政府・自民党は2月8日、民泊の年間営業日数の上限を地域の実情に応じて制限する調整に入ったことを日本経済新聞が2月9日付けで報じた。
民泊の運営によって生活環境の悪化などを招く場合、地方自治体が年間営業日数180日の上限を抑えるための条例を定められるようにする方針だ。制定可能な事案は「騒音の発生」など、生活環境の悪化を防ぐ目的に限る。日数制限が地域の宿泊需要に響かないよう考慮しつつ、どのような状況が該当するのかを示すガイドラインがまとめられる。
このほか、民泊業者に適切な運営を促すため、宿泊者名簿の備え付けや騒音防止に関する宿泊者への説明、合法な民泊だと示す標識の掲示などを義務づけ、違反すれば業務停止命令や立ち入り検査などの処分を行う方針だ。
政府は、「3月上旬の閣議決定、国会提出を目指す」という(参照ページ:民泊法案「年180日上限」…条例で引き下げも)(2月15日追記)。
年間営業日数の上限は「社会通念上、半年を超えると一般民家とみなせなくなる」として設定され、営業日数制限を設ける目的は訪日外国人の住宅地への大量流入による生活環境の悪化などを防ぐためとされる。また、国交・厚労両省によると、営業日数が180日以上となると、税制などの扱いを変える必要が出てくる可能性が高くなるという。
これまで年間営業日数の上限について、ホテル・旅館業界は「年30日以内」を希望していたが、不動産業界は上限の設定自体に反対し、対立姿勢をみせていた。国交・厚労両省は昨年12月、上限を180日にする妥協案を定めたが、これも両業界の利害と一致せず反発があった。その後、都道府県や市が条例で営業日数を制限できる選択肢を設ける方針へと変更されていた。
【参照ページ】民泊、条例で日数制限 生活環境悪化など条件 政府・自民が調整
【参照ページ】民泊法案「年180日上限」…条例で引き下げも
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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