政府は9月9日、国家戦略特別区域諮問会議において、国家戦略特区で個人宅を宿泊施設として貸し出す「民泊」での「最低宿泊・利用日数」を、現行の「6泊7日」から「2泊3日」に引下げる要件緩和について、直ちに、必要な法令上の措置を講ずると公表した。特区以外ではホテルや旅館が技能実習制度を通じて外国人をより活用しやすくするなど規制緩和を検討する見通しだ。
特区に指定されている東京都大田区や大阪府では、滞在期間の条件が最低7日では長過ぎるとして、緩和を求める声が出ていた。日本政策投資銀行の3月の調査「日本における民泊利用の実態」によると、アジア8地域の訪日外国人の民泊滞在日数は平均9.7日であり、宿泊箇所は平均3.8箇所、1宿泊箇所あたりの平均滞在日数が2.5日であった。また、Airbnbは2015年に日本のAirbnb利用者1人あたりの平均宿泊日数は3.5泊であったことを公表している。短期宿泊のニーズが高く、6泊7日では利用者ニーズとの折り合いが悪い。そのため、特区民泊の申請も伸び悩みが指摘されていた。
現在、国家戦略特区の民泊は東京都大田区で17施設、大阪府の大東市と門真市で2施設が認定を受けている。本年中には、福岡県北九州市など、その他の国家戦略特区でも関係条例が整備され、特区民泊が開始される予定だ。
特区民泊最大のネックであった日数要件が緩和されることにより、特区民泊届出の増加が見込まれる。
【参照リリース】国家戦略特区における追加の規制改革事項について(案)
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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