民泊プラットフォーム世界最大手のAirbnbが戦略上、重要視する中国市場の成長を加速すべく、北京オフィスのエンジニアを今後12か月間で、現在の25人から4倍となる100人以上に増やすことが分かった。Airbnb共同創設者で最高戦略責任者Nathan Blecharczykの話としてBloombergが報じている。
Airbnbは投資するにあたり、世界第二位の経済大国で、アジア最大の市場である中国のミレニアル世代に焦点を当てている。
Airbnbが本社のある米国以外でエンジニアリング部門を持つのは中国のみ。この中国専門のエンジニアリングチームは3年前に設置され、2016年の後半に北京に移転した。今回の増員は、以前に発表した中国への投資を倍増し、現地従業員を3倍の300人にする計画の一環だ。この施策により独自の旅行の味を覚えた400万人の若い世代向けサービスの再ローンチを進める。
世界第4位のスタートアップと評されるAirbnbは、なかなか突破口を見いだせない中国市場で先を行くTujia(途家)とXiaozhu(小猪)に対抗するべく、2017年には中国部門の責任者も任命した。また、現地でのブランド名を中国語の「Aibiying(愛彼迎)」にし、若い中産階級が好む支払いオプションを採用。週7日24時間体制でカスタマーサポートを行っている。
現在、中国市場規模の約半分は国内旅行だ。Airbnbは既に10万件のリスティングを掲載しているものの、それでもTujiaらには遠く及ばない。しかし、Airbnbの強みである世界に展開するネットワークを活かして、530万人が中国から海外旅行をする際にAirbnbのプラットフォームを利用している。
世界最多の海外旅行者を送り出す中国のアウトバンド旅行は2016年に142%成長しており、今後も堅調な成長が見込まれる。今回のAirbnbの中国国内での一連の強化策で、国内旅行分野での追い上げがなるか注目される。
【参照記事】Airbnb Will Quadruple Its China Tech Team to Target Millennials


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