一般住宅に有料で客を泊める「民泊」の営業基準を定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月9日に国会で成立したことを受け、長野県の阿部守一知事は6月28日、「民泊の実施期間を制限する条例制定などの検討を行いたい」と述べ、施行後に民泊が増えた場合に県内の宿泊施設の経営に影響が出ないよう配慮する方針であることを、毎日新聞が6月29日付けで報じた。
住宅宿泊事業法(民泊新法)では、民泊営業の上限が年間180日以内と定められるが、地域の実情に合わせ、自治体が条例で引き下げることが可能である。
観光庁の宿泊旅行統計調査(2016年、年間速報値)によると、旅館やホテルなど、長野県内の宿泊施設の客室稼働率は35.5%(全国60.0%)で全国最低。新法成立にあたり、既存施設の経営がさらに圧迫されないか、懸念する声が上がっている。首都圏等では宿泊施設が不足する中、長野県のキャパシティーには余裕があり、国が全国レベルの対応を求める中、県がどのような対応をしていくのか、注目されていた。
軽井沢町においては善良なる風俗の維持と別荘文化を保全する観点から民泊を町全域で一切認めない方針を示している。その一方で伊那市の「農家民泊」が、修学旅行生だけでなく中国人などの外国人観光客に人気が高まっており、2016年の外国人の受け入れは78団体の約1,900人であった。
阿部知事は住宅宿泊事業法(民泊新法)について、「私自身もいくつかの不安、懸念を感じていた。マイナスの影響が極力生じないように努めたい」と述べた。
【参照ページ】実施期間の制限条例検討へ 県、新法成立受け /長野
【関連ページ】長野県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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