政府が住宅の空き部屋などに旅行者を有料で泊める民泊をほぼ全面解禁する新法の前倒し提出を検討すると、日本経済新聞が6月25日付で報じた。
民泊新法は来年の通常国会に提出する方針だったが、官邸側が関係省庁に今秋の臨時国会への前倒しを指示した。秋に成立すれば年内にも規制が緩和される。
民泊事業主は、2017年までは旅館業法または特区民泊の許可取得する民泊事業に参入する準備期間であり、2017年から開始するとされていた民泊新制度に合わせ、物件の選定や民泊運営体制の構築等、事業拡大をしていく流れが一般的であった。しかし、2016年秋の臨時国会で新法が成立し、2016年中に民泊新制度が施行されるとなると準備期間が急激に狭まることとなる。
民泊新法を巡る運用上のルール案は、民泊を旅館やホテルとは別のサービスと位置づけ、簡単な届け出や登録で住宅を提供できるようにするというもの。民泊の年間の営業日数を「180日以下の範囲内で設定」とするなど、旅館業界などとの利害対立が強い部分は依然先送りしている。
現状、民泊の本格的な事業化にあたっては、日数制限のない旅館業法上の許可取得物件の確保が引き続き重要になるとみられる。また、民泊新法前倒しにより、今後フロント設置義務等、自治体の条例にも動きが出る可能性があり、そちらの動向も注視する必要がある。
政府は2020年までに訪日観光客数を年4000万人に増やす目標を掲げており受け入れ態勢の整備を急いでいる。民泊事業主も今後のスケジュールを見直す必要がありそうだ。
【参照ページ】民泊新法の提出前倒し検討 政府、秋の臨時国会に
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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