浅草に芸妓や人力車など日本の文化が集うコンセプトホテル「THE KANZASHI TOKYO ASAKUSA」誕生

株式会社ウラタは4月15日、浅草に「THE KANZASHI TOKYO ASAKUSA」をリブランドオープンした。事業形態を自社事業へと変更し、ホテルの運営はウラタの子会社である株式会社UBSが行う。

浅草は、江戸の文化を色濃く残す、世界的にも人気の観光地だ。しかし、長引く新型コロナウイルスの影響により、訪日客は激減し、観光地としての在り方を見直す時期となっている。そこで同社は、日本文化に欠かすことのできない「人・モノ・コト」を次世代へ継承し、世の中を活気づけるため、文化と人が出会いつながることができる場所となる「THE KANZASHI TOKYO ASAKUSA」の開業に至った。

ホテルのデザインは、世界最高峰のデザイン賞「iF DESIGN AWARD」を2年連続受賞し、海外でも評価されているデザイナーである浦田孝典氏が手がけている。随所に日本伝統の技法からヒントを得たデザインや、職人の技術が光る装飾が散りばめられている。

エントランスロビー

ホテルのシンボルであるエントランスの簪(かんざし)のアートパネルは、現在では入手困難なウミガメの甲羅で作られた本べっ甲の簪を、写真家の宮澤正明氏が特別に撮り下ろしたもの。時代や国の垣根を越えて融合したさまざまな美しさが、ホテルの和モダンなデザインを作り上げている。

ホテルのために特別に撮影した本べっ甲簪

館内を彩る装飾品には、地元の革問屋より材料を調達し、浅草の革職人によるレザークラフトを採用している。また、一部の客室アートパネルには、吉原生まれ・吉原育ちの土産商である岡野弥生氏の作品を用いるなど、ホテルでは地域産業との連携を大切にしている。ほかにも、人力車サービスを運営する「えびすや浅草店」と提携し、ホテル前まで人力車で出迎えるサービスや浅草芸妓によるイベントなど、浅草ならではのサービスを予定している。

人力車によるホテル前への出迎えサービス

浅草芸妓

ホテルには、軽井沢に本店を構え、東京初出店となる「ELOISE‘sCafe」を併設している。本店は、もともと米国のエロイーズ・ハニングカム女史が建てた歴史のある建造物だった。そこが長年の雨風による痛みで取り壊しの危機にあったとき、カフェ&シェアハウスとして形を変え継承をしたのがELOISE‘sCafeだ。そしてTHE KANZASHI TOKYO ASAKUSAも、かつてこのホテルが建つ地にあった「浅草田甫 草津亭」という150年以上続く温泉割烹の思いを受け継ぎ、誕生している。同じ志を持つ両者が、今回、同じホテルで新たな継承のストーリーを始めることとなる。

ホテル内のELOISE‘sCafe

ホテルにあるルーフトップテラスからは、浅草寺をはじめ浅草界隈を一望できる。夜明け、夕暮れ、夜と時間帯により表情の異なる幻想的な景色を眺めることができ、隅田川の花火も特等席で楽しむことができる絶好のロケーションだ。また、各種イベントスペースとしても利用できる。

ホテルにあるルーフトップテラス

立地は、浅草寺や浅草花やしきに近く、浅草観光に最適な場所に位置する。東京メトロ銀座線と都営浅草線「浅草駅」より徒歩約10分、つくばエクスプレス「浅草駅」より徒歩約6分、羽田空港や成田空港から特急利用で1時間ほどとアクセスもよく、レンタル自転車もあり、近隣の散策もしやすい。

客室は全195室。シングル、ダブル、ツインをはじめ、キングダブルやシティービューツイン、スカイビューツイン、デラックスツイン、バリアフリーツインと多種多様な客室タイプを兼ね備える。また、3名の宿泊にも対応し、トリプル、シティービュートリプルの客室も用意されている。

デラックスツイン

THE KANZASHI TOKYO ASAKUSAは、その立地にまつわる歴史や文化、そして街と宿泊者の感動を束ね、一つにする簪(かんざし)となるべく、日本の文化や美しさを伝えていく。

【ウェブサイト】THE KANZASHI TOKYO ASAKUSA

(Livhubニュース編集部)

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。