奈良市は1月17日、6月に施行を控える住宅宿泊事業法(民泊新法)に関する条例案を公表した。
案では「住居専用地域」「学校や保育所等の敷地の周囲100メートル以内」、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(古都保存法)で指定される「歴史的風土特別保存地区」および「奈良町都市景観形成地区」を対象に営業日数の制限を設けている。
まず「住居専用地域」では宿泊に対する需要が増大すると認められる期間の、月曜日の正午から金曜日の正午までは民泊の営業が認められない。
次に「学校等周辺」では、月曜日の正午から金曜日の正午までは営業が認められない。しかし学校等の施設の休業日および国民の祝日に関する法律に規定する休日の前日の正午から当該休日の翌日の正午までの期間は除くとしている。
そして「歴史的風土特別保存地区」と「奈良町都市景観形成地区」では、宿泊に対する需要が増大すると認められる期間は営業が認められない。これらの区域に関して、古都保存法では、古都における歴史的風土を保存するため必要な土地の区域が「歴史的風土保存区域」として指定され、さらにこのなかでも重要な地域が都市計画で「歴史的風土特別保存地区」として計画されている。
奈良市の歴史的風土特別保存地区としては、春日山、平城京跡、聖武天皇陵、山陵、唐招提寺、薬師寺が該当し、これら区域内で開発行為を制限することにより、古都における歴史的風土の保存が図られるとしている。
上記の制限のなかでも「家主居住型」の民泊、民泊管理者の営業所や事務所から民泊事業を行う住宅まで片道2キロメートル未満である場合、営業所や事務所と民泊ゲストとの間に通話機器が設置されている場合は、制限の対象外となる。これらの規定に違反した事業者は、5万円以下の罰金が発生するとしている。
このほか奈良市は、届出住宅の所在地や民泊事業者の名称や連絡先等を公表する考えを示した。
今回の案に対し、市は1月19日(金)から2月9日(金)の期間に市民からのパブリックコメントを募集する。募った意見を参考に取りまとめた最終案を市議会に提出したのち、民泊事業の届出受付が開始となる予定だ。
【参考ページ】「(仮称)奈良市住宅宿泊事業の実施の制限等に関する条例骨子案」 に対する意見募集について
(Livhubニュース編集部)
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