今年の1月19日に政府観光局が発表した2015年の訪日外国人観光客数は前年比47.1%増となる1973万7400人で、前年の1341万3467人を大幅に上回り、3年連続で過去最高を更新した。その中でも最も多かったのは中国人観光客(499万人)で、2位の韓国(400万人)、3位の台湾(368万人)を大きく突き放す形となった。
このように、中国人観光客は既に日本のインバウンド市場を牽引する存在となっているが、外務省は今年の1月から日本を訪れる中国人に対するビザの発給要件を緩和したため、今後はさらに中国人訪日客が増加すると予想される。(参考記事:外務省、1月から中国人訪日観光客のビザ発給要件を緩和。消費拡大に期待)
一方で、中国人の視点からすると、海外旅行先として人気があるのは何も日本だけではない。韓国や台湾、タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシアなども同様に人気が高く、大量の消費パワーを持つ中国人観光客をどのように自国に呼び込むかは、日本同様に観光産業を推進したいアジア諸国にとって重大なテーマの一つともなっている。
そこで一つのポイントとなってくるのがビザの問題だ。ビザの必要の有無や発給要件は中国人の旅行先の選択を大きく左右する。そこで今回は、2016年現在、中国国籍を持つ人々がビザなしもしくは到着時のビザ取得で入国可能な国々をまとめてみた。
相互免除国と地域
サンマリノ(ただしイタリアに入国することが前提ですなわちイタリア入国時のビザが必要)と、セーシェル、モーリシャスとバハマの3国(ともにイギリス連邦加盟国)
片方免除国と地域
チェジュ島(韓国)
チェジュ島行きの国際直行便を利用した場合は査証不要で30日間の滞在が可能。ソウル、仁川または金浦国際空港経由で韓国国内線へ乗り継いだ場合はビザ必要。
インドネシア(バリ島を含む)
ジャカルタ、バリ島、メダン、スラバヤまたはバタム島国際空港からの入国、もしくは客船でビンタン島、バタム島、セクパンやタンジュンの港から上陸した場合は査証不要で30日間の滞在が可能。
アメリカ領北マリアナ諸島(サイパン島を含む)
有効なパスポートと往復航空券所持の場合、ビジネス客や観光客は査証不要で45日間の滞在が可能。
イギリス領サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島(南極近くにある南大西洋の島)
16歳以上の観光客は72時間以内の滞在なら110ポンド、72時間越えたら160ポンドの滞在費用がかかる。直行便なしでほかの国経由での乗り継ぎが必要。
ハイチ
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、ポルトープランスからビザなしで入国できる。滞在期間3ヶ月まで。ただし中国から直行便がないため、南米もしくは北米経由で乗り継ぎの場合は通過査証が必要。
サモア
往復航空券と有効なパスポート所持の場合、査証不要60日間の滞在が可能。ただし中国から直行便がないため、ニュージーランドで乗り継ぎの場合は通過査証が必要。
イギリス領タークス・カイコス諸島
有効なパスポートと往復航空券(他国経由でもか)所持の場合、査証不要90日間の滞在が可能。ただし中国から直行便がないため、アメリカで乗り継ぎの場合は通過査証が必要。
アライバルビザで入国可能な国と地域
モルディブ
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、到着先空港で滞在日数30日までのアライバルビザを無料で取得可能。
フィジー
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、到着先のナンディ国際空港で滞在期間4ヶ月のアライバルビザの申請が可能。さらに2ヶ月延長する場合、76フィジー・ドルがかかる。
パラオ
有効期間残り6ヶ月以上のパスポートと往復航空券所持の場合、ロマン・トゥメトゥール国際空港で滞在日数30日までのアライバルビザの申請が可能。
ネパール
中国籍の方はカトマンズ国際空港でアライバルビザの申請が可能。ただしネパール経由で第3国へいく場合はネパール側発行のビザが必要。
ラオス
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、すべての空港や港で滞在日数30日までのアライバルビザが取得可能。(申請用紙、証明写真1枚と申請費用20ドルが必要)
タイ
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、指定された24の空港や港で滞在日数15日までのアライバルビザが取得可能。(資産証明、航空券、ホテル予約証明、申請費用1000バーツが必要)
ベトナム
ベトナム国際旅行社利用の団体客はハノイにて滞在期間1ヶ月間のアライバルビザが取得可能。
カンボジア
カンボジアの主な空港や港でアライバルビザが取得可能。
ブルネイ
有効なパスポート所持の団体観光客は滞在日数14日間のアライバルビザが取得可能。ビジネス客や個人客の場合は身元保証人が必要。
東チモール
インドネシアとの国境を越え陸路で入国した場合事前ビザ申請が必要。一方、港や空港から上陸した場合は最長90日間のアライバルビザが取得可能。(航空券、ホテル予約証明や申請書類の提出が必要
バーレーン
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、バーレーン国際空港もしくはサウジとの国境を結ぶキング・ファハド・コーズウェイで滞在日数14日間のアライバルビザが取得可能。延長の場合は5ディナールがかかる。ただし、独身女性や、身元保証人いない場合は入国拒否される可能性ある。
エジプト
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、カイロ、アレクサンドリア、フルガダ、シャルム・エル・シェイクまたはルクソールで入国の際、滞在日数30日間のアライバルビザが取得可能。申請費用は15ドル。ただし、出発前に旅行社経由でエジプト移民局への事前届出が必要。
ヨルダン
有効なパスポート所持の場合、滞在日数30日までのアライバルビザが取得可能。申請時は滞在中の宿泊地を記入する必要がある
レバノン
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、滞在期間1ヶ月のアライバルビザが取得可能。満了後、最長3ヶ月までの延長が可能。
イラン
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、滞在日数15日までのアライバルビザが取得可能。申請に必要なもの:パスポートのコピー、往復チケット、写真1枚(女性はスカーフの着用が必須)、申請費用80ユーロ。
マダガスカル
アライバルビザ申請時、有効なパスポートと往復航空券が必要。滞在期間最長3ヶ月で、1ヶ月以内の場合は無料。
タンザニア
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、ジュリウス・ニエレレ国際空をはじめとする全20の空港でアライバルビザが取得可能。
ケニア
有効期間残り6ヶ月以上のパスポート所持の場合、アライバルビザの取得が可能。ジョモ・ケニヤッタ国際空港、モンバサ・モイ国際空港等7つの空港や、モンバサ・ポート、マリンジ・ポート等5つの港または計15箇所ある陸路入国審査所で取得可能。アライバルビザは乗り継ぎ用と通常用の2種類があり、前者の場合は申請費用20ドルで後者は50ドルがかかる。通常用は最長滞在期間3ヶ月で満了後1回更新可能。ただし、ビザなしでケニアへの渡航は認められない可能性があるため、やはり第3国のビザ所持が一番無難。
(Livhub ニュース編集部 華原)
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