米国初のカーボンポジティブなホテル「Studio Populus」

アメリカ初となるカーボンポジティブ*なホテルを標榜する「Studio Populus」の建設がコロラド州デンバーで始まった。

設計を担当した建築事務所Studio Gangが、コロラド州のシンボルであるポプラの木を研究するなかでインスピレーションを得て、ポプラの幹の樹皮に表れる目のような特徴的な模様を窓のデザインで表現している。

populus-外観

この窓は外観が美しいだけではなく、太陽の向きに応じて日差しを遮り、室内に日影をつくり、建物のエネルギー効率を向上させる役割を持つ。デンバーの気候を考慮し、効率的に機能するように設計されているのだ。

建設では、低炭素型コンクリートやリサイクル率の高い資材を使用し、廃棄物や仕上げ用の素材は最小化するなど、材料を作成そして輸送する際にいたるまで、開発の全ての段階での二酸化炭素排出量の最小化を目指した。

なお、ホテル建設に伴い、70万本以上を植林しており、これにより約50万ガロンの二酸化炭素を相殺している。ホテルのオープン後も、宿泊客の滞在など運営するうえで排出される二酸化炭素についても相殺するために、継続的に木を植えていく予定だ。

Populus-通り

「Studio Populus」のデベロッパーであるUrban Villagesの開発責任者Jon Buerge氏は「 Populusの建設を始める前に、製造や輸送なども含めたプロジェクト全体のカーボンフットプリントを計測しました。」とDezeenに述べている。

環境負荷を計測し明示することは、事業運営にとって重要なのはもちろんだが、今後は宿泊客へのサービスの一つとして定着していくかもしれない。

【公式サイト】Populus
【参照サイト】Studio Gang breaks ground on Populus building designed to be US’ “first carbon-positive” hotel

*カーボンポジティブ:温室効果ガス(特にCO2)を削減した際、ライフサイクル全体をみて、排出される量より吸収できている量が多くなっている状態。引用:IDEAS FOR GOOD カーボンポジティブとは・意味

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拓馬

昔からつい遠くに趣いてしまう癖があり、気がついたら海外でノマド(遊牧民)に。インターネットという大自然の恩恵に浴し、世の中を斜に眺めながらの独り言。リアルの大地とデジタルという名の大空のはざまにさすらい、いまだ見ぬ世界への旅路を今日もゆく。