産後をホテルで過ごすという選択肢。産後ケアリゾート「HOTEL CAFUNE」22年5月より予約開始

初めての妊娠、出産、育児。
人生で味わったことのないほど大きな幸せと不安と希望と様々な感情がその体験には詰まっている。

産声をあげ、ずっとお腹の中にいた新しい命がこの手に触れた幸福。小さな手が動き、鼓動をうち、ちょんと頬をつつくとニコッと笑ったように見えたり。命の尊さに心が震える。
しかし一方で、出産が母体に与えるダメージは大きい。産後は、子宮の損傷による出血や、会陰切開の痛み、骨盤が開くことによる尿もれや乳房の張り、痛みなどさまざまな負担をともなう。そしてカラダだけではなく、ホルモンバランスの乱れによる産後うつや、社会復帰への壁など、心の面や社会的な面にも影響を及ぼすこともある。

さらに、赤ちゃんのお世話は24時間。夜間の授乳やおむつ替えなど、眠い身体をグッと起こし、赤ちゃんを抱きかかえ、何が正解なのか分からず不安なまま手探りでお世話をする。大きな幸せが確かにそこにある反面、睡眠時間の少ない疲労困憊な身体から、必ずしもプラスな感情が働かない日もあるだろう。この状態で1人で生まれたての子供のお世話をするのは不可能に近く、産後はパートナーや実家・義実家など誰かしら、何かしらのサポートが必ず必要になる。しかし、必ずしもパートーナーや実家・義実家に全員が頼れるかといったら、そうでない人もいるだろう。ではどうすれば?

新たな選択肢として、「産後をホテルで過ごす」というのはどうだろう。

ホテルならではのホスピタリティで心も体もゆったり過ごせる。お金を払ってサービスを受けるのだから、気兼ねなく赤ちゃんや自分の身体のケアに集中できる。さらに、助産師さん在籍で育児の細かな疑問や不安も相談することができたらどんなに良いだろう。

2022年5月、産後ケアリゾート「HOTEL CAFUNE」の予約が開始される。子どもを産んだ女性と赤ちゃんのためだけでなく、新しい家族を迎えたすべての人のためのケアホテルとしての機能をもつ。

引用元:HOTEL CAFUNE

HOTEL CAFUNEの1号店は、首都圏のとある宿泊施設にて、6室で開業。宿泊施設の名称及び所在地はまだ情報が解禁されていないが、都心から好アクセスな場所で、風光明媚で自然豊か、自然光がさんさんと差し込む開放感ある空間だ。

ホテルでは、滞在期間中の過ごし方として、「①身体をしっかり休めること」「②子育ての知識やスキルを身につけ、生活リズムに慣れていくこと」「③ソーシャルステータスに関わらず情報共有できる友人との出会いの場となること」の3つを大切にしている。

チェックインをすると、まず助産師が一人ひとりのライフスタイルや体調をヒアリングしながら、滞在のスケジュールを一緒に決める。滞在の前半は、基本的に休養の時間となる。ホテルでは24時間託児なので、自身の体調や希望に合わせて赤ちゃんを預けながら、睡眠を取ったり、エステや整体を受けたりもできるのだ。

そして、体調を見ながら少しずつ、家に帰るときのために子育ての練習を始める。授乳指導に沐浴指導などがあるが、パートナー同士で参加できる点が魅力だ。家族で一緒に練習することで、ママだけでなくパートナーの自信もつき、家に帰ってからもスムーズに育児ができることにつながる。滞在の後半では、夜間の授乳やおむつ替えなどに対応できる身体に慣らしながら、生活のリズムを作っていく。

具体的には主に5つのサービスが提供される。1つ目は、産後の体力回復を考慮した、見た目にも美しい彩り豊かな食事。朝・昼・晩とおいしい食事が部屋に届き、パートナーも一緒に同じものを食べることができる。2つ目は、助産師による個別指導やカウンセリング。産後はあらゆる疑問が出てくるが、助産師がいれば安心。気になるときにすぐ相談することができる。3つ目は、エステや整体のサービスだ。産後のダメージを受けた体をいたわるべく、さまざまなオプショナルサービスが用意されている。4つ目は、施設にコワーキングスペースがあること。家族の全員が利用することが可能だ。そして5つ目が、ケアグッズ。家族全員の体をいたわるためのボディケアグッズが用意されている。

引用元:HOTEL CAFUNE

また、同じタイミングで子育てを始める人との出会いの場として、ヨガや石鹸作りのワークショップや、食事会なども企画するという。施設には、レストランやカフェがあるので、仲間とお茶を楽しんだり、親族や友人との面会したりもできる。

気になる滞在プランは、3種類。7泊8日のショートプラン300,000円(税別)、14泊15日のスタンダードプラン550,000円(税別)、21泊22日のプレミアムプラン800,000円(税別)が用意されている。しっかり休養して身体の疲労をとりながら、帰宅に向けて子育ての練習や生活リズムに慣れていくことを考えると、14泊のプランがおすすめ。検討される場合、有償の体験宿泊も行っているという。

価格だけ見ると、少し高く感じる人もいるかもしれないが、産後の母体への負担や心的ケア、出産後の育児、家族との関係性などを考えると、それ相応なのではないだろうか。

引用元:HOTEL CAFUNE

日本ではまだまだ馴染みのない “産後ケアリゾート” という新しいスタイル。お隣の韓国では、経産婦の75%が産後ケア施設を利用していると言われているから驚きだ。新しい命を授かることは、とても幸せなこと。家族みんなが笑顔で過ごせることが一番である。

母親、父親の双方が子育てにちょっと自信を持ち、パートナーへの信頼と愛をなおいっそう深め、安心感を持って家族としての生活を始められるように。初めての家族旅行として「HOTEL CAFUNE」を利用してみるのもいいかもしれない。

【参照サイト】HOTEL CAFUNE
【参照サイト】新しい命を授かるすべての家族のための産後ケアリゾート、はじめます。|HOTEL SOMEWHERE

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。