民泊新法制定に向けた議論が進められるなか、兵庫県は8月22日、政府に対して「民泊サービス」をめぐる早急な法整備を求める提案書を提出した。
公表した提案書の中で、兵庫県は訪日外国人旅行客の増加を踏まえた民泊サービス事業者および仲介事業者に対する規制の早急な法制化を求めたほか、民泊サービス事業者の責務として、集合住宅においては管理組合に対して、戸建住宅においては自治会に対して、誰が、どこで、迷惑行為の防止や安全確保のためどのような措置を講じて民泊サービスを行うのか、苦情窓口の連絡先も併せて事前説明を行い、了解を得ること、仲介事業者の定義を明確にするとともに、それ以外の仲介業務を禁止することを提案した。
また、同県は併せて海外の事業者に対する規制方法の明確化、そして一定の要件を超えて旅館業法に基づく営業許可が必要となる宿泊サービスについても「家主不在型」に対する管理者配置義務や迷惑行為防止措置の徹底を図るなど、旅館業法の見直しの検討を求めている。
民泊新法をめぐってはこれまで国が「民泊サービス」のあり方に関する検討会において検討を進め、今年の6月20日に検討会の最終報告書がまとめられたところだ。しかし、同報告書内には周辺住民(集合住宅の管理組合、自治会等)への事前説明義務等に関する記述がないほか、仲介事業者の定義や仲介事業者が海外の業者である場合の行政庁の対応など不明確な点もあり、未だ検討の余地が残されている。今回兵庫県はこれらの点をめぐる法整備および規制の明確化を提案した形だ。
民泊の合法化にあたっては宿泊者の安全性の確保や近隣住民とのトラブル防止が絶対条件となる。今回の提案を受けて政府が最終的にどのような法案を作成するのか、引き続き注目が集まる。
【参照ページ】「民泊サービス」に関する提案
【関連ページ】兵庫県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhub ニュース編集部)
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