政府は3月7日、「旅館業法の一部を改正する法律案」(以下:旅館業法改正案)を閣議決定したとトラベルビジョンが同日に報じた。
旅館業法改正案は厚生労働省と観光庁による「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の最終報告書や、内閣府の「規制改革推進会議」での議論などを経て作成され、罰則の強化や営業許可に関して変更がなされた。
まず、罰則の強化について、罰金額の上限が引き上げられた。無許可営業者や、都道府県の許可取消や営業停止命令に違反した者などに課す罰金額の上限が、現行の3万円から100万円へと引き上げられる。
さらに、都道府県知事による立ち入り検査の対象は、「営業許可のある業者」のみであったが、「無許可業者」にも拡大し、緊急の必要があれば営業停止措置を命じることができるとした。都道府県知事による立入検査の拒否、虚偽の報告、宿泊者名簿の不備などがあった場合に対する罰金額の上限も、現行の2万円から50万円に引き上げられる。
このほか、ホテルと旅館の営業許可が一本化される。旅館業法の第2条で「ホテル営業」「旅館営業」と分けていた営業種別を「旅館・ホテル営業」に統合し、民泊との区分を明確化する。
民泊における罰金の引き上げに関しては、2016年6月の「民泊のサービスのあり方に関する検討会」にて検討され、今年2月に最終調整に入っていた。罰金引き上げの要因となっているのは、「無許可営業のまん延」だ。先日、厚生労働省が公表した「民泊の実態調査」によれば、営業許可を得ていたのは2,505件(16.5%)であり、4,624件(30.6%)は無許可だった。残りの7,998件(52.9%)に関しては物件の特定ができない等の理由で調査が断念された(関連記事:厚生労働省、「全国民泊実態調査」の結果を公表。)。
法案は3月中に通常国会に提出される予定だ。営業日数などを制限した上で旅館業法より緩やかな規制を適用する住宅宿泊事業法(民泊新法)においても、同様の罰則が盛り込まれる。
【参照ページ】政府、旅館業法改正案を閣議決定、罰金上限大幅上げ
【参照ページ】旅館業簡易宿所営業とは?
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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