政府は3月10日、「民泊」のルールを定めた住宅宿泊事業法案(民泊新法案)を閣議決定した。これを受け、世界民泊最大手のAirbnbの日本支社である、Airbnb Japan株式会社代表取締役の田邉泰之氏が、以下の声明を発表した。
「この度の閣議決定を大変嬉しく思います。有休資産である空き家、空き部屋の活用により、多くの新たな機会を生み出されます。地域社会に配慮し、持続可能な形で、ホームシェアを含む短期賃貸が日本全国で普及するよう、引き続き日本政府や関係者の皆様と協働させていただく所存です。」
また、Airbnbは同日、一般社団法人RCF(以下:RCF)と観光促進を通じた地域の活性化を目指すパートナーシップを締結したことを公表した。
RCFは、東日本大震災を機に震災復興のための調査を行う団体として発足し、復興事業の立案・関係者間のコーディネーターとして多くの企業や行政、NPO等との連携を進めてきた。人口減を前提とした地方創生の取り組みが地域に求められる中、生産性の向上に意欲のある地域を支え、Airbnbとの連携により、持続可能な形でのコミュニティの形成を目指す。
具体的には、「短期賃貸」に注目し、地域住民を主体としたAirbnbホストコミュニティの形成を推進していく。
まず、実現の可能性がある地域を調査しながら、各地域の特色・ニーズを活かしたモデル作りを実施する。RCFはその地域でのホスト候補と連携し、地域として自立的にコミュニティを運営するための仕組み形成や推進のサポートを担う。
同連携において、RCF代表理事である藤沢烈氏は、以下のように述べた。
「RCFは東日本大震災を機に誕生した「社会事業コーディネーター」です。Airbnbが推進する短期賃貸はインバウンドの広がりに伴い、地域の個性やストーリーをしっかり観光客へアピールできる、地方観光の目指す姿のひとつと考えています。一方で、地域における短期賃貸の受け入れは、まだ体制的に十分ではありません。今回のパートナーシップにより、地方観光の新たなモデルづくりに取り組んでまいります。」
また、Airbnb Japan株式会社の公共政策担当部長である山本美香氏は以下のように述べた。
「RCFとの連携により、コミュニティ全体に短期賃貸の活用によってもたらされる利益が配分される仕組み作りから運用までを可能にする担い手を地域で見つけ、育てていける体制が整ったことを嬉しく思います。今後、RCFと協働し、既存の宿泊施設や地域観光の振興に携わる方々と協力しながら、その地域にあった短期賃貸の在り方を見出し、地域の観光をさらに盛り上げる一助となればと考えます。」
民泊新法案が施行されれば、「届け出制」へ変更となり、届け出さえすれば原則として民泊を運営することが可能となる。これまで民泊でカバーできなかった「短期宿泊」需要を補うことができるよう、今回の提携にみられるような取り組みが促進されることによる地方民泊への貢献が期待される。
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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