米民泊サイト最大手のAirbnbは5月9日、スペインを代表する観光地のバルセロナにおける最新のデータを公開した。その内容は、あらためて同社が大きな経済効果をもたらしていることを示している。
同社によると、2016年にAirbnbのコミュニティはバルセロナにおいて10億ユーロ(約1234億円)以上の経済効果を生み出したという。この数値には、同都市の民泊ホストが得た収入と、ゲストによる地元での出費が含まれている。
2016年、バルセロナでは16,100人の民泊ホストが20,000件の物件を運営し、ホームシェアリングにより1億6,700万ユーロの収入を得たという。また、バルセロナがあるカタルーニャ自治州全体では経済効果は14億ユーロ、ホスト数は23,900、リスティング数は41,000件に上る。これらの数字を見ると、ホームシェアリングを通じて地域社会や地元企業、家庭に多くの経済的利益がもたらされていることが分かる。
バルセロナは、違法な民泊物件の増加による地元ホテルへの悪影響や住宅供給の悪化に対する懸念を受けて、昨年8月には同市が違法物件に対する取り締まりを強化する方針を公表していた(参照:Airbnb、スペインのバルセロナ、違法なホームシェアリングに対する取り締まり強化へ)。
それらの動きを受けて、Airbnbは今年4月からは最も混雑度が高いシウタベリャ地区において「One Host, One Home」ポリシーを適用し、ホストによるリスティング数を1つに制限したほか、バルセロナにおける自宅シェアとプロの事業者を特定、ホストからの徴税システムを導入するなど、バルセロナの地域社会との共生に向けて様々な取り組みを進めてきた(参照:Airbnb、民泊が問題化するバルセロナで新方針を発表。徴税にも関与へ)。
また、Airbnbはバルセロナのアウトバウンドのマーケットでも存在感を示しているという。バルセロナの市民は、旅行中に宿泊施設を探す際にAirbnbのプラットフォームを選択する人がますます増えており、2016年は前年比67%増加となる364,000人がAirbnbを利用して海外旅行をしたという。
【参照サイト】Airbnb community generated more than €1 billion in Barcelona in 2016
(Livhubニュース編集部)


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