JTBとAirbnb、まちなかでの手ぶら観光サービス実証事業を実施、訪日客周遊拡大へ

株式会社JTBは1月22日、世界最大手の民泊仲介サイトであるAirbnbと協力し、国土交通省から受託した「訪日外国人旅行者の利便性向上に向けた「まちなか」におけるICTを活用した手ぶら観光サービスの実証事業」において、都市部・観光地にあるファミリーマート6店舗で訪日客向けに手荷物配送サービスを実施することを公表した。

同事業では、JTBがパナソニック株式会社、ヤマト運輸と連携して提供する訪日客向けの多言語ICT手ぶら観光サービス「Luggage Free Travel(LFT)」の提供を通じて、オンライン事前予約・決済、配送状況のメール配信などを実施し、訪日客が使いやすい宅配サービスを提供する。また、成田、羽田、関西の各空港から、コンビニへの当日配送を実施することで、民泊サービス利用者などの手ぶら観光を推進する。また、コンビニでは手荷物受取のほか、あらかじめLFTで宅配便の発送予約をした訪日客が提示したQRコードを読み取ることで受付を簡略化する。

これらの取り組みにより、コンビニで手荷物受取・発送した訪日客の周遊や消費拡大を図る。具体的に、一部店舗での周辺観光地MAPや最寄りの観光案内所への誘導などを実施するほか、手ぶら観光に積極的に取り組むことで、利用者の購入額への影響等の効果検証を実施する。

事業における役割は、JTBが事業全体管理、ICT宅配サービスの提供、利用促進(プロモーション)、ニーズ調査、実証事業全体の効果検証を担い、Airbnbが実証事業を実施するコンビニ店舗周辺の住宅宿泊事業者・住宅宿泊管理事業者に対しての告知(モニター募集)を担う。

実証期間は1月22日(水)~2月29日(土)。国土交通省実証事業終了後も3月15日(日)まで継続して実施予定。実施場所はファミリーマート6店舗で、具体的に東京都の「新宿靖国通り店」「外神田一丁目店」「仲御徒町店」「浅草雷門通り店」、大阪府の「日本橋二丁目店」、京都府の「祇園白川店」。

配送区間は、羽田空港・成田空港からファミリーマート東京都内4店舗(当日便)、関西空港からファミリーマート大阪・京都内2店舗(当日便)、ファミリーマート6店舗から国内配送可能ホテル約12,000か所、全国11空港(新千歳、仙台、成田、羽田、中部、関西、広島、北九州、福岡、長崎、鹿児島)、ファミリーマート6店舗間の配送も可。

実証事業が行われる背景には、「訪日客が宅配便を利用する場合、日本人と同様に宅配伝票を記入する必要があり、さらに複雑な料金体系や到着日時の理解不足、荷物が届かなかった場合の連絡などの不安、現金でしか支払いができないケースが多いことなどから、宅配便を利用する訪日外国人旅行者は限定的であること」「民泊には荷受人がいない場合が多く、宅配便の配送先に指定できないこと」「コンビニにおいては、宅配便の受付対応に要する時間や訪日外国人旅行者の言語対応が困難であること」「結果として、スーツケースなど荷物を自分で運ぶ訪日外国人旅行者が多く、公共交通機関の混雑、周遊や消費機会の損失が起こっている」との課題があげられている。同事業の実施により、これらの課題を解消する継続的な取り組みにつながることが期待される。

【ウェブサイト】Luggage Free Travelとは?
【関連ページ】Airbnb(エアビーアンドビー)

(Livhubニュース編集部)

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