多拠点生活やノマド暮らしの第一歩!新しい土地に根を張るための4つのヒント

多拠点生活やノマド暮らし、ワーケーションなど、自宅やオフィスに縛られず移動しながら暮らすスタイルを選ぶ人が、政府による働き方改革の推進や、コロナ禍で働き方の見直しなどにより増えてきています。

前回執筆の記事「海外ノマド」暮らし実践者が教える、自分にピッタリな滞在先に出合うための6つのヒントでは、ノマド生活をする際に自分に合った国や地域を見つけるためのTipsを紹介しました。

今回は、新しく暮らし始める土地で心地よい居場所、コミュニティをつくるためのヒントを4つ紹介します。

1. ゆったり過ごせる住処を見つける


多拠点生活やノマド暮らしなど、拠点を移して新しく暮らしを始めるなら、気持ちにゆとりをもって過ごせる安定した住処作りが大切に。そのために必要な快適な滞在先の探し方を紹介します。

◆国内の場合

日本で最近注目を集めているのが、「ADDress」や「Half」、「Living Anywhere Commons」などのホテルや住まいのサブスクリプションサービス。国内外の複数地域に彼らが契約ないしは運営するホテルやアコモデーションが複数あり、プランに応じて自由にその中から選んで宿泊することができます。

今の自分と相性のいい地域がどこなのかまだわからない、複数の場所が気になる場合におすすめのサービスです。ただリーズナブルな値段設定のプランは、長期滞在ができないことがほとんど。短期で色々な地を訪れ、腰を落ち着ける場所を見つけるのに活用してみてはいかがでしょうか。

住みたい町が決まっていてある程度長期で滞在したいなら、「シェアハウス」や「マンスリーマンション」のキーワードで検索をかけてみて。契約期間が2年と長い一般的な賃貸条件とは異なり、少し割高にはなりますが短期の入居ができるのが強みです。

【ADDress詳細】ADDress
【Half詳細】HafH
【Living Anywhere Commons詳細】Living Anywhere Commons

◆国外の場合

日本以外をひとつにまとめることは難しく、国によって探し方は異なりますが、最初の数週間、1ヶ月程度であれば始め方はほとんど同じ。今回は事例として筆者がタイでのノマド生活において実践した拠点探しの方法を紹介します。

地域のコミュニティが充実「Facebook」

ノマド経験者と話していると、「Facebook」がよく話題に上がります。デジタルノマドのコミュニティはもちろん、物を売ったり買ったりできる掲示板、そして賃貸情報などが掲載されているグループも少なくありません。そういったコミュニティでは、不動産サイトに載らない情報や、そうしたサイトに出る前の情報もあるので、ぜひ行きたい地域に関連するFacebookページを登録しておきましょう。

割高でも快適な滞在なら「Airbnb」

現在191ヶ国、世界中行きたい国はほぼ網羅している「Airbnb」はマスト!

民泊のAirbnbは、個人の別荘やコンドミニアムを使わせてもらう仕組みのため、現地の人の暮らしぶりが垣間見えるのがメリット。写真や滞在者のレビュー、そしてホストとのやり取りを基準に選ぶといいでしょう。もちろん国内でも活用できます。

ただ清掃料や手数料が引かれるため、割高感は否めません…。お得に滞在するなら一週間以上、もしくは28日以上で予約するのをおすすめします。割引が適応され、現地でアパートを借りる予算に、少しプラスする金額で素敵なコンドミニアムやアパートに暮らせる可能性も!

【公式サイト】Airbnb

短期から長期まで!ホテル予約サイト

数週間程度の滞在なら「Agoda」や「Booking.com」などホテル予約サイトの利用もおすすめです。その日の特別セールがあったり、連泊すると安くなるクーポンが出たりと料金はかなり流動的ですが、連泊数に応じて割引が適用される施設もあります。

また28日以上連泊する場合の割引適応もありますが、これも施設により異なります。気になる宿やアパートが見つかれば、28日以上のスケジュールで検索をかけて確認してくださいね。

【関連記事】国内・海外旅行予約サイト(OTA)おすすめ15選、特徴や強みを徹底解説!

