政府、民泊含むシェアリングエコノミーへの課税を検討。仲介業者に取引情報開示も義務付けか

モノやサービスを有料で貸し借りして使うシェアリングエコノミー(共有型経済)をめぐる課税漏れについて政府が対策の検討に入ったと9月7日、各紙が報じた。今月下旬に開かれる政府税制調査会で議論を始め、仲介業者に取引情報の提供を義務づけるなどの対策を検討し、来年度以降の税制改正に反映したい考えだ。

シェアリングエコノミーには、旅行者に空き部屋などを貸し出す民泊のAirbnbや、個人が自分の車で客を運ぶUber(ウーバー)、洋服などをネットに出品して売買するメルカリなどがある。ウーバーは、ライドシェアリング(相乗り)事業として世界中で広がりをみせており、日本での解禁も検討されている。

利用者は個人間で取引して、業者はそれを仲介する仕組みのため、そこで得た所得を税務当局が正確に把握できない。さらに、仲介業者の事業拠点が海外にあれば、法人税などの課税も難しい。民泊の場合、複数の仲介サイトに登録することが一般的であるため、さらに複雑となる。

個人が副業として稼いだお金は原則年間20万円超なら所得税がかかり、確定申告が必要だ。さらに年間1千万円超なら消費税の納付義務も生じる。シェアリングエコノミーのような新ビジネスを税制が想定していないため課税のルールが分かりづらく、確定申告しないケースも多いとみられている。

国際会計事務所PwCは、2013年に約150億ドル(約1.6兆円)だったシェアリングエコノミーの市場規模が25年には約3,350億ドル(約36.5兆円)に拡大すると試算している。

6月には東京や大阪など一部地域に限っていた民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立し、仲介業者を登録制にするなど法整備も進んでいるが、税制面のルールが追い付いていない。政府は海外の事例も参考に、課税強化を急ぐ考えだ。

【参照ページ】「シェアリングエコノミー」をめぐる課税漏れ対策、政府が検討へ 税制改正の焦点に
【参照ページ】メルカリ・民泊など課税強化へ 仲介業者の報告義務化

(Livhubニュース編集部 平井 真理)

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Livhub 編集部

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