中国、北京に本拠を置く民泊仲介サイトの途家网は3月、シンガポールに本拠を置く民泊仲介サイトのRoomoramaと戦略的パートナーシップを締結すると公表した。今後、Roomoramaの物件は途家网のプラットフォームへ掲載されるようになり、Roomoramaは中国人観光客へのリーチを獲得し、途家网はさらに多くの旅行ニーズを満たせるようになる。
両者は今回の提携により中国人旅行者の海外旅行市場を開拓し、中国人観光客らに対してアパートや民泊、別荘などを含めたより質の高い宿泊の選択肢を提供し、新たな滞在体験を創り出す。
中国国家観光局の統計によると、2015年に中国の海外旅行者数は過去最高となる1.2億、観光支出は1,045億米ドルに到達し、それぞれ12%、16.7%の成長を見せた。今回の途家网のRoomoramaの戦略的提携の背景には、この急速に成長する中国の海外旅行市場がある。
Roomoramaの本社はシンガポールにあり、アメリカ、フランス、ドイツ、フィリピンに支社を構えている。同社は現在世界5,000都市以上で30万件以上の物件を掲載しており、東南アジア初の民泊仲介サイトとして最大手の規模に成長している。
一方の途家网は中国の北京に本拠を構え、2011年のサービス開始以降、中国における民泊市場のリーダーとして成長を続けており、現在、中国本土の288都市以上、香港、台湾、海外1,025都市以上のアパートや民泊、別荘など43万件の物件を掲載しており、家族旅行、合宿、ビジネス旅行、レジャーなど様々な宿泊ニーズに応えられるサービスを提供している。
今回の提携にあたり、Roomoramaの最高経営責任者を務めるFederico Folcia氏は「途家网は中国民泊プラットフォームのリーダーで、中国人観光客にとっても馴染みのあるブランドであり、我々にとっては理想的なパートナーだ。中国の海外旅行市場の急速な成長とともに、観光客はより合理的で能動的になってきた。彼らは伝統的なホテルよりも自分のライフスタイルに合った宿泊先を選ぶ傾向がある。途家网とRoomoramaの連携は一連の相乗効果を起こすと信じている」と語った。
また、途家网の創業者兼最高経営責任者を務める羅軍氏は「中国の海外旅行市場は急速に成長しており、Roomoramaとの連携はこの流れに沿うものだ。Roomoramaが持つブランド、プラットフォーム、物件数の強みは途家网の海外における影響力を高める。同時にRoomoramaも途家网を通して中国の顧客を獲得できる。中国の顧客はライフスタイルに合わせる滞在体験を求めているが、途家网とRoomoramaの連携によりそのような体験を顧客に提供できる」と語った。
アジアを代表する民泊仲介サイト、途家网とRoomoramaの提携は、中国で苦戦を強いられているAirbnbにとっての新たな脅威となりそうだ。世界最大の旅行市場となりつつある中国人観光客をどのように取り込んでいくのか、アジアでは民泊仲介サイト各社の激しい攻防が続きそうだ。
【参照ニュース】Roomorama, Tujia team up to tap China’s large outbound travel market
【参照ニュース】Roomorama shares inventory with China’s Tujia
(Livhub ニュース編集部 陳)
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