経済産業省は1月7日、日本提案によりシェアリングエコノミーに関する国際標準化の技術委員会の設立が、国際標準化機構(以下、ISO)にて承認されたことを公表した。今後は6月頃に同プロジェクト委員会の第1回国際会議を日本で開催し、日本主導で国際規格開発を開始する。なお開発にあたっては、日本は国際議長と幹事を輩出して国際規格開発を主導するとともに、日本規格協会(以下、JSA)がシェアリングエコノミー協会等の協力のもと、国内審議団体の中核を担って進めていくとしている。
これまでの経緯として、内閣官房主催の「シェアリングエコノミー検討会議」で、シェアリングエコノミー協会をはじめとする業界団体、有識者、関係省庁が連携し、シェアリングエコノミー普及推進に向けた議論が進められてきた。2016年11月にはプラットフォーム事業者が遵守すべき事項を規定した「モデルガイドライン」が策定され、2017年6月からは、同協会により、ガイドラインを踏まえた審査制度「シェアリングエコノミー認証制度」が運用されている。
2017年3月にはISOのシェアリングエコノミーのワークショップや、太平洋地域標準会議(PASC)、北東アジア標準協力フォーラム(NEAS Forum)、欧州主要標準化機関との意見交換などにおいて、日本におけるガイドラインや認証制度の活用状況を説明するとともに、国際基準の設置に向けた協力を各国に呼びかけてきた。こうした取り組みにより、カナダ、フランス、ドイツ、韓国、シンガポール等から積極的な賛同を得ることがき、今回各国の賛同を得ることとなった。
また、経済産業省は今回の取り組みの背景として、シェアリングエコノミーの市場が世界的に拡大を続けるなか、取引に際し、利用者が個人の提供するサービスの安全性や信頼性に不安を感じる場合があることを挙げた。そして、プラットフォームを運営する事業者には、適切な本人確認や苦情対応、トラブル対応など、利用者と提供者双方の安全性や信頼性を高める仕組みの整備が求められており、国際的なルールづくりとして、シェアリングエコノミーの国際標準化の必要性が高まっていると言及した。
技術委員会は、日本国内でのシェアリングエコノミー認証制度で培ったノウハウをベースに、世界における整備に向けて活動していく方針だ。
【参照ページ】日本提案によりシェアリングエコノミーに関する国際標準化の技術委員会の設立が承認されました (METI/経済産業省)
【参照ページ】シェアエコ国際標準化、ISO技術委員会の設立が承認 | シェアリングエコノミー協会
(Livhubニュース編集部)
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