東京都中野区の田中区長は12月14日、記者会見し、民泊条例案を公表した。今回の条例案について、12月21日(木)から2018年1月10日(水)の期間でパブリックコメントを募集する。
中野区は11月22日に条例の素案を公表したが、今回は一部の内容を改変し発表した。
まず、営業日数の規制内容は変わらず、住居専用地域(都市計画法に定める第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域)での民泊営業は月曜日の正午から金曜日の正午まで(国民の祝日の正午から翌日の正午まで除く)を禁止する。なお、現在区内には第二種低層住居専用地域はないが、規制区域は中野区内の広範な地域に及ぶ。民泊新法では民泊営業を年間180日までとするが、中野区では年間上限160日から170日となる。
民泊事業を行う際は、近隣住民への事前周知も必要だ。家主居住型の場合は近隣住民に知らせ、家主不在型の場合は近隣住民への周知にくわえ最寄りの区施設における事業説明会の開催を求める。
また、今回の条例案では「対面による本人確認等」が加わった。住居専用地域では、事業者等は民泊ゲストと対面により身分証明書等と照合して本人確認をすることが必須となる。また、民泊ゲストが外国人旅行者(日本国内に住所を有する外国人を除く)である場合には旅券の写しをとったうえで宿泊者名簿とともに保管する。
さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック時の状況を見て内容を改変できるよう「条例の見直し」の項目も追記された。
今回の条例案では、11月22日の意見交換会後に公表された「ただし、鉄道の駅の出口から一定の範囲は、住居専用地域であってもこの制限の対象から除く。」の部分が削除された。地域活性化を図るため交通利便性が高い駅周辺は住居専用地域であっても制限しないとしていたが、鉄道の路線や駅によって周辺地域の状況が大きく異なることから個別に検討する必要があると判断。上記を削除し、住居専用地域全体を制限することとした。
中野区は、中野ブロードウェイや商店街、哲学堂公園などの街歩きをとおし、日常体験やオタク文化、区民との交流といったディープな観光コンテンツを地域に根づかせ、住宅宿泊事業と地域活性化に結びつけたいとしている。近年、観光地めぐりやおみやげの購入といった定番の観光スタイルではなく、日本文化を体験し肌で感じることができる観光スタイルの需要が高まっており、さらなる民泊ニーズの拡大が予想される。
募集したパブリックコメントは条例案に反映した後、2018年2月の中野区議会第1回定例会で条例案を提出する予定だ。
【参照ページ】区長記者会見資料
【関連ページ】中野区、駅周辺を除く住居専用地域は平日の民泊を規制へ
(Livhubニュース編集部)
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