リクルートグループが民泊仲介サイト世界最大手のAirbnbと提携し、民泊事業に参入する。株式会社リクルート住まいカンパニー(以下、リクルート住まいカンパニー)が運営する不動産情報ポータルサイト「SUUMO(スーモ)」に掲載されている物件が空室の場合、民泊として活用できるようにする。
リクルート住まいカンパニーは、SUUMO上での入居者募集に加え、物件の空室時に民泊として運営することを賃貸管理会社や賃貸オーナーに提案する。同社からの提案で住宅宿泊事業を運営する場合、同社が提携している運営代行会社が運営の主要業務を行う。具体的には、家財手配や住宅宿泊ルール作成、保険加入等の開始準備から、Airbnbその他の民泊プラットフォームへの物件情報掲載、予約受付、宿泊者の問い合わせ対応、鍵の受け渡し、クチコミ管理、帳簿管理、清掃・リネン準備などを手掛ける。
そのほか、通常のAirbnbのサイトでの集客だけでなく、特別サイトを通じた集客施策も展開する予定だ。これらの施策により、住宅宿泊事業を行ったことがない賃貸管理会社や賃貸オーナーも効率的な運営が期待できる。Airbnbとの提携により、協働でデータを活用したマーケティングの質の向上も図る。

産経メディックスの調査によると、2017年1月時点でスーモの物件登録数は660万件を超えており、日本最大級の不動産情報サイトの一つとなっている。全国に膨大な不動産賃貸・管理業者ネットワークを保有するリクルートの民泊事業への参入により、新法施行後の民泊市場はさらに盛り上がることになりそうだ。
民泊をめぐってはすでに楽天グループがLIFULLとの共同出資により楽天LIFULL STAYを設立し、民泊市場への参入を公表している。楽天LIFULL STAYはエクスペディアグループの民泊仲介サイトHomeAwayや世界最大級のオンライン旅行予約サイトBooking.comなどと業務提携を進めており、自社で運営予定となっている民泊仲介サイトの物件在庫を提携各社と共有することで海外ゲストの集客を担保し、市場シェア獲得を目指している。掲載物件の供給元となるのは、2017年1月時点で国内最大の物件掲載数820万件を誇る、LIFULLが保有する不動産情報ポータルサイト「HOME’S」だ。
民泊仲介サイトの国内市場シェアを見てみると現状は実質Airbnbの寡占状態となっているが、新法施行後は違法民泊が急減することが想定されるため、今後は今までとは全く異なるルールの下で新たな競争が始まると考えたほうがよい。
リクルートとAirbnb、楽天LIFULL・海外OTA勢という構図が浮かび上がりつつあるなか、足元では日本初の民泊仲介サイト「STAY JAPAN」を運営する百戦錬磨も順調に物件数、利用者数を伸ばしている。6月の新法施行に向けた水面下の競争は既に始まっている。
【参照記事】不動産情報サイトの掲載競争が激化 最多「HOME’S」は800万件突破
【関連記事】どうなる民泊業界!?2017年10大ニュースと2018年を占う10のトレンド
(Livhubニュース編集部)


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