和歌山県は1月12日、6月に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)に関する条例案を公表した。県は区域による営業日等の制限は設けず、民泊事業者の営業・管理体制を中心としたルールを5項目に分けて記載した。
1つめの項目では、民泊事業者や管理業者に対し、民泊営業の基盤となる5つのルールを定めた。同項目では設備や備品等を清潔に保ち、衛生管理に関する講習会を受講する「宿泊者の衛生の確保」、届出前に建物の所在地を管轄する消防署等に確認し、保険等に加入するよう努める「宿泊者の安全の確保」、外国語を用いて設備等を案内する書面を設置する「外国人宿泊者の快適性および利便性の確保」、原則対面でゲスト全員の本人確認を行う「宿泊名簿の作成および本人確認」、騒音やゴミ出し、火災防止に関する事項を説明する「周辺地域の生活環境への配慮」、共同住宅の場合に徒歩10分以内の範囲に常駐し、トラブルに対処する「苦情等への対応」、公衆が民泊施設を認識するため「標識の掲示」を求めた。
続いて2つめは、民泊営業を始める前に上記のルールを満たしている事業計画を明示し、自治会、町内会、その他の地域住民の組織する団体に対して事前説明を行うこと。3つめは周辺住民の反対がないことの確認、4つめは事業の届出、5つめは事業者がルール違反した場合に法の規定にもとづいた措置をとるというものだ。
和歌山県は、民泊新法には抽象的な表現が多く法的安定性に欠ける点、区域および営業日数の制限では地域性を十分に考慮した制度づくりが望めない点、家主不在型の場合に事業者のトラブル対応が遅延する可能性があり事業者の管理責任が問われる点等、独自に新法の課題点を挙げ、それぞれに対応する形で今回のルール案を策定した。
県は、今回の案に対するパブリックコメントを1月26日(金)まで募集しており、県民からの意見を参考に取りまとめた最終条例案を県議会に提出する予定だ。
【参照ページ】「(仮称)和歌山県住宅宿泊事業法実施条例」(案)の概要に係る県民の皆様のご意見を募集します。
【関連ページ】和歌山県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhub編集部)
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