無印良品の「インフラゼロでも暮らせる家 」実証実験参加者を募集中

画像引用:住まいのかたち | Magazine for MUJI LIFE

日常生活に必要な電気、水道、ガス。
このインフラがなくなったら我々は生活できないのだろうか。
新たなエネルギーの使い方で自然に優しく暮らせるのかもしれない。

「無印良品の家」を展開する株式会社MUJI HOUSEは、インフラゼロの家を開発。2024年5月より、完成したモデルハウスでの試泊の参加者を募集している。実証実験参加者の意見を反映し検証を行った上で、2025年の実用化を目指す。

MUJI HOUSEのゼロ・プロジェクト

MUJI HOUSEは、エネルギーや生活水などを既存のライフラインに依存しないモバイルユニットを移設・組み合わせることで、インフラの整わない場所でも自由自在に暮らすことのできる移動式住宅の実証実験「ゼロ・プロジェクト」を、2023年3月より開始している。

これまでMUJI HOUSEでは、室温維持に必要なエネルギー量を計算し、実際にかかる電力消費量や節約効果がわかる温熱シミュレーションの全棟実施や、2015年より環境に配慮した高性能な住宅の実現のため、ダブル断熱+トリプルガラスサッシの標準仕様化を行ってきた。

ゼロ・プロジェクトを通じて、「インフラゼロでも暮らせる家」の実用化だけでなく、得られた知見や技術を既存の商品にも反映していくことで、今後住宅のLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)化を進めていく考えだ。

インフラゼロにした無印良品の家

今回、4つのゼロの実現に向けて、オフグリッドインフラで新しいくらしを創造するINNFRA株式会社や、クリーンなエネルギーをつくる未来の屋根「Roof-1」を開発する株式会社モノクロームと連携して開発を行った。

プロトタイプは、「ユーティリティ棟」と「リビング棟」2つのユニットを組み合わせた、車で運べるモバイルハウス仕様。公道を走行できる安全性を備えるかつ、道路運送車両法で定められている車両として、自由な場所に牽引することが可能だ。また、土地側のライフラインと接続しないため、建築基準法の適用を受けなくてもよい仕様となる。

インフラゼロの家の内容をご紹介する。

ユーティリティ棟

ユーティリティ棟は、蓄電池や水循環システム、キッチン、シャワーなどを設けたユニット。壁と屋根一体型太陽光パネルを使用し、太陽の位置が低い朝方でも十分に発電ができるようになっている。2人暮らしの場合、最大で約3日分の電力を蓄電することが可能となり、蓄電容量は、スマートフォンなどで確認できる。


水回りは生活雑排水を浄化・循環利用する独自の水循環システムを採用し、2人暮らしで1日あたりに必要な水量約200リットル分のタンクを備えており、使用した排水は浄化され再利用が可能だ。シャワーは水循環システムで浄化した水を再利用。電気ヒートポンプ式給湯器エコキュートを標準装備し、太陽光パネルで発電した電力を使用しお湯を利用することができる。


キッチンでの調理は、太陽光パネルで発電した電力を使用し、IHクッキングヒーターの他、電子レンジやケトルも使うことができる。


さらに、屋根に固定設置したアンテナで電波を送受信。安定的なWi-Fi環境で、ネット利用も可能となっている。

リビング棟

リビング棟はリビングスペース、バイオトイレなどを備えた生活のためのユニット。室内は約12.15平米(3.68坪)で、室内には無印良品の脚付きマットレス2台や机・椅子を設置できるほどのスペースだ。屋根一体型の太陽光パネルと蓄電池を搭載しており、エアコンや照明などの家電も自由に使用可能だ。

建物の造りとしては、「無印良品の家」の断熱の基本的な考え方を採用。気密性を高め、建物の外を高性能な断熱材で包み込むことで、室内の隅々まで同じ快適温度に保つことが可能になっている。

気になるトイレは、水を使わず微生物によって処理するバイオトイレ。電気制御により分解性能と消臭性を高め、排泄物や生ごみ、トイレットペーパーも分解可能だ。1日に約20回程度使用することができ、2人暮らしでは問題なく生活することができる。

ぜひ、インフラゼロと感じない暮らしを体験してみてはいかがだろうか。

【インフラゼロでも暮らせる家の試泊 実証実験 概要】
第一ターム 募集終了
第二ターム 試泊日:7月12日 – 8月5日の週末  申込日:5月31日 – 6月23日
第三ターム 試泊日:9月13日 – 9月30日の週末 申込日:8月19日 – 9月1日
場所:シラハマ校舎(千葉県南房総市白浜町滝口5185-1)
応募URL:https://www.muji.net/ie/infrazerohouse/form/

【参照サイト】無印良品の家
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高橋 真理

秋田県出身。東京、札幌での生活を経て、宮城県でゆったりとした地方暮らしを満喫中。友人とにぎやかに過ごす旅も好きだが、1人で旅先の非日常な空間にゆったりと浸る旅が最近のお気に入り。