バンクーバーのグレゴール・ロバートソン市長は7月5日、Airbnbをはじめとする短期のホームシェアリングに関する新たな規制の概要について説明した。新規制下では、住宅オーナーは年間49カナダドル(約4300円)のライセンス料で民泊サイトに自宅を掲載することが許可される一方で、自身が居住している物件(プライマリーレジデンス)以外のライセンスは申請できなくなる。
住民がホームシェアリングにより収入を得ることを認めると同時に、民泊物件の増加により部屋を借りづらくなっているバンクーバーの賃貸市場の現状を改善するのが狙いだ。承認されれば、2018年4月ごろに規制は発効する。
同市によると、新規制のもとでバンクーバーの短期レンタルの70%は引き続き許可されると見ており、約1,000件のリスティングが市場から取り除かれる見込みだという。
市の発表によれば、バンクーバーの昨年の賃貸空室率は0.8%と非常に低い状況が続いており、一方でAirbnbなどの短期レンタルとしては約6,000件が掲載され、2016年6月から10%増加しているとのことだ。また、Airbnbはバンクーバー最大の民泊プラットフォームとなっており、民泊による宿泊比率はバンクーバーの観光宿泊施設の30%にのぼるという。
バンクーバーの新規則では短期レンタルを行う住民はオンライン広告でライセンス番号を記載する必要があり、Airbnbのようなプラットフォーム事業者は市に最大3%の手数料を支払うとともに、既存の連邦税と地方税も支払うことを求めている。
カナダの都市では急増する短期レンタルに住宅市場が圧迫されており、対処に苦労しているのが現状だ。バンクーバー市の諮問委員会はアパートや家を丸々借りる余裕がない低所得層の住民が部屋を間借りする際に苦労する可能性があるとし、短期レンタル規制の必要性を指摘している。どれくらいの物件が短期レンタルにまわり、最終的に住宅供給にどのように影響するかを把握することを市に求めているほか、ライセンス料が新しい規則を実施する費用をまかなうのに十分かについても問うている。
【参照サイト】Vancouver regulations on short-term rentals move to council vote
【参照サイト】City of Vancouver hopes new Airbnb rules will free up 1,000 rental units
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