「海外ノマド」暮らし実践者が教える、自分にピッタリな滞在先に出合うための6つのヒント

ノマドの滞在先

「ノマド」という言葉を聞いて、どんな情景を思い浮かべるでしょうか?

もともとノマドとは放浪する人、という意味合いの言葉ですが、今では、場所を選ばない働き方をする人、つまり身軽に拠点を移しながら働く人たちを称して「ノマド」と呼ぶようになっています。

今回は海外ノマドとして、滞在先となる国や場所を選ぶ際に活用したい6つのポイントを、現在タイのチェンマイにてノマド暮らし中の筆者がお伝えします。

1. 無条件に好きな町

ノマドの滞在先

筆者の「好き」のひとつ、自然豊かな海辺の町にもいつか…!

行き先を選ぶときに、まず重要視したいのが「好き」という感覚です。

地名を聞いたときに心が躍る、自分がその町にいることを想像すると表情がゆるむなど、その場所が無条件に好きであることが大前提。いくら仕事がベースのノマドとはいえ、異国の人や文化に触れるのですから、五感で体験するものが好ましいほど日々がより豊かになります。

好きで選ぶ分、期待値が上がり滞在中にがっかりすることもありますが、海外に行くとどの場所であっても多かれ少なれ落胆することは起きるもの。それでも「好きで選んだ」のであればネガティブな出来事も受け入れやすい。だからこそ、まずは純粋な気持ちを基準にすることをおすすめします。

2. 今の収入に見合った生活レベル

ノマドの滞在先

タイのクラビでほぼ毎日通ったお粥屋さん

国内外にかかわりませんが、特に海外ノマドをする際に気をつけておきたいのが、現在の収入に合った生活レベルであること。

世界は広く、生活水準もさまざま。例えば食生活を例に出すと、私が今いるタイであればおかゆと飲茶を2点つけた朝食が80バーツ(約305円)ですが、かつて住んでいたオーストラリアの一般的な朝食だとコーヒーをつけて25ドル(約2,000円)以上します。

フリーランスやリモートワーカーとして現在の収入を考慮し、自分にとってバランスのよい生活レベルの土地からノマド暮らしをスタートするのがおすすめです。毎月の収入から生活費をねん出できる場所であれば、今すぐにでも旅立つことができます。

3. ライフスタイルが合う土地

ノマドの滞在先

チェンマイで毎週開かれるエシカルなJJマーケット。一日中過ごせる!

生活水準とも少し似ていますが、ライフスタイルが自分に合っている土地であることも重要です。例えば、人との温かいつながりを持ちながら暮らすのを好むのであれば、都会より適度な田舎を選ぶ方が、望む人間関係がつくりやすい。

私の例ですが、タイのなかでもチェンマイを滞在先に選んだのは、毎週開かれるオーガニックマーケット、自然派ショップやカフェの多さから、人々の意識と私の価値観が沿うのでは、と期待してのことでした。実際に滞在してみて、他のタイの町と比べて好みのショップや商品の多さ、食生活の選択肢の多さから、数週間ですでに来てよかったと感じています。

今ではネットでもたくさん情報が出ていますし、一般的な情報から個人の志向に関する情報までリサーチしてみるといいと思います。

4. ネット環境と快適な暮らしが整っている

ノマドの滞在先

タイでは田舎町でもホテルのWi-Fiが使える

デジタルノマドとして必要不可欠なのが、ネット環境です。仕事の大半がインターネットを介して行うため、そのスピード感と安定性は重視しすぎることはありません。アパートやコンドミニアムなど宿のネット環境、作業ができるカフェの確保は大前提。そうした選択が比較的簡単にできる国や地域を選びましょう。

ノマドは旅とは異なり仕事と生活をする「いつもの暮らし」を訪れた土地で営みます。だからこそ、ちゃんと「いつもの暮らし」をするための準備は、仕事のパフォーマンス力を高めるためにも必須。例えば満足のいく食生活、リーズナブルで快適な移動手段、月契約できる滞在先など、こうしたインフラが揃っていることがとても大切です。

5. 治安のいい場所

ノマドの滞在先

治安のよさは滞在先を決める大きなカギ

世界トップクラスに平和な日本に暮らす私たち。海外においては、一歩外に出ると、予期せぬことは「起きる」と念頭に置いておくことが、危機を察知し避けるカギになります。

世界の情勢は外務省「海外安全ホームページ」から、またよりタイムリーな情報はSNSからチェックすることも可能です。ただSNSなどネット上の情報は鵜吞みにはせず、その情報をベースにソース(第一情報)を探し自分で確認するといいでしょう。

外務省「海外安全ホームページ」

また国によっては性別や民族、宗教、性的指向、政治的意見などアイデンティティに起因してトラブルが起きる可能性も。あらかじめリサーチし、知識として知っておくだけで安全性がぐんと高まります。とはいえ、海外ノマドが多く集うようなエリアでは、そうそう危険なことは起こらないのもまた事実。そこまで心配しすぎなくても大丈夫ですよ。

6. 友人や友人候補がいる

ノマドの滞在先

タイ在30年の友人に連れてきてもらった隠れたスポット

新しい土地で新しい暮らしを始めるのは楽しみでもあり、どのように自分のコミュニティを構築していくのか一抹の不安がある人もいるでしょう。

そんなときは「すでに知っている友人がいる土地を選ぶ」という手もあります。もし思い浮かぶ友人のなかにいなかったとしても、今は知り合いの一人や二人くらいは「友人が海外に住んでいて」という人がいる時代。仲良しの友人の友人であれば、仲良くなれる可能性も高いはず!SNSなどで、誰か海外に澄んでいる友人がいないか聞いてみるのもおすすめです。

それでも誰もいなかったとしたら、思い切って一人で行ってしまいましょう!初めて行く地でひとりでも大丈夫。毎日通う食堂、カフェ、スーパーなどで顔なじみになると、プライベートなことまで話すようになったり、気が合えば友人になることも多々あります。

また今では世界広しといえども、どこにいっても世界から集まる日本人やノマドを見つけることができます。オンライン上のノマドコミュニティや、自分が関心のあるコミュニティの活動が盛んな土地を目指すのも一案です。

自分にピッタリの海外ノマド拠点探しのヒントを、6つ紹介しました。

最低限、快適で心地いいベースができていると、そこからはじめるノマド暮らしはさらに豊かなものになること間違いなし。行き先選びに迷っている、よりいい場所を探しているなら、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【参照サイト】Nomad List
【関連記事】働きたいように働ける社会のために、ワーケーションができること
【関連記事】NFTを用いてリジェネラティブシティの構築を目指す。デジタルノマドコミュニティ「Kift」の取り組み

The following two tabs change content below.

mia

旅するように暮らす自然派ライター|バックパックに暮らしの全てを詰め込み世界一周。4年に渡る旅の後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。移動の多い人生で、気付けばゆるめのミニマリストになっていました。ライターとして旅行誌や情報誌、WEBマガジンで執筆。経験をもとに、旅をちょっぴりエコにするヒントをお届けします。