Airbnbは11月20日、独自のゲスト動向調査により、人気の観光都市以外の地域を訪れる人の数が急激に増えていることがわかったと発表した。
調査によると、大型イベントへの参加を目的とし、過去1年間にアジア太平洋地域(オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、韓国、香港、台湾、中国本土、日本、インド、スリランカなど)の大都市圏外に訪れたAirbnbゲストは25万人以上となり、イベント開催地でのホストの収入は約24億円にのぼった。また、2018年には前年比70%増となる1,200万人がアジア太平洋地域の人気観光スポット外の宿泊施設を利用した。なお、Airbnbのアジア太平洋地域の人気観光スポット以外の宿泊施設は50万件近くとなっている。
Airbnbアジア太平洋地域公共政策担当ディレクターのブレント・トーマス氏によると、アジア太平洋地域において中小都市が主催する大型イベントが多く開催されていることもこれらの実績を後押ししている。例えば、先日、日本で開催されたラグビーワールドカップ2019では、熊本県で前年同期比約176%、大分県で同100%の宿泊利用者数の増加を記録した。また、同大会の開催期間中、全国でAirbnbを利用した宿泊者数は前年同期比約1.5倍の65万人、12開催地では2倍以上となる110%増の37万人だったほか、ホストの収入も全国で前年同期比約1.5倍、12開催地では2倍以上となる108%増となった。
Airbnbは、日本では、かねて地方自治体や観光協会とともに、大型イベントを地域活性化につなげる取り組みを実施してきた。ラグビーワールドカップ2019の前にも、東日本大震災で被災した釜石市と持続可能な観光振興のための覚書を締結するなどし、ホームシェアリングを通じて、人が主役の地域活性に貢献している。
そして、アジア太平洋地域では、オーストラリア、中国、韓国、インドにおいて、オーバーツーリズムの課題を抱える人気観光地からそれ以外の土地に人の流れを分散する地方活性化事業を進めている。
例えば、オーストラリアでは2019年6月に景気と観光事業が低迷している小さな町や村に国内観光客の流入を促す「カントリーパブプロジェクト」を開始した。同プロジェクトでは、古くから地域の社交場となっていたカントリーパブを宿泊施設に改装する費用として、パブ計5軒に各5万米ドルの補助金を用意し、9,000件の応募があった。
さらに、中国では、桂林市にあるジンジャン村と2年間の事業提携を締結し、伝統の高床式住居を著名建築家が再デザインし、6つのホームステイ先を整備した。これらの物件は、開設1年で、10以上の国・地域のゲストから計455泊の宿泊があり、経済波及効果は21万人民元(約330万円)以上だった。
加えて、タイでは、スポーツ観光新名所ブリラムにおいて、タイ政府観光庁観光・スポーツ省とホームステイの提供元「B-STAY」と提携することで、2018年と2019年のタイMotoGPのレース期間中の臨時宿泊施設の確保を支援した。
そのほか、韓国では、江原道の港町・三陟(サムチョク)市と提携し、自転車ロードレース「Around Samcheok Trek Ride」フェスティバルのプロモーションを実施、また、10月には慶尚南道河東(ハドン)郡と覚書を締結し、河東の素朴な田舎の魅力と伝統家屋を紹介するPRキャンペーンを共同で実施している。
Airbnbは、今後も、地方自治体や観光協会と協力し、空き部屋や個人の専門スキルを世界中のゲストとシェアするホスピタリティ精神にあふれる起業家の増加を推進するとともに、旅先での体験をさらに身近にする取り組みを継続する方針だ。
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(Livhubニュース編集部)
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