徳島市で今月12日~15日にかけて行われる阿波おどり期間中の宿泊施設不足を解消するべく、同市から「イベント民泊実施業務」を受託しているパソナが本日より民泊ゲストの募集を開始した。
ゲスト募集の開始にあたり、同社が今月1日に東京駅前にオープンした日本初となるコミュニティ型の観光案内所「TRAVEL HUB MIX(トラベルハブミックス)」では、ゲスト募集の告知イベントが開催された。

阿波おどりは毎年4日間で120万人以上の観光客を動員しており、その半数の約60万人が県外から訪れるという徳島の一大イベントだ。一方で、徳島市内の宿泊施設は約3,400室、6,100名程度の収容人数しかなく、県全体でみても施設数は約6,700室、14,000名程度と限られている。また、毎年参加している観光客が前年の阿波おどり開始中に来年の予約を取るケースも多いため、新規の観光客が宿泊施設を予約するのは非常に難しく、阿波おどり期間中の宿泊施設不足が課題となっていた。
この問題を解消するべく、徳島市はパソナと協働して阿波おどり期間中に自宅などを貸し出すホストを募集していた。最終的に36名から申込があり、65部屋、最大宿泊可能人数321名分の宿泊スペースが確保できたとのことだ。
イベント民泊については過去にも青森県五所川原市の「立佞武多」、青森県弘前市の「弘前さくらまつり」、沖縄市が開催した「広島カープ優勝パレード」に合わせたイベント民泊など全国の自治体が実施をしてきたが、いずれも部屋の貸し出しに手を挙げたホストの人数は10名を切っており、ゲストもほとんど集客できていない状況だった。今回の阿波おどりイベント民泊はまだまだ阿波おどり全体の宿泊需要には大きく満たないものの、過去の事例と比較すればかなり高い成果を上げていると言える。
徳島市は阿波おどりイベント民泊専用の予約サイトを開設し、本日からゲストの募集を開始しているが、すでに開始直後から海外ゲストも含めて順調に予約が入っているという。なお、ゲスト集客にあたってはパソナと業務提携しているAirbnbも特設ページを開設している。
徳島市では「民泊」自体の認知度がほとんどないなか、パソナの社員は徳島に約2ヶ月間にわたって滞在し、地域の経営者やコミュニティセンターをめぐるなどして地道な告知活動を続けてきた。自治体がイベント民泊業務を民間企業に委託するのは今回が初めてとなり、イベント民泊を検討している他の自治体にとっても大きな参考事例となる。民泊で徳島を訪れたゲストと地元のホストらとの間にどのような交流が生まれ、どのような地域活性のきっかけが得られるのか、成果に期待したいところだ。
なお、宿泊施設は11日~16日チェックアウトまでの日程で下記から予約可能なので、興味がある方はぜひ予約してみてはいかがだろうか?
【参照サイト】徳島市阿波おどりイベント民泊
【参照サイト】Airbnb「徳島市阿波おどり」
【関連ページ】徳島県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制


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