの観光や社会を古着で守る

2024年1月にオープンした「古着deワクチンNewsed作業服専門店 カンボジアジャングル店」。あなたが不要になったものも、カンボジアで必要とされるものになるかもしれない。

カンボジアの自然と観光を取り巻く状況

カンボジアの首都プノンペンから車を走らせること7時間あまり、少数民族が暮らすモンドルキリ州に「古着deワクチンNewsed作業服専門店 カンボジアジャングル店」はオープンした。カンボジア国内で最も広大であり、緑深い山林、力強い滝、丘陵の続く高原、雄大な自然に溢れたモンドルキリ州は、近年エコツーリズムの候補地として観光客に大変な人気となっている場所だ。

しかし、エコツーリズムの地として現地住民による森林保全活動や観光客のトレッキングツアーなどが盛んである反面、安全装備が不足した状態での保護活動や、軽装でのトレッキングツアーへの参加など、着用衣類によって防げるはずの事故が相次いでしまっている。このような事故をなくすため、ジャングルの入り口にある村と提携し、カンボジアジャングル店のオープンへとつながった。

日本で不要になった作業服がカンボジアで大活躍

店舗では以前より大人気商品となっている、頑丈で安全な日本企業の「作業服」の販売を行なっており、現地住民やツアーに参加する観光客もこれを購入している。また、古着の販売でツアー参加者を守るだけではなく、店舗運営を現地の村人へ委託することで、新たな雇用創出にもつながっている。

売上金の全額は、現地の環境整備及び村の教育資金に充てられ、現地住民の生活向上へも活用される。日本で不要となった作業着は、使い方次第で大きな社会貢献ができるアイテムとなる。本当の意味でのサステナブルとは何か、今一度考えてみよう。

【参照サイト】古着deワクチン 公式ページ
【参照サイト】古着deワクチン まごころプロジェクト 公式ページ
【参照サイト】日本リユースシステム株式会社 公式サイト
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