Airbnbは6月21日、ホームシェアリングを通じた農村部や地方部の地域活性に向けて、世界銀行グループと覚書を締結したと公表した。
現在、観光産業は世界のGDPの10%を占めているものの、この経済的利益の大部分が都市や伝統的な観光スポットに集中しており、農村部や地方部にはその恩恵が行き届いていないのが現状だ。この格差をホームシェアリングにより解消し、よりインクルーシブな観光・旅行産業を実現するのが提携の目的だ。今後、Airbnbと世界銀行グループは共同でホームシェアリングが地域社会へのどのような影響を受けているのか、またどのように観光が地域経済を活性化させるのかを研究する計画だ。
AirbnbのディレクターClark Stevens氏は「Airbnbのホームシェアリングが農村部での活動を支援している。世界中の地域社会にとってホームシェアリングが重要な経済的な原動力となっていることを認識しており、新興観光地域でのパイロットプロジェクトが楽しみだ」と語る。
また、世界銀行グループの貿易・競争力グローバル・プラクティス担当ディレクター、Cecile Fruman氏は「旅行と観光は、世界最大のサービス産業の一つであり、宿泊施設はその核となるものだ。シェアリングエコノミーは業界全体にチャンスをもたらし、Airbnbとのパートナーシップは、これらの機会をよりよく理解し、対応策を準備し、途上国を支援して観光セクターがGDPを押し上げ、雇用を創出し、貧困を減らすことができるよう支援するものだ」とコメントしている。
具体的なアクションとしては、Airbnbと世界銀行グループはアジア太平洋地域のスリランカとインドを出発点として潜在的なホストを特定し、ホームシェアリングとホスピタリティの基準に関するトレーニングを提供し、ホストがAirbnbコミュニティに参加できるようにデジタルリテラシースキルを向上させる。
また国内外の訪問者へのリスティングのプロモーションでも協力し、ホームシェアリングの農村経済への影響を測定するためにデータを共有する。この覚書は、伝統的に観光やホスピタリティ業界の恩恵を受けていない地域社会に新たな経済的機会を創出するためのものだ。今回の提携は民泊業界の研究と更なる成長、そして貧困撲滅に向けて大きな成果が期待されている。
【参照ページ】Airbnb teams up with the World Bank Group to support emerging market tourism
(Livhubニュース編集部)
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