富裕層の国として知られ、旅行先としても人気の高いスイスでも、Airbnbの利用が広がっている。2014年から2015年の間に、スイスにおいてAirbnbの利用者数は2倍に増え、30万人まで拡大したことが分かった。スイスインフォが報じている。
スイスでは、昨年の1月に中央銀行のスイス国立銀行がスイスフランの上昇を抑えるために対ユーロで設けていた1ユーロ=1.20スイスフランという上限を撤廃すると発表し、急激なスイスフラン高となった。その影響もあり、スイスのホテルやB&B施設はここ数年の中でも最も大きく宿泊客を減らしたが、その一方で利用者を大きく伸ばしたのがAirbnbだった。
Airbnbがスイス通信に語ったところによると、現在スイスではAirbnbを通じて17,000件の物件が貸し出されており、貸し出しているホストの平均年齢は40歳、利用者の平均年齢は35歳、3分の2のゲストはヨーロッパからやってきており、平均の宿泊日数は4.5日だという。
また、物件の約40%は、チューリッヒ、バーゼル、ローザンヌ、ベルン、ジュネーブの5都市で占められており、ジュネーブでは、ホテル数は120に対し、Airbnbでは1,500のアパートが貸し出されているとのことだ。
スイスの既存のホテル産業は、この新たな競争相手の急成長に対し、法律面も含めて公平な競争環境下とは言えない現在の状態を憂いている。
ヨーロッパでは、ドイツのベルリンで5月からアパートでの民泊を禁止する新たな条例が施行されているなど、Airbnbをはじめとする民泊サービスの無秩序な普及に歯止めをかける動きも始まっている。ヨーロッパ屈指の人気観光地でもあるスイスが、民泊に対してどのような対応を進めていくのか、今後の動きに引き続き注目したい。
【参照ニュース】Swiss Airbnb rentals skyrocket
(Livhub ニュース編集部)
最新記事 by Livhub 編集部 (全て見る)
- 「よっしゃ頑張ろう」空の旅で、夢への一歩を。JAL、大谷翔平の移動距離を若者へ贈る”ドリームマイルパス” - 2024年10月29日
- 「すべてのものに魂が宿る」アイヌ信仰と現代アートが混ざりあう。阿寒湖の3週間アートイベント - 2024年10月24日
- 水と草木につつまれた「循環型サウナ村」が岐阜の秘境に誕生。人も、地域も、自然もととのう旅を - 2024年10月17日
- 【参加者募集】Circular Kameokaラーニングプログラム~ごみがめぐるまち、京都・亀岡で知って、触って、作ってみる~ - 2024年10月16日
- 【10/30開催】SANUがゲスト登壇!”地球も地域も再生する。リジェネラティブ・ツーリズムから考える旅のサーキュラーデザイン” - 2024年10月15日