オランダの首都アムステルダムが、Airbnbなどの民泊サイトを利用して部屋を貸し出す民泊ホストに対して、事前の市当局への貸し出し日程の登録を義務化することを計画していることが分かった。ロイター通信が報じている。シェアリングエコノミーの先進都市として知られるアムステルダムが、健全な市場の成長に向けて新たな統制策へと一歩を踏み出した。
アムステルダムでは民泊が昨今の住宅価格や家賃の急騰の原因の一つとして挙げられており、地元のホテル経営者や、歴史的な中心部が住みづらくなっていると感じる住民からも不満の声が上がっていた。こうした声を受け、既に同市はいくつかの措置を講じている。
アムステルダム市は2014年に民泊仲介サイト世界最大手のAirbnbと協定を結び、Airbnbが市に代わって宿泊ゲストから観光税を回収する取り組みを始めた。また、同市は2016年には民泊ホストが部屋を貸し出すことができる年間上限日数を60泊と定め、制限を設定した(関連記事:Airbnb、民泊貸し出し日数を制限へ。ロンドンは年間90日、アムステルダムは年間60日。)。
アムステルダム市の広報担当ジャニネ・ハーバーズ氏は、今回の新しい規則は60日の規制を守らずに闇ホテルが操業されることを防ぐためのものだと説明する。新ルールは10月に施行される予定で、届け出る内容はあくまで貸し出す日付だけで、それ以上の過度の介入はないという。また、規則に従わない者は20,500ユーロ(約250万円)の罰金を科される可能性があることも明らかになった。
国際的な港町として独特の発展を遂げたアムステルダムを訪れる観光客は年々増加しており、今回の発表は現地で高まる緊張を和らげるためになんとか市の統制を保とうとする自治体の苦肉の策といえる。
Airbnbは先日も地元サンフランシスコ市との訴訟において和解に合意し、民泊ホスト全員に対して市への登録を義務化し、サイト上から市に登録できる簡易なシステムを構築することを発表したばかりだ(関連記事:Airbnb、サンフランシスコ市と和解へ。民泊ホスト全員に市への登録を義務づけ)。
【参照サイト】Amsterdam to require homeowners to register dates before using AirBnB
(Livhub ニュース編集部)
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