台東区議会は3月29日、東京都台東区旅館業法施行条例を一部改正し、4月1日から開始予定の規制緩和に備え、同区内における民泊運用に歯止めをかける案を可決した。営業者の遵守事項(条例第6条第1項第5号)において「営業施設には、適正な運営を行うため、営業時間中に営業従事者を常駐させること。」という項目を、簡易宿所営業の施設の構造設備の基準(条例第9条第1項第6号)において「宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。」という項目をそれぞれ追加し、4月1日から条例を施行する。
民泊をめぐっては、政府が4月1日から規制を緩和し、民泊を旅館業法の簡易宿所と位置づけ、客室面積の制限やフロントの設置義務などを一部免除する予定だ。台東区はこの政府の規制緩和を時期尚早と判断し、独自の条件を設けた。「営業時間中に営業従事者を常駐」「玄関帳場その他これに類する設備を有する」といった条件を課すことで、同区内では事実上、ワンルームや一軒家を利用した民泊運用はできなくなる。
台東区は浅草寺や上野公園、上野動物園、東京国立博物館など外国人観光客から人気の観光スポットを数多く擁しており、区の公表データによると平成26年の観光客数は年間4,500万人、外国人観光客も526万人に達したとのことだ。東京を代表する観光エリアの台東区が民泊に慎重な姿勢を見せたことが、今後、他の区にどのような影響を与えるのか。引き続き動向から目が離せない。
【参照リリース】東京都台東区旅館業法施行条例の一部改正について
【関連ページ】東京都台東区の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhub ニュース編集部)
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