コンテナ建築事業を手掛け、国内26か所でホテルを運営する株式会社デベロップは、岡山県津山市にコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard 津山」を8月にオープンする。
同社が運営するコンテナホテル「ザ・ヤード」シリーズは、東日本大震災の経験をふまえて開発された“動くホテル”だ。コンテナ1つを1棟1客室として地上に並べる構造とし、コンテナごと移動することができる。社会環境や需要の変化に応じた客室数の増減や店舗の移設などが容易になるだけでなく、隣の音が気にならないなどホテルとしての快適さも実現している。
現在、栃木県を中心に、群馬県、千葉県、茨城県、愛知県など23店舗を運営している。今回新たに開業する「HOTEL R9 The Yard 津山」は、中国地方を横断する中国自動車道の院庄ICよりほど近く、観光・ビジネスの拠点としての活用のほか、西日本への迅速なレスキューホテルの出動が可能となることから期待が寄せられている。なお、2021年の開業が決定しているホテルもあり、津山店は27店目となる。
レスキューホテルは、宿泊施設として初めてフェーズフリー認証を取得している。フェーズフリーとは、日常時と非常時のどちらにおいても役に立つこと、またそのような商品やサービスのことをいう。つまり、レスキューホテルがあることで、災害に強い社会をつくり、未来の命や暮らしを守ることにつながる。
誕生の経緯は、2011年の東日本大震災の際、現地での避難所生活や仮設住居建設の暮らしに大きな課題を感じた同社の経験に基づく。その後、宮城県石巻市で復興従事者用宿泊施設として利用されたコンテナを栃木県佐野市に移設し、「ザ・ヤード」シリーズの先駆けとして2017年10月に「HOTEL R9 SANOFUJIOKA」をオープン。その開発や運営経験を活かし、2018年12月、移設性に特化したコンテナホテル「ザ・ヤード」シリーズ1号店を栃木県真岡市に開業した。現在では、40の自治体がレスキューホテル出動要請のための協定を締結するなど、連携の輪を広げている。
2020年4月には、長崎クルーズ船内における新型コロナウイルス感染拡大対策としてレスキューホテルを出動させ、その迅速な配備や快適さなどが政府・自治体関係者などに評価された。また、2020年6月には、東京都三鷹市と東京都千代田区へPCR検査体制強化のために出動し、現在も診療活動や医療従事者の休憩所として活用されている。
2021年8月開業の「HOTEL R9 The Yard 津山」は、13㎡のダブルルーム27室と、13㎡のツインルームを6室を備える。1泊の料金は、ダブルルーム1名5,000円~・2名7,000円~、ツインルーム1名5,000円~・2名8,000円~。室内にはこだわりのベッドやマッサージチェア、冷凍冷蔵庫、電子レンジ、空気清浄機などを完備しており、ビジネス利用や観光の拠点として適している。
同ホテルはレスキューホテルとしての活用も期待される。今後もデベロップのコンテナホテル「ザ・ヤード」シリーズに注目だ。
【ウェブサイト】HOTEL R9 The Yard 津山
【ウェブサイト】ザ・ヤードシリーズ
【ウェブサイト】レスキューホテル
【ウェブサイト】株式会社デベロップ
(Livhubニュース編集部)
明田川蘭
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