ウィークリーやマンスリーで借りられるアパート

「Apartment」「Weekly/Monthly」といったキーワードを入れて検索すると、各地域で週単位・月単位で借りられるアパートの情報がまとまったプラットフォームがでてきます。

私がタイ滞在時に活用したのは、「RentHub(レントハブ)」というサービス。バンコクやチェンマイなど、外国人の多い地域の件数が充実しています。タイというお国柄もあると思いますし、人気の物件は争奪戦のため、先方とのメールでのやり取りをするより、もし遠方でなければまず現地へ行ってしまってもいいでしょう。事務所などで部屋を探している旨を伝えると、そのまま内見させてもらえるチャンスもあります。同サイトを見て来た件を伝えると、特典がつくこともあるので忘れずに。スタッフの対応やその土地の雰囲気もわかるのでおすすめの方法です。

画像出典:Renthub

【公式サイト】RentHub

2. 部屋選びはこの条件で


海外ノマドのあいだでは、数ヶ月単位でサービスアパートメントやコンドミニアムを借りるスタイルが主流なので、それを前提に部屋選びの条件を挙げていきます。タイでは家具付きの物件が多いので、荷物ひとつで入居できるのもメリットです。

今回、筆者がチェンマイで部屋を借りる際に確認、重要視したポイントは下記です。

・立地(治安、生活に必要なものが手に入るかどうか)
・一ヶ月にかかる合計金額(インターネット、水・電気代など)
・入室時の印象
・部屋の隣人、入居者の印象
・退去時にかかる金額(掃除費など)


タイのアパートメント暮らし、家賃自体は数万円からとリーズナブルですが、水と電気代は別。特に電気は使った分請求されるところが多いので、事前に確認しましょう。また高級なコンドミニアムでは含まれることが多いですが、筆者が借りている部屋ではインターネットは別料金です。入居時と退去時、そして一ヶ月におよそどのくらいかかるのかをざっと計算しておくといいですね。

金額以上に重要視したいのは、直感です。まずそのアパートメントを訪ねたときの周辺の環境や印象、そして入室時に瞬間に感じる感覚はどうか。もしジメジメした暗い感じがするならいくら安価でもやめておいた方が賢明です。
また対応してくれる人との相性も大切。入居中に何かあったとき、頼りになりそうか、相談できる環境かどうかもみておきましょう。また隣人やほかの入居者の印象も、内見の際に一言質問しています。

想像力を生かして、心地いい滞在ができるかどうかを基準に、選びましょう。

3. 「いつもの場所」を作る

著者がノマド中のチェンマイで、毎週通っているマーケット

多拠点生活やノマド暮らしだけでなく、旅においても言えることですが、「いつもの場所」を作ることはその地に心地よく暮らし、根付くための重要なカギになります。

例えばレストランやカフェはなるべく最初に訪れる数件を、ローテーションして通うようにしてみてください。今ではオンラインであらかじめレビューで確認もできますし、それらも含めて気になる店を訪れることでより好みの一軒に出合う確率は高まります。ほかにも洋服屋や雑貨屋など、趣味に関連する場所には頻繁に足を運んでみるといいでしょう。

こういったマーケットでは作り手(生産者)とコミュニケーションできるのがいい

スタッフが顔を覚えてくれるようになれば、地域の情報を聞けたり、知り合いができることも。私は職業柄もありますがつい色々と質問してしまうので、覚えてもらいやすいのかも?気になることは気軽に話しかけてみましょう。

4. 胃袋をハッピーに満たす場所をひとつでも見つける

近場のヴィーガン食堂。安くてなにより人柄に惹かれて通っている

アジア圏では外食が基本。キッチンのないアパートも多く、そのため食堂や屋台も多いのが特徴です。できれば朝食ならここ、ランチならここ、また現地料理ならここ、和食ならここという風に、それぞれのカテゴリーで自分のお気に入りを決めておくと便利。特にヴィーガンのように志向がある場合は、選択肢自体が少ないのであらかじめ調べて決めておくことをおすすめします。

胃袋をハッピーに満たすお店選びのこだわりポイントは2つ。適度ににぎわっていることと、スタッフの対応のよさです。

美味しい人気店はたまにならいいですが、いつも行列ができていたり、待ち時間が長いとすぐ食事ができないことも多いので日常使いとしてはあまりおすすめしません。適度に混雑している店は、美味しいのはもちろん、回転も速いため食材も新鮮なのが嬉しいですね。

そしてスタッフの対応も外せない要素。「不愛想な店主の出す絶品料理」にも惹かれるものがありますが、その土地のキッチンの代わりとしてリストに入れるなら、気持ちのいいやり取りは大前提!多少待っても、味付けが薄くても、笑顔が交わせるだけで満足度はアップします。

多拠点生活やノマド生活などをする際に「心地のいい居場所づくり」をするためのヒントを4つ紹介しました。
快適に安心して暮らせる拠点あっての、ノマドライフです。最初は少し面倒なことも多いですが、この手順を丁寧にするほど後々の暮らしが心地いいものになるはず!ぜひ実践してみてくださいね。

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mia

旅するように暮らす自然派ライター|バックパックに暮らしの全てを詰め込み世界一周。4年に渡る旅の後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。移動の多い人生で、気付けばゆるめのミニマリストになっていました。ライターとして旅行誌や情報誌、WEBマガジンで執筆。経験をもとに、旅をちょっぴりエコにするヒントをお届けします。