Airbnbと新宿区は6月6日、「新宿区における住宅宿泊事業等の適正な運営及び健全な発展のための連携に関する協定」の締結式を、新宿区役所にて行った。
連携協定の主な内容は、「事業者の法令遵守の徹底の啓発」「事業者・宿泊者への災害対策に関する情報の提供」「観光情報・地域イベント情報の提供」「地域との相互理解の構築」の4点となっている。連携に基づき、Airbnbが民泊の事業者に情報提供を行い、法令遵守や地域との交流などを促す。さらに、民泊事業者を通して宿泊者や住民への情報提供も行うことで、宿泊者のマナーの向上や、相互の安全・安心の確保も狙う。この協定により、民泊事業の適正な運営や、近隣の生活環境悪化の防止などが期待される。
新宿区では、住宅宿泊事業法が施行された2018年6月時点で53件だった住宅宿泊事業施設数が、2019年5月31日時点で1,070件と急激に増えている。この数は、大阪市の2,281件、札幌市の1,780件(2019年5月15日時点)に次ぐ、全国3位の規模だ。
一方で、民泊に関する法令やルールは、2018年6月の住宅宿泊事業法の制定を皮切りに整備が始まったばかりで、民泊に関する苦情・トラブルも後を絶たない。区には「違法民泊の通報」「宿泊者のマナー違反(ごみ、騒音、たばこ)」「手続きの不備(標識の未設置、事前説明がなかったこと)」などの苦情が寄せられている。こうした状況を踏まえ、Airbnbと新宿区は、民泊事業をより健全な形で推進していくことができるよう、今回の連携協定の締結に至った。なお、Airbnbはすでに釜石市、大分県、熊本県、千葉市においても連携協定を締結している。
Airbnb共同創業者兼CSOのネイサン・ブレチャージク氏は「今後大きなイベントを控え、日本としても海外からの訪問客を2020年までに4000万人、2030年までに6000万人へと増やすという目標を掲げる中、われわれAirbnbが地域に信頼してもらえる形で支援をしていくことができると考えている」とコメントした。
また、吉住健一新宿区長は「今回の提携を通してまずはAirbnbが適正な事業者であるとの認識が広がり、他の事業者もそれに続いてもらえたらと思っている。地域の中で調和が取れるかたちでの民泊のより一層の普及を期待したい」と述べた。
今回の連携協定をきっかけに、健全な民泊があらためて日本各地で認知され、一層の普及、拡大につながることに期待がかかる。
【関連ページ】Airbnb(エアビーアンドビー)
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(Livhubニュース編集部)
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