牛・人・自然、みんなが穏やかで幸せになれる場所

千葉県のとある場所に、牛と人と自然が穏やかに交差する施設がある。人に対しても自然や動物に対してもやさしく、あたたかな気持ちになれる、そんな場所だ。

2020年、キャンプ場やマルシェ、イベントスペースなどの機能を備えた新たな観光施設として開園した「千葉ウシノヒロバ」。かつては「千葉市乳業育成牧場」として仔牛を預かり育てる預託事業を営んでおり、半世紀以上に渡って千葉市内の酪農家さんを支えていた。

今回は、牛・人・自然が穏やかに交差する場所「千葉ウシノヒロバ」を紹介する。

千葉ウシノヒロバがつくる、場所の在り方

画像引用:千葉ウシノヒロバ 公式HP

千葉ウシノヒロバには、乳牛の育成牧場をはじめキャンプができるエリア、マルシェなどがある。ここでは、訪れる誰もが自分で考え自分の意思で動くことができる、自由と尊厳のある場所を目指している。人間に対してだけでなく、自然や動物に対してもやさしい気持ちを持てるような環境づくりを行っている。

千葉ウシノヒロバは、現実から逃れるための場所ではなく、一人ひとりの生活が少しでも前に進むような、そんな場所だ。

空間がサステナブルを物語る、数々の賞を受賞

千葉ウシノヒロバ 2022年度グッドデザイン賞画像引用:千葉ウシノヒロバ 公式HP

千葉ウシノヒロバは、2021年度には日本空間デザイン賞「サステナブル空間賞」、2022年度にはグッドデザイン賞を受賞している。

日本空間デザイン賞は、空間デザインの価値を未来へ繋ぐために設立された、日本最大級のデザインアワードだ。2021年度のサステナブル空間賞では、千葉ウシノヒロバの前身となる「千葉市乳業育成牧場」時代のエントランスを破棄せず、あえて新旧のサインを並べることで歴史の積み重ねを表現した点や、農機具倉庫や牛舎を取り壊さず活かして、新しい施設に再構築している点などが評価された。

千葉ウシノヒロバ 日本空間デザイン賞「サステナブル空間賞」画像引用:千葉ウシノヒロバ 公式HP

また、新築されたロッジには環境にやさしいオフグリッドな造りを施し、電気はモバイル式の蓄電池を利用している。この点も、評価された。

グッドデザイン賞では、現在日本の酪農家の戸数は年々減少傾向にあるが、千葉ウシノヒロバではこれからの日本の新たな農の在り方を表現するような場所づくりが行われていることが評価された。たとえば、仔牛を農家より預かる事業を行っていた土地にキャンプ場を作り、ワークショップや農業体験、マルシェなど気軽に楽しめるイベントを開催するなど。普段都会で暮らす人が自然と向き合う機会を創出している点が、受賞したポイントだ。

元気な牛を眺めたり、野菜を収穫したり

千葉ウシノヒロバ キャンプ画像引用:千葉ウシノヒロバ 公式HP

千葉ウシノヒロバでは、「自然に囲まれてのんびり過ごしたい」「キャンプを楽しみたい」
「いろんな体験をしたい」こんな人に最適な場所だ。

まずチェックインを済ませたらキャンプサイトへ。車でそのまま乗り入れられるキャンプサイトでは、広い空と原っぱがみなさんをお出迎え。解放感たっぷりの空間で、力を合わせてテントやタープを張って、滞在のベースをつくる。

ひと息ついたら、敷地内を散策。大屋根ガーデン YAHHOで土曜のお昼に開催されている「とみだマルシェ」を覗いたり、たくさんいる育成牧場で元気な牛を見学したり。

夕食は、千葉ウシノヒロバ自慢のBBQを楽しんで。日中マルシェで買った地元の野菜や持ち込んだ食材を使い、夕食の準備。広い空の下でみんなで食べるごはんは格別だ。

夜は、天然のプラネタリウムに感動。周辺に建物がなく、街の灯りが届かないキャンプサイトでは、晴れていれば満天の星空に出会える。

画像引用:千葉ウシノヒロバ 公式HP

翌朝は爽やかな散歩へ。原田池の橋を渡り、お隣の「富田さとにわ耕園」の方まで散策。四季折々の花やのどかな自然の風景を楽しむことができる。夏にはカブトムシやクワガタにも出会えるかも。

富田さとにわ耕園では、季節ごとに内容の変わる農業体験を行っている。収穫体験や新鮮野菜のアウトドアクッキング教室では、ぜひ採れたて野菜の美味しさを味わって。

千葉ウシノヒロバでは、このような宿泊体験や日帰りでのBBQなど、あなたらしい過ごし方をして欲しい。

ワークショップなどのイベントの開催も

画像引用:千葉ウシノヒロバ 公式HP

千葉ウシノヒロバでは、さまざまなイベントが開催されている。たとえば、期間限定の「ヤギとのふれあい体験」では、かわいいヤギと一緒にウシノヒロバの広々とした場内をおさんぽすることができる。自然あふれるウシノヒロバは、やぎにとってごちそうだらけ!敷地内を散策しながら、自由に草を食べさせて。

他にも、廃材を家具や道具にリメイクし、 暮らしを考えるDIYワークショップも行っている。廃材をつかったLEDランタンづくりや、コンポストバッグづくり、植物ハントとたたき染めのWSなど、DIYやものづくりに自信のない方でも、楽しく手軽につくれるようなイベントだ。

牛と人と自然が穏やかに交差する場所「千葉ウシノヒロバ」。

ぜひキャンプや乳牛の育成、収穫体験などを通じて、日々の生活の延長線上にある何かを感じてみてはいかがだろう。

【参照サイト】千葉ウシノヒロバ 公式HP
【参照サイト】千葉ウシノヒロバ note
【関連ページ】小さな自分1人だけでも、世界を変えていこう。屋久島のリゾートが始めた学びの場「サステナブルカレッジ」

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。