Airbnbは6月19日、スポーツにおけるイベント民泊の経済効果を発表した。
今後開催されるスポーツ世界大会における経済効果は、日本開催のラグビーワールドカップにおいては、30万人以上のインバウンド旅行者(ゲスト)、43億円以上のホスト収入だと予測した。そのほか、サッカーの大陸選手権で、ブラジルで開催中の「コパアメリカ」では8万人以上のゲスト、11億円以上のホスト収入、ロンドンを除く英国各地で開催される「クリケットワールドカップ」では15万人以上のゲスト、5億円以上のホスト収入、テニスの四大国際大会であるロンドン開催のウィンブルドン選手権では18万5,000人以上のゲスト、3億円以上のホスト収入、同じくテニスの四大国際大会でオーストラリア・メルボルン開催の全豪オープンでは29,000人以上のゲスト、20億円以上のホスト収入と算出した。
Airbnbは創業当初から、スポーツイベントを目的とした世界中の旅行者を支援してきた。Airbnbがグローバル展開をはじめた2010年には、サッカーワールドカップ南アフリカ大会で同国のホストが招いたゲスト数は500名以下、予約数から試算した経済効果は1千万円程度だったという。その後、これまでにAirbnbのリスティング数は全世界で600万件、ゲスト利用者は5億人にまで成長し、2019年1月のAirbnbによる調査によると、ホストの44%がスポーツイベントを目的としたゲストを滞在させたことがあると回答した。特に大規模なスポーツイベントが開催される英国では、その比率は54%、米国では55%にものぼった。
2016年、Airbnbはブラジル・リオデジャネイロで開催されたオリンピックで代替宿泊施設の公式サプライヤーとなり、3週間で80,000人のゲストを迎えた実績がある。このとき、リオ市内のホストが得た収益は合計約30億円だった。そのほか、2014年と2018年のサッカーFIFAワールドカップでは、391,000人のゲスト、79億円以上のホスト収入、2012年から2018年のオリンピック期間中は112,000人のゲスト、37億円以上のホスト収入、アメリカで開催されるアメリカンフットボール最大の祭典であるスーパーボウルでは2015年から2019年までに49,000人のゲスト、27億円以上のホスト収入を生み出すなどの経済効果をもたらしてきた。
スポーツイベントを開催する都市にとっては、イベント時の宿泊施設の不足と、イベント後に継続的に旅行者を誘致できるかが課題となる。Airbnbは、日本においては、今年9月に千葉市で行われる「レッドブル・エアレース千葉2019」期間中の千葉市との連携や、「ラグビーワールドカップ」開催期間中の釜石市との連携などを通じて、イベント民泊の推進を図っている。今後、イベント民泊で運営実績を積んだホストが新たなゲストを継続的に招くことで、観光産業のさらなる活性化につながることが期待される。
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(Livhubニュース編集部)


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