「中国のAirbnb」として知られる中国民泊サイト大手の途家(Tujia)は8月13日、同サイト上における1日の宿泊予約数が56,000件を突破し、新記録を塗り替えたと公表した。
途家が1日当たりの予約数に関するデータを開示するのは今回が初めてで、これまで中国において公式に開示されているホームシェアリングデータの中でも過去最高の予約数となっている。同社は、この新記録は今後半年~1年にかけて起こる中国における民泊市場の爆発的な成長の始まりを示しているとしている。
途家は2015年8月、3億米ドルの資金調達を行い、推定時価総額は10億米ドルを超えている。現在43万人以上の物件オーナーを抱えており、中国本土312地域および海外1000以上の地域を網羅している。年間成長率は毎年300%以上を維持しているとのことだ。
なお、同社は今年の6月に中国の民泊サイト大手「mayi.com」も買収しており、今回開示されたデータは「mayi.com」の数値も含むものだ。
途家が開示した他のデータによると、現在同社のコアユーザー数は順調に増加しており、夏の旅行繁忙期には、70%以上の人々が家族との外出やグループ旅行を行っているほか、60%以上の利用者が3泊以上の予約を行っているという。2013年以降、複数の人と一緒に滞在し、数日間滞在するというのが途家ユーザーの顕著な特徴となっているとのことだ。
今後、途家は海外旅行をする中国人観光客に焦点を当て、特に中国人観光客の人気休暇先となっている東南アジア、日本、韓国における宿泊予約数の急速な成長を見込むとしている。
市場関係者らは「途家が更新した予約数の記録は、ホームシェアリングが中国人ユーザーにすでに受け入られていることを意味し、この市場は今後1年以内で急成長を遂げるだろう。そして5年後には、少なくとも中国の数千万人の消費者がこのシステムに慣れ、新しいホームシェアリングのモデルを採用するだろう」と推定している。
途家によると、中国の2015年における国内の旅行者数は40億人、海外旅行者数は1.2億人を突破したとのことだ。この数値を踏まえれば、中国のホームシェアリングが秘めたポテンシャルはまだまだ図り知れないと言えそうだ。巨大な国内市場へのアクセスを武器に海外展開も進める途家が、世界の民泊プラットフォームの勢力図をどう塗り替えるのか。今後も同社の成長から目が離せない。
(Livhub 編集部 佐々木 久枝)


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