ビジネストラベルに特化した民泊プラットフォームを運営するシンガポールのスタートアップ、MetroResidencesが、楽天から280万米ドル(約3億円)を調達したことがわかった。各紙が報じている。今後、旅行業界における楽天の強力なネットワークを活用し、アジアの主要なビジネス都市へ進出することを計画している。楽天が本社を置く日本にもオフィスを開設する。
2014年にJames Chua氏とLester Kang氏によって設立されたMetroResidencesは、出張で1か月程度以上の滞在が必要な企業の従業員と、家具付きサービスアパートメントをマッチングするプラットフォームを展開している企業だ。
ビジネストラベルに特化したAirbnbのようなサービスで、同社自体はアパートを所有しておらず、個人の不動産オーナーが所有する空き物件や、リース用の空き物件を保有する資産運用会社の物件を取り扱っている。
MetroResidencesはアパートメント内の準備やスタイリング、見学、貸し出し、メンテナンスのチェックを行う。物件は無料で掲載可能で、予約金額の10~25%を手数料としてオーナーから受け取るモデルとなっている。不動産オーナーはMetroResidences上で物件を貸し出すことで、通常の業者を利用するよりも30~40%多くの収益をあげることができるという。
同社は収益を開示していないものの、これまでに既に800社以上の法人顧客に対して11万5,000部屋以上の部屋を貸し出しており、投資を受けこの1年で400パーセント収益が増加したとのことだ。
コンサルティング大手のマッキンゼー&カンパニー社が公表したレポートによると、世界のビジネストラベル市場の市場規模は年間1兆米ドルで、その3分の1以上をアジアが占めており、出張者の40%はより経済的な宿泊施設の利用を検討しているという。
出張ビジネスマンをターゲットとするアジアの宿泊市場は競争が激化している。出張者サービスとしてはAirbnb自体も企業向けサービスとなる「Airbnbビジネストラベル」を提供しているほか、日本でも3月にダイバージェント社がビジネス利用特化型民泊サイトの「TripBiz(トリップビズ)」をオープンした。
ビジネスのグローバル化やLCC就航本数の増加などを背景に、拡大しつづけるアジアのビジネストラベル市場。この成長市場をめぐる争いはますます激しさを増しそうだ。楽天より出資を受けたMetroResidencesが、今後日本のマーケットでどのような展開を見せるのかにも注目したい。
【参照リリース】Rakuten invests $2.8m in Singapore-based serviced apartment startup
【参照リリース】Rakuten invests $2.8M in ‘Airbnb for business travel’ startup MetroResidences
(Livhubニュース編集部)
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