Airbnbがこのほど公開した最新のレポートは、世界各地の農村の活性化を同社がいかに支援しているかを示している。都市でAirbnbが最も注目を集めている一方で、地方行政と連携し農村支援にも協力しており都市部外での成長も勢いを増しているという。
レポートによると、今回Airbnbが調査した11カ国(アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、イタリア、日本、韓国、スペイン、台湾、米国)で、農村部のホストは、同プラットフォームを通じて、2016年に850万人のゲストを迎え、10億6000万米ドル(約1190億円)の収入を得たという。
旅行・観光市場は世界全体で成長を続けており、2017年には世界のGDPの10%を超えているが、全ての地域が等しくその恩恵を受けていたわけではない。観光客が多く集まる都市部は観光客から多くの収入を得ている一方で、地方部にはその恩恵が行き届いていなかった。そのような状況を変えようとしているのがAirbnbだ。
世界人口のバランスが都市にシフトするにつれて、都市と農村では経済格差が広がっているが、農村部や地方に暮らす人々がホームシェアにより観光から直接利益を得ること可能になれば、人々の所得は底上げされ、多様化することで都市部への移住圧力も低減する。また、ホームシェアリングであれば二の足を踏みかねないインフラへの巨額投資をする必要もないため、より多くの旅行者を迎え入れることができる利点もある。
ラテンアメリカでAirbnbが最も急速に成長しているアルゼンチンは昨年、地方での滞在が4倍になり、地方の物件リスティング数は3倍になった。日本では、都市部以外の滞在が267%増となった。オーストラリアでは、リスティングの半数とゲスト滞在の56%が都市部外だった。米国では、リスティングの5分の1が農村部で、農村部のホスト収入は昨年、5億米ドル(約510億円)に達した。
また、調査対象国ではブラジル(49%)を除くすべての国でホストは女性の方が多かった点も特徴だ。年齢についても国により傾向が異なり、政府と協力して地元で知られる観光スポットをプロモートしている台湾では、都市部外のホストの平均年齢が38歳と最も若かった。地方の高齢化が進むフランスが農村部の平均年齢が最高齢の50歳だったという。
農村部は干ばつや気候変動の打撃を受けやすく将来に不安を抱えている。投資は都市部に集中し、地方の起業家に対する支援は必ずしも十分とは言えない。Airbnbは、ホームシェアリングのプラットフォームを通じて成長する観光業のリターンを農村地域の人々に還元し、地方の暮らしの安定化に貢献している。
【参照サイト】New report shows how Airbnb supports rural revitalization around the world
(Livhubニュース編集部)


